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願いの先に〜異世界転移で生きていく〜  作者: 深菜木奏


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1

 俺の名前は『桐島 叶(きりしま かなえ)』。17歳の高校2年生だ。

 今は夏休みだが、来年の受験に向け、夏期講習へ向かう途中である。


「あっちぃ……。なんでこんな暑い中、行かないといけないんだろうな」


 周りには誰もいない。一人で学校へ向かう中、思わず愚痴が出てしまう。

 自分の為だろうって?そんなのわかってる。ただこうも暑いと愚痴の一つや二つ出てしまうものだ。


 周りの人達も汗をかき、手やハンカチで拭いながら歩いている。その姿を横目に、俺は学校へと向かうべくひたすらに歩く。


 勉強ってしなきゃ駄目かなぁ……駄目だよなぁ。


 そんな馬鹿なことを考えながら、学校へ向かっていると、前の方に小さな女の子が歩いてる姿が目に付いた。


 10歳位だろうか? 夏休みだと言うのに、赤いランドセルを背負い歩いている。だけど、その足取りは不安定で、少しフラついているように見えた。


(熱中症か?)


  こんな暑さだ無理もない。心配になった俺は、少し駆け足になり女の子に近づいていく。

 

 女の子はフラつきながらも進んでいく。そして、交差点へと差しかかろうとしたいた。信号機の色は赤。他の人達は立ち止まり青になるのを待っている。


「ちょっ!」


 だが、女の子は止まりもせず、赤の信号機に吸い込まれるように進んで行った。

 俺は思わず全速力で走り出す。人混みを掻き分け、交差点へと差し掛かる。

 そして、俺は女の子のランドセルを思いっきり押し突き飛ばした。


 その瞬間、車のクラクションと共に俺の体は宙を舞った。


『キャーーーー!!』


 体が痛い。目が霞む。遠くで悲鳴みたいな声が聞こえたような気がした。動かなきゃ……でも、体は動かない。

 恐らく、女の子を助けるために、俺が代わりに轢かれたのだろう。


 頑張って体を動かそうにも、体は言うことをきいてくれない。目を必死に開けようにも、瞼はどんどん下がっていく。


『誰―救急―! ―性が()()で交差点に--』


 耳も聞こえなくなってきた。真夏であるにもかかわらず寒い……


 女の子は無事だろうか……。駄目だ……、もう意識が……。


 そして、俺の意識はそこで途絶えた。






















『みぃつっけた』






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