2時間目:呼び出し
……コツコツ。
靴の音が響く。
周りは静かで、鳥のさえずりが聞こえる。
やはり静かなのは良いな……。
レオンは誰もいない廊下を歩いていた。
右手には広い庭があり、彼の気に入っている場所である。
彼は庭に出て、芝生の上に腰をかけた。
すると、一羽の青い鳥が彼の目の前にとまり、チュンチュンと鳴いている。
彼は右手の人差し指を出した、すると鳥はその指にジャンプし彼の顔を覗き込むように見上げた。
「おまえか、今日はどうしたんだ?」
レオンは微笑み、鳥を撫でた。
「へぇ、そんな顔もするんだー。」
どこからか声とんできた。
すると鳥は驚いたとか飛び去ってしまった。
レオンは声のした方を睨みつけた。
そこには見覚えのある少女の姿があった。
少女の名前は『レノン=クレール』
茶色の髪に紅の瞳で、成績は優秀。
自己主張が多く、男勝りな性格でゲイルと幼なじみである。
そして、レオンとゲイルの三人で一緒にいる事が多い。
睨みつけられたレノンはゲッという顔をしながら庭にいるレオンに近づいた。
…はぁ、またうるさいのが一人……。
レオンはレノンから目を離し庭へと移した。
「あぁ、ちょっと! 無視しないでよ!」
彼女はそう言うとレオンの目の前に立った。
「別に私は邪魔しに来たんじゃなくて、あんたに用があったから来たのよ。」
レオンは彼女を見上げ言った。
「…………何だ?」
「あんた、先生に呼ばれたのよ。 で、どうせ来ないだろうから、私が連れて来るように言われたのよ。」
ハァと溜め息をつき、やれやれといった素振りをし続けた。
「あんた、あれ程授業に出なさいよって言ったのに何で出ないのよ?」
レオンは顔色一つ変えず言った。
「あんな授業に出て何になる。 俺は全部できるし単位も問題ないはずた。」
その言葉にレノンは肩をピクピクさせていたが、、ハァとまた溜め息をついた。
「人が日頃から苦労をしているのに、あんたって人は…! まぁ、良いわ。 あんたもこれで終わりね、年貢の納め時よ!」
レノンは指を立てレオンに勢い良く指した。
「という事だから先生のとこに行くわよ。 ほらほら、立って立って!」
レノンは早く早くという動作をしながら、レオンの手を取り引いた。
全く、面倒だな……。レオンは心の中で呟き、手を引かれるままに職員室へと向かった。
えっと、九条です。 この小説を読んで下さった皆様ありがとうござうます。 まだまだ序盤で、盛り上がりが全然ありませんが、どうぞお付き合いください。