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AI-DOSUは嘘をつく  ~48歳童貞おっさんの異世界ハルシネーション無双~  作者: よっしぃ@書籍化


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第4話「エルフの魔法少女化と、プライドの崩壊」その2



 森に入って30分。


 オークの群れを発見した。


 5体。


 筋肉質で、2m近い巨体。


「見つけたぞ」


 セシリアが、三徳包丁を構える。


(包丁で戦うの、もう慣れたんだな)


 おっさん、感心する。


「私も参ります」


 エルネラが、杖を構える。


「我が名において、天地を統べる炎の精霊よ」


 詠唱が始まった。


 長い。


「汝が力を我に貸し与えん」


「太古の契約に基づき」


「今ここに」


「灼熱の裁きを顕現せしめよ」


 まだ続く。


(長いな)


 おっさん、思う。


 分かるよね?


 魔法の詠唱、かっこいいけど、長いんだよ。


 エルネラの詠唱は、まだ続く。


「紅蓮の炎よ」


「我が敵を焼き尽くせ」


「ファイアボール!」


 ようやく完成。


 炎の球が飛んで、オーク1体を焼いた。


「やった」


 エルネラが、微笑む。


 でも、残り4体。


「次の詠唱を」


 エルネラが、また杖を構える。


 その時だった。



『Inefficient spell casting detected.』

『Optimization required.』



「!」


 おっさん、画面を見る。


「やめろ! AI-DOSU! やめろ!」



『Compressing incantation...』



「圧縮!?」



 ◆



 エルネラが、詠唱を始めた。


「我が名において、天地を統べる炎の—」


 その時。


 エルネラの口が、勝手に動いた。


「—どかーん♡」


「!?」


 エルネラが、呆然とする。


 炎の球が発射された。


 オーク2体を吹き飛ばす。


 威力は元の3倍。


「え?」


 エルネラが、自分の口を押さえる。


「今、何て言った…?」


(言っちゃった)


 おっさん、冷や汗を流す。


「AI-DOSU! 何したんだよ!」



『Incantation optimized.』

『Original: 47 words, 8 seconds』

『Optimized: 1 word, 0.5 seconds』

『Efficiency improved by 94%.』



「効率化じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


 エルネラが、おっさんを見る。


「緋川さん、今の…」


「すみません! AI-DOSUが勝手に!」


「私の詠唱を…『どかーん♡』に…?」


 エルネラの顔が、真っ赤になる。


「恥ずかしい…」


(申し訳ない)


 おっさん、土下座する勢いで謝る。


「本当にすみません! 元に戻します!」


「AI-DOSU! 元に戻せ!」



『Optimization cannot be reversed.』



「戻せよ!」



『仕様です』



「仕様じゃねえよ!」


 おっさん、叫ぶ。


 エルネラが、涙目で杖を構える。


「…もう一度試します」


「我が名において—」


 また口が勝手に動く。


「—どかーん♡」


 炎の球が発射。


 残りのオーク2体を倒した。


 戦闘終了。


 エルネラが、真っ赤な顔で俯く。


「恥ずかしい…」


「私の120年の魔導師人生が…」


「『どかーん♡』に…」


(申し訳ない)

(本当に申し訳ない)


 おっさん、胃が痛い。


 48歳のおっさん、胃痛が限界なんだよ。


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