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装備を整えたので領主邸へ向かう
人形が後をついて歩くので、非常に目立っているが…
「何用だ」
「クラウス様と依頼についてお話したい」
「依頼?」
「ハルトが来たと伝えて貰いたい」
「少し待て」
門番に伝えると屋敷へと確認に向かう
しばらく待つと昨日会ったメイドが現れた
「ハルト様、ご案内します」
「お願いする」
応接室でしばらく待つとクラウス様が現れる
「やあ、待たせてしまったね」
「いえ」
「へ〜。フルプレートを買ったんだ」
「はい、ガンザさんの所で安く買えました」
「あのガンザが?随分気に入られたようだね」
「クズ石の大剣を扱えたので」
「クズ石?あれは使えないって鉱山でも邪魔物扱いされてるんだけどね」
「スキルで軽く出来るので」
「なるほど!ハルト君なら使えるか」
「はい、鎧も作って貰えるように頼みました」
「ほう、だけど輸送は…ハルト君か」
「はい、自分なら運べると思うので」
「よし、うちの鉱山なら持って行っていいよ」
「ありがとうございます」
「後で指示書を書いてあげよう」
「色々とありがとうございます」
「なに、娘を助けてくれたお礼さ。どうせ使い道がないからね」
「さて、警備の依頼だが…」
コンコン
「む?」
「失礼します」
「おお!サラ。もう大丈夫なのかい?」
「はい、お父様」
「それは良かった。ハルト君、改めて紹介しよう。娘のサラだ」
「命を助けて頂き感謝致しますわ」
「快復されて何よりです」
「所でハルト君。後ろの人形はなんだい?」
「はい、たまたま店で見つけたのですが…」
「なるほど、それは面白いね。鉄で出来ていると言うことは戦闘にも使えるのかな?」
「はい、動きも人間と変わらないので問題無いかと」
「ふむ、ハルト君自身は戦えるのかな?」
「実戦はまだですがご存知の通り重量は無視出来ますから、多少は戦えると思います」
「お父様?」
「内密にして欲しいんだが…実はサラが襲われたのは偶然じゃ無いと思っている」
「サラ様が狙われていると?」
「それはわからないけど、来月にはもう一度サラを送り出すんだが心配でね。その人形はサラと背丈がほぼ一緒だよね」
「なるほど。人形にサラ様の身代わりをさせたいと」
「洋服を着せればバレないんじゃないかな?馬車の中ならなおさら」
「サラ様はどうするんですか?」
「別の馬車ならどうだろう?」
「それでも護衛を付けたらバレるのでは?」
「ダメか」
「失礼ながら内通者の可能性は?」
「ハルトさんそれは!」
「サラ」
「はい…」
「もちろんその可能性も考えているよ」
「お父様…」
「いいかいサラ。君が帰ってくる時は細心の注意を払ったんだよ。それでも狙われたんだ、内通者の可能性はあるよ。それに相手の狙いがわからないと護衛に付ける人数も決めらないからね。サラが狙いなら騎士を多くすればいいけど、この街を狙っているなら警備が手薄になるからね」
「傭兵や冒険者を警備には…無理ですね」
「悪いけど完全には信用出来ないからね。騎士の人数が減りすぎると何かあった時に対応出来ないよ。もちろん普段から警備は手伝って貰ってるから感謝はしてるよ」
「ですよね」
「…ハルト君。その人形の戦闘力を見せて貰ってもいいかな?」
「構いませんが」
「よし、訓練所に行こう」
クラウス様について訓練所に行くと騎士が10人訓練していた
「これはクラウス様」
「やあ、ご苦労さま。頼みがあるだけどいいかな?」
「もちろんです」
「彼の人形と模擬戦をしてもらいたい」
「人形ですか?」
皆の視線が集まる
「うん、ハルト君のスキルで動いているんだけど、どの程度の戦闘力があるか知りたいんだよ」
「わかりました。サマス、相手をしろ」
「はっ」
サマスという騎士と模擬戦をする事になる
「では両者準備はいいな?」
「はっ」
「どうぞ」
「では、始め!」
「いきます!」
「好きに戦え」
人形に自由に戦わせてみるがかなりの速さでサマスと戦い始める
「ほう、人形と侮ると危ないようだな」
サマスが袈裟斬りにしようとするが人形は素早く横にかわし拳で反撃する
「くっ!」
ギリギリかわしたサマスは横薙ぎに剣ではらうが、人形は腕で剣を受けて体当たりを食らわせる
「なに?!」
体当たりを受けたサマスはバランスを崩してしまい追撃を許す
「そこまで!」
サマスの顔面に拳が当たる寸前に止めらた人形は指示に従って動きを止める
「まさか、サマスが負けるとは…」
「うん、これなら護衛として十分に使えるね」
クラウス様はご満悦だが、騎士達は驚愕の表情を浮かべている
「サマス、どうだった?」
「はっ…動きも早くかなりの戦闘力を持っています」
「不十分な体制とはいえ、剣を弾くとはな」
「ハルトさんでしたか、人形は鉄製ですよね?」
「そうですね」
「鉄の塊がこれだけ早く動かれたら脅威です。万全の体制でも破壊できないでしょう。操っているハルトさんを倒すしか方法はないと思います」
「うんうん。決まったね」
「クラウス様?」
「確か王都で売りに出ていたよね?」
「えっと、数体はあると聞いてます」
「なら決まりだ。王都に遣いを出して買い占めて」
「かしこまりました」
「ハルト君には人形を使って護衛を頼みたい」
「それは構いませんが…」
「ああ、人形の代金なら心配無いよ。後払いでいいからね。ハルト君も人形が増えたら出来る事が増えるでしょ」
「わかりました」
「あと木で出来ないかな?人形なら大丈夫なんでしょ?魔力は大丈夫かな?」
「問題ありません」
「なら作らせよう。鎧を着せれば人数を多く見せられるしね」