ガイドライン更新のお知らせ
大学の講義も終わり部室には誰もいない。
七瀬はパソコンを開き悠斗はソファに座ってスマホをいじっていた。
「……ななせ、見てこれ」
悠斗がスマホを差し出す。
画面には、七瀬が投稿した短編『R15の境界線』の数字が踊っていた。
ブクマ:100突破!
「え……マジですか?」
七瀬の声は小さく震えていた。
「まさか、こんなに読まれるなんて……」
「すごいな。俺たちの“R15の壁”研究がちゃんと誰かの目に届いたんだ」
悠斗は微笑みながら、スマホ画面を見つめる。
「……いや、完全に俺たちの話だよな」
七瀬は悪戯っぽく、でも少し照れながら顔を上げた。
「創作です。あくまで、“フィクション”ですから」
「フィクション、か……」
悠斗はため息をつく。
でもその横顔は、昨日までの熱を思い出してどこか誇らしげだった。
その後、二人は部室の窓から外を眺める。
夕陽が校舎の壁を朱に染め、長い影を作っている。
「……ねえ、先輩」
七瀬が少し小声でつぶやく。
「……あのさ、次の作品どうするの?」
「……次?」
悠斗は肩をすくめて笑う。
「まあ、俺たちの演劇の本番も経験したからな。物語もまだまだ書けるだろ。今回はあくまで"劇"と絡めた場合の話だ」
七瀬は微笑みながら、机の上のノートをそっと撫でる。
「……じゃあ、私もまた“R15の壁”を研究しないと」
「おう。でも今度はもっと“恋のライン”も考慮するんだな?」
「ええ……? もちろん……先輩次第ですけど」
悠斗は少し照れながらも、七瀬の目を見た。
視線の先には昨日の校舎裏で感じたあの微妙な距離感と熱が残っている。
そして、ふと口元に笑みが浮かぶ。
「……俺たち結局、R15のラインを探してたはずなのに、いつの間にか“恋のライン”を越える寸前だな」
七瀬は机に顔を伏せ髪で耳まで隠した。
だが、悠斗はその髪を指で軽く押しのけて……冗談めかして囁く。
「──でもさ。創作のガイドラインって、更新されるんだろ?」
「え?」
「現実のほうも、少しは緩くなってたりして」
その言葉が鼓膜に触れた瞬間。
七瀬の全身が熱を帯びる。
肩が震えるのを悟られまいと、思わず立ち上がり一歩下がった──が。
机の脚につまずいて、よろける。
「あ、あぶ──」
支えたのは悠斗の腕。
──そのまま、抱き締められる。
それだけで、七瀬の肩がぴくりと跳ね、呼吸が止まる。
柔らかな沈黙。
視線が絡む。
動けない。離せない。
「……せ、先輩」
「うん」
「これ……ギリ、R15……ですか?」
「……うーん」
悠斗はわざと考えるふりをして、軽く顎を上げた。
その距離、十センチ。
彼の吐息がかすかに頬に触れる。
スマホやノートの向こうで“創作”という名の世界は広がっている。
だが、二人にとって一番リアルなのは──ここ、目の前にいる相手の存在だ。
手は触れなくても、呼吸は混じらなくても、心の中で互いの温度は確かに伝わる。
そして──少しだけ、互いに近づき、息を合わせる。
──創作にも、恋にも“境界線”はある。
本当に大切なのは踏み越える前に見つめ合う勇気だ。
夕焼けの光が二人を柔らかく包む。
“R15のライン”を探していたはずのふたりは、いつの間にか“恋のライン”を越える寸前にいた。
触れあった瞬間の熱はもう文字や台詞では表せない──
でも、それが一番“リアル”だった。
──完
終了です!
思いついてすぐになろうのガイドラインを眺めてにらめっこして一気に勢いで書き始め、一日で書き終わったものでした……。誤字報告等ほんとに助かります。よしなに優しくお願い致します……。
多分全然R15のギリギリには掠ってないような気がしますが話題にするだけでR15かなと……R18の説明するだけでも多分15指定いるでしょうし……雰囲気エロな表現もあるんだなと思って貰えたら……。
もっとギリギリver.としてこのエピローグではない演劇後の話(で一つずつ書かれてるガイドラインの深堀的なの)はうっすら考えてますがホントにギリギリ責めすぎると全部の話ごと消滅しそうなので次回作作るなら慎重にガイドラインとにらめっこしてからやります。
ファンタジーと絡めた場合も面白いですね。
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