第5話「聖女降臨と、神聖なるピー音」その1
おっさんのパーティーは、順調に成長していた。
順調、と言っていいのか分からないけど。
セシリア(女騎士):白い肌着+三徳包丁
エルネラ(エルフ魔導師):ピンクの魔法少女コス+「どかーん♡」
見た目は最悪。
でも、性能は最強。
分かる?
この矛盾。
◆
ギルドで、次の依頼を確認していた。
「今日の依頼は…」
おっさん、掲示板を見る。
『ゴブリンの群れ討伐』
『報酬:銀貨100枚』
「ゴブリンか」
セシリアが、三徳包丁を見る。
「余裕ね」
「余裕ですね」
おっさん、頷く。
ドラゴンを倒したパーティーだもん。
ゴブリンなんて余裕でしょ。
エルネラも頷く。
「ええ。すぐに終わるわ」
(良いチームになってきた)
おっさん、思う。
別に…」
セシリアが、小さく呟く。
「別に、貴方のパーティーだから頑張ってるわけじゃないわよ」
「はい」
(ツンデレだ)
その時だった。
「あの、すみません!」
明るい声が響いた。
振り返ると。
少女が立っていた。
小柄。
おっさんより頭二つ分小さい。
金色の髪。
青い瞳。
白いローブ。
そして、胸元に聖印。
(聖女…?)
「はい?」
おっさん、答える。
「あなたたち、新人Cランクの方ですよね!」
少女が、笑顔で言う。
明るい。
元気。
「はい、そうですが」
「私、あなたたちのパーティーに入りたいんです!」
「え?」
おっさん、驚く。
セシリアとエルネラも、顔を見合わせる。
(聖女が、俺たちのパーティーに?)
少女が、おっさんを見る。
「私、ルミナって言います!」
「18歳です!」
「聖女です!」
「よろしくお願いします!」
元気。
すごく元気。
(聖女って、もっとおしとやかなイメージだったけど)
「あの…なんで俺たちのパーティーに?」
「だって、有名じゃないですか!」
ルミナが、目を輝かせる。
「ドラゴンを倒した新人パーティー!」
「包丁で戦う女騎士!」
「魔法少女のエルフ!」
「すごいです!」
(有名になってたのか)
おっさん、複雑な気持ち。
セシリアが、顔を赤くする。
「その…言わないでほしいのだけど…」
エルネラも、複雑な顔。
「…有名なのね」
「はい! すごく有名です!」
ルミナが、さらに言う。
「それで、私もそのシステム、使ってみたいんです!」
「システム?」
「AI-DOSUですよね! 装備を最適化してくれるシステム!」
(嫌な予感)
おっさん、冷や汗を流す。
「あの…それは…」
「お願いします!」
ルミナが、両手を合わせる。
「私、絶対に役に立ちます!」
「回復魔法も使えます!」
「支援魔法も使えます!」
「頑張ります!」
元気。
すごく元気。
セシリアが、おっさんを見る。
「…緋川さん、どうする?」
「そうですね…」
おっさん、考える。
回復役は確かに欲しい。
でも、AI-DOSUが何をするか分からない。
(どうしよう)
「お願いします!」
ルミナが、もう一度頭を下げる。
「…分かりました」
おっさん、観念した。
「ただし、一つ条件があります」
「なんですか!」
「このシステム、かなりポンコツです」
「はい!」
「装備が変な風になる可能性があります」
「大丈夫です!」
ルミナが、笑顔で答える。
「私、どんな装備でも頑張れます!」
(フラグだ)
おっさん、確信する。
これ、完全にフラグだ。




