12時間目:開始、選考試験!
――眩しい…もぅ朝なんだ、そっか、早いな…。
少女はつぶやいた。
まだ目が慣れていないのか、目をつむったまま住み慣れたいつもの我が家を歩き出す。
しかし、足をつくと違和感があった。
(あれ、床ってこんな固かったっけ…?)
不安をかかえなからも、恐る恐る前に進む。
「んしょ、ここをを行けばもうすぐで扉のは…」
ガツンッ!
大きな音を上げながら壁にぶち当たった。
「いったぁーー! な、なんでぶつかるのぉ、そんなハズないのに…。」
涙目になりつつ、ぶつけた額をさする。
うぅ〜と言い涙をすくいゆっくり目を開ける。
白い、何も汚れのない真っ白が目に飛び込む。「…え?」
上下左右、何処を見ても白。
白い壁に白いベッド、白いテーブル、白い椅子。何もない、何もないのだ。
壁に囲まれ、出入りする扉さえどこにあるのかわからない。
そう、監禁状態にあった。
どこか分からない、ここがどこなのか、どうやって来たのか、分からない。
「どこ、なの…? 思い出せない、嫌、誰か! お父さん、お母さん!」
父と母の顔を思い出す。しかし、その顔は出てこなかった…。
「誰、なの? お父さんとお母さん、誰なの…?
分からない…そんな、そんなハズ…!」
泣き叫び、崩れ落ちる。誰かわからない、誰の子か分からない…。
(名前だ、名前が分かれば、特定ができる!)
「わ、私は…! ……誰…?」
少女は目を見開き、ガクガクと振るえ、狂い、叫んだ。
「いやぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
――いやぁぁあ!!
エレアは飛び起きた。
(そんな、昔の事思い出すなんて…)
ハァハァと、肩で息をしながら頭を手で抑える。
思い出したくない悲痛な過去。
それがまた鮮明に思い出される。
「わ、私はエレア! エレア=リュミエール…」
ガクガクと震える声で自分に言い聞かせた。
すると近くで、きゅ? と鳴く声がした。
振り向くと、ウサギがこちらを向いていてエレアに興味深々だった。
「ごめんね、びっくりしたよね?」
エレアはウサギを撫でてやる。
「君は何処から来たのかな? 仲間はいるの?」
ウサギが、きゅきゅぅ と鳴くと他のウサギも出てきた。
「わわわ、そんなにいたんだ。 みんなお友達なんだね♪」
エレアはにっこりと笑い、いつも通りに戻ったようだ。
「ありがと、君たちのお陰で元気になっちゃった!」
ウサギたちの頭を撫でると立ち上がり、ここが何処なのかを確かめる。
森のようだった。
穏やかな時の流れ、優しい風の音、緩やかな川の流れ、見渡す限りの緑。そこにいれば全ての人は心が安らぎ、日常のストレスから解放されるリラックスの場となるに違いない。
「何処なんだろ、みんなはどうしたのかな…?」
あぅ…と呟き、ウサギたちの場所へ戻ろうとしたとき転んだ。
「ふぇ、な、何でなのぉ」
と泣きつつ足元を見ると本があった。
その本に見覚えがあり、エレアは手に取った。
「これ、私達がサインした本じゃ…?」
エレアは本を開いた。
すると本には自分の名前が書かれていた。
「私達のサインだ」
自分の名前をなぞり、呟く。
本を更にめくり、内容を読んでいく。
『これは、訓練ではない 実戦だ。」
『今回、試験の為練習を行うとの連絡であったがこれも訓練の一部として採点をさせていただく』
『なお、自分の身は自分で守って生き残り首都を目指して真の試験を受けること』
『首都に辿り着く前に戦闘による死に至った場合、また制限時間以内に辿り着かなかった場合は失格とみなす』
『なお、首都に辿り着く為に地図を本の裏に掲載してある』
『リタイア、また首都に辿り着いた者の氏名が掲載される』
『本に付いている指輪は、装着した人の基本魔力を強化する魔石を個々別に現れる』
『魔獣を指輪一つにつき一匹を従者として従える事ができる』
『従える為には魔獣との交渉が必要となる』
『首都に辿り着いた者が、本試験を受ける事ができる』
『パートナーが失格になった場合は、再度抽選をおこない、人数が余った場合相手チームにハンデをもうける』
『皆、首都から同じ距離からのスタートになる』
『健闘を祈る』
「……わ、わぁ…大変な事になっちゃったぁ…」
「と、取りあえずレオン君に迷惑をかけないように首都までつかないと!」
「その前に指輪指輪と」
エレアは指輪を取り出し、右の中指にはめた。
指輪から激しい閃光が生まれ、全てを包み込む。
「ふぇ、な、なんですかこれ…」
体から力湧き上がるのを感じながら、指輪をみやる。
閃光は薄れていき、やがて止まった。
するとエレアの指輪に、藍色の魔石がついていた。
「わわ、す、凄い…」
エレアは空に手をかざし魔石を透かした。
大変おくれました…はい…。
すみませんでした。
遅筆に誤字脱字と最悪ですけど、読んでいただけるなら幸いです。
これから盛り上がりです!
ぜひ期待さてください