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クズ石の英雄  作者: 藤堂 元気
第一章傭兵始めました
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「あ〜、これは早いわ」


ゴーレムホースは騎馬の1.5倍の速度で走ることができる


疲れを知らないので、常に全速力で走ることができるため、あっという間にセラ達に追いついた


タイタンの咆哮をモロに聞いた馬たちは疲労して速度が出ていなかったためだ。それでも訓練されていたので、普通の馬だったらその場で逃げ出していた可能性がある


「ありゃ、警戒してるな。全騎減速せよ」


アルビン達が抜刀して構えているので大声で話しかける


「セラ様!ヘリオス殿!アルビン殿!ハルトです!」

「ハルトさん?!」

「ハルト殿!」

「ハルト殿!」


向こうが認識したので近づいていく


「よくぞご無事で!」

「タイタンはどうなりましたか?」

「討伐しました」

「なんと?!」

「厄災種を討伐…」

「まずはセラ様に帰還の挨拶を」


セラの馬車へと向かうハルト


「セラ様、無事帰還しました」

「ご無事で何よりです」


セラの心からの笑顔に一瞬心が奪われそうになったが、同じく笑顔で返事を返す


「はっ、ありがとうございます」

「タイタンというのは?」

「討伐しました」

「まあ!」

「ハルト殿の武勇伝を聞きたいですね」

「儂も聞かせて頂きたい」

「では、今日はここで野営しましょう。皆だけでなく馬も疲労していますから」

「うむ、そうしよう。よろしいですかセラ様?」

「もちろんです」


野営の為のテントを準備して、食事を取りながらタイタンとの戦いを話す


「なるほど」

「たまたま光に気付いたから良かったですが、あのまま戦っていたら死んでいたかもしれません」

「確かにそうですね。見上げないとわかりませんから、足に注意を払っていたら気づきませんよ」

「ハルト殿は実力だけでなく、天にも味方されているようですな」


あの神様が味方…まあ、味方ではあるのかな?


「ハルトさんの功績を陛下に知らせれば褒美を頂けるかも知れませんわ」

「証拠がありません」

「そうでした…」

「そうだ。ヘリオス殿、これを見てもらえますか」

「拝見します……これは…」

「どうした、ヘリオス殿?」

「アルビン殿も見てください」

「うむ……やはりか」

「どうしたのですか?」

「セラ様、首謀者がわかりました。先程の刺客への依頼書がいくつもあります」


山田は自身の安全の為に依頼書を持っていたようだ


通常なら持ち歩かないだろうが、失脚したばかりなので拠点に置いておくのは危険だと判断したんだろう


「…どなたですの?」

「ヘルパー伯爵の御子息ミツカゲ殿です」

「やはり」

「くそ坊主に殿など付ける必要はないわ。王都に着いたら討伐許可を取ってやる!」

「アルビン殿、そう簡単にはいきませんよ。ヘルパー伯爵は王族派ですからね」

「儂らは傭兵だから関係無い」

「王族派の影響力が下がるのです。クラウス様とて簡単には手を出せないのです」

「ぐっ!」

「わたくしの事なら構いませんわ」

「せ、セラ様?!何を仰られる!」

「ミツカゲ様との婚約が破棄されれば他には望みません」

「セラ様…セラ様が仰られるので有れば儂は従います」

「従うなど…アルビンとキルギス傭兵団にはいつも助けられていますわ。お願いですから、軽率な行動は取らないでくださいね」

「ありがたき御言葉で御座います」

「ミツカゲ殿は廃嫡されるでしょうね」

「ふん、逆恨みで襲ってきたら今度こそ殺してやるわ」

「その時は私も容赦しません」

「ははは…」


ハルトは苦笑いを浮かべるしかなかった


翌朝、テントを片付けて王都に向かって出発する




〜ミツカゲ〜


「なんだと?」

「山田殿は失敗したようです」

「くそ!何やってんだよあいつ!」

「…」

「闇ギルドに暗殺依頼を出せ!」

「よろしいのですか?」

「あ?」

「すでに襲撃が坊っちゃまの依頼だとバレていると思われますが」

「殺してしまえば関係ないだろう、死人に口無しだ」

「…分かりました」


執事が出ていくとミツカゲは部屋の物を手当り次第壊し始める


「あー!くそ!なんで思う通りに行かないんだ!」


使用人たちは部屋の中から聞こえる音に怯えている


「せっかくもう少しで王女が手に入ると思ったのに」


ミツカゲのスキル魅了(弱)で王女に魅了をかけていた


効果が低いため、意識の強い人物には長期間繰り返しかけなければ効果が現れない


王女には10年に渡ってかけ続けているが一向に効果が現れない


「ちくしょう!勇者転生なら王女が僕に惚れるのが当たり前だろう!」


ミツカゲは数少ない胎児からの転生組である


小説に影響されて自分を勇者だと思い込んでいる


そもそも勇者は召喚や転移なのだが、胎児から成長しているため、元の世界の記憶は曖昧になっている


「くそ!くそ!くそ!おいメイド!」

「ひっ?!」


扉を開け放って廊下を歩いていたメイドを呼びつける


「奴隷は買ってあるな?」

「は、はい」

「なら部屋に連れてこい」

「か、かしこまりました」

「ふん!」


ミツカゲは奴隷を拷問する趣味があり、間違っても勇者などと言える人間ではない


「ミツカゲ」

「ち、父上」

「また、部屋を荒らしおって」

「申し訳ありません」

「ん?なぜ奴隷を」

「ひっ」


ミツカゲに鋭く睨まれたメイドは小さく悲鳴を漏らしてなんとか言い訳を考える


「は、はい。奴隷に掃除を教えようと思いまして…」

「ふむ、まあいい。ミツカゲよ、大人しくしておるのだぞ」

「はい、父上」


ヘルパー伯爵が去った後にはミツカゲだけしか居なかった


「ちっ、あのメイド。まあいい」


ミツカゲの残虐性にヘルパー伯爵は気づいておらず、手のかかる息子としか思っていなかった



抜けていた設定


Lvはモンスターを倒す、スキルを使用する事で上がる


ステータスはH〜SSSで表記


ステータスの強弱は個人差がある




現地人


ステータス最大値S

素質限界あり

善行ポイントで素質限界上昇


最大スキル保有数2


Lv上限100


スキルはランダム習得なため必ずしも職業と合っているとは限らない





()が素質限界


ヘリオス

シュタウフェンベルク騎士団団長

Lv53


腕力B(S)

体力B(A)

魔力E(D)


スキル

剣術(中)

裁縫





クローン体


ステータス最大値SSS

素質限界あり

善行ポイントで素質限界上昇


初回スキル最大保有数3


Lv上限無し


スキルはランダムだが上位スキル習得率が高い


曲がりなりにも神が作ったため潜在能力値が高い


今後悪行ポイントが追加される


悪行ポイント適用最終ステータスは『』



ミツカゲ・ヘルパー

地球年齢14歳

クローン年齢22歳


伯爵家長男


Lv83


腕力C(C)『H』

体力D(C)『H』

魔力A(SS)『E』


スキル

魅了(弱)『消去』

鞭術(強)『消去』


数少ない転生型クローン(母体の子宮に胎児クローンを定着。ただし、子供が産めない母体のみ)で伯爵家の長男としてあらゆる悪事に手を染める

自分を物語の主人公として信じきっており、何をやっても許されると勘違いしている


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