体育祭襲撃戦。2-8
応援合戦も終わり、瓦割り競争が始まろうとしていた頃...さりげなくいる悪魔に僕は話しかけた。
「...帰ってきてたんだね、フェニックス。」
「まぁな。栗原にはもう挨拶は済ませたがな。」
フェニックスには疲れた様子が無かった。さっきの属性の話が修行のメインになっているなら既に炎の属性を有しているからだろうか。
「...修行なら厳しかったぞ...思い出したくも無い...。」
あぁ...みんなきつかったわけね...。改めてお疲れ様と心で唱えていると、続けて話した。
「あぁ、それと。魔界に突然ソイスが来てな。あいつがこっちに繋がるゲートを魔力で無理やり開放している。」
「!?やっぱり...1級は違うなぁ...。」
「1級じゃなくとも出来るわ!!」
「ごごごごごめん!」
「話を続けるが、クレーエももうじき戻って来れるはずだぞ。」
どうやらソイスが無理やり開いているゲートは一人ずつしか送れないようで、リサーとフェニックスが時間差でここに来たのはそういうわけらしい。
「もっと魔界の修行の話とか聞かせてよ!」
「いいだろう。」
などと駄弁っているころ―――
―――校庭では瓦割り競争が行なわれようとしていた。
「はぁ~い、これから瓦割り競争を始めま~す。ルールはシンプルで~す。自分の列の瓦を割って、どちらが早く自陣に戻ってこれるかを競いますー。人間たちは人員がいっぱいいるからー疲れたら交代はあり~。こっち側からのハンデね!感謝しとけ~。」
いちいち高圧的だなぁ...と会場のほとんどがそう思っていた。そして、メルキュールもこれには自信が相当あるようで...
「ふん!もぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお負けんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
気合いは充分なようだった。が...
「ボク、まだ遊びたい!!」
「そろそろ小官も...やる。」
「僕じゃ駄目かな?そろそろ会長としての威厳という物を~...。」
といった感じでやる気マックス男×3が出場することになり...
結果はなんと同時、引き分けになった。納得のいかないという意見も多くあったが、もう在庫の瓦がないという状態に...。
「むぅ...無いなら仕方あるまい!!...なんせ次が本番なのだからな!」
ニヤァと悪そうな顔をしたメルキュールを横目に、司会は告げた。
「はぁ~疲れてきた~~~...。おっ、次で最後じゃん。最後はーー総力戦でぇ~す!」
待ってましたァ!!
オソイ...オソイ...。
どうやら、悪魔たちお楽しみのイベントだそうだ。




