体育祭襲撃戦。2-9
「次が最後の競技の~~総力戦で~す♪」
「総力戦...何が起こるんだろう...」
不安しかないが、まぁ恐らく殴り合いとかになるんだろう。殴って血を出すなんて勿体無いよぉ...やっぱり自分で出す方がいいよね...。
「ルールはぁ...ありません!!ルール無用の戦闘を行なってもらいますよー。あ、ちなみにこの最終戦で勝った方に...えっと...いちじゅうひゃく...。」
「100万ポイントだ!!!!!!!!!!!!!!!!」
出たよ...ゴールデンタイムの番組みたいな仕様!
「よっし!我慢できん!!もう始めるぞ!!」
いままで見下ろすようにグラウンドのネットの上に立っていたが、そう言うと空から降ってくるように着地した。
「一人で来る気か?血迷ってますね。ありゃ。」
「なめられてる!?全力でいくぞーー!!」
「お姉ちゃん...突っ込みすぎは厳禁...。」
そういうと、來神さんヨモギ先輩は各々の武器を手に取りメルキュールへと向かった。が、"右腕"という言葉に惑わされていた僕達が悪いのかメルキュールは背中から新たな腕を出してきた。そして...
「オレは勝負事に関して、手を抜くことはしない。故に本気を出させて頂く!!!出でよ!!左腕!!!!!!」
もちろん、メルキュールの左腕が今まで無かったわけじゃない。ちゃんとあったのに金色の左腕が出てきたということは...。
「あれは...もしかして...魔王の左腕か?あれはまずいぞ!」
「渾身の一撃を食らえ!!!!!」
ドドドドドドオドドドンン...先ほど聞いた太鼓のような重低音の振動で攻撃をされた。
攻撃にいち早く気付いた來神さんがそれを二人を庇った。
「んな!?おっさん!!大丈夫か!??」
「そんな...血まみれに...。」
「おっさん...ではない...が、若者を守れただけでも意味が...ぐふ」
...そんな中僕は一応針もあるけれど...クレーエの忠告を思い出していた。確かクレーエは、俺が近くに居ないときは力の総量が減ると言ってたような...という不安からなにも支援をできずにいる...。情けないな―――
―――戦場では新しい属性と力を持ったリサーとフェニックスがメルキュールとの善戦を繰り広げていた。
「ぬぅうっぅ...属性などと小賢しい...。やるな!!!!」
「でんき...きいてるかわからない...。」
「リサー!安心しなって!ウチらの攻撃は効いてるよ!」
「栗原!無理をするなよ。回復できるのも制限があるぞ。」
「分かっているよ...。やっぱり強いな...特に部位の二つ持ちが」
団長も攻撃をしている。が、それをいなしながら二人とも戦っている。
「なに、コイツ!無駄に硬いし強いんだけど!」
金剛の腕に金色の腕。いわば双極のような攻撃はこちら側をジリ貧にさせつつあった。
僕も闘わないと。そう思い、一歩を踏み出した瞬間...
「...悪ぃ!待たせちまったみたいだな!」
「ク...クレーエ!!!!」
元気そうな相棒の声を聞いてひどく安堵したのは言うまでもない。




