表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

10時間目:その昔には何が…。

光が差し込む森、そこに草花や動物達が生活している。


そんな森に、銀髪の幼い少年が動物達と戯れていた。

笑い、怒り、悲しみ、喜びと、少年はこの森で、この動物達とこれら全てを分かち合ってきたのだ。


そこに、一羽の蒼い鳥がやってきた。


「あ、またキミだね、今日はどうしたんだい?」


にっこりと笑いながら鳥に話しかける。


すると、何かが分かったのか少年の顔から笑いが失せ、目を見開き唖然とし驚愕した――――






「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」


少年は走っていた。


呼吸は激しく乱れ、額には冷や汗が、そして目には絶望が見えていた。


(お父さん、お母さん、お願い、無事でいて、何もないでいて…!)


走り続ける少年の目の前には、一本の煙がたっていた………。



森を抜けた。



森の入り口は丘になっており、そこから街を一望できた。



街を一望する。

少年は絶句した。


真っ赤に染まる街―――


煙で真っ黒な空――――


人々を次々と切り捨てる兵士達――――――――


カンカンと警報の鐘が鳴り響きながら、悲鳴や断末魔が共に聞こえる――



悪夢だった…悪夢でしかなかった…目の前で起こる残虐な行為、ここまで届く悲鳴、崩れ落ちる建物、全てが全て、少年を叩きのめした。


少年はガクッと膝から落ち泣き崩れた…。



しかし、少年は朝の事を思い出す。


「今日はお父さんとお母さん、ずっと倉庫にいるから、何か用があるなら来てちょうだいね―――――――



ハッと思い顔を上げる。涙と鼻水で濡れた顔は街の外れにある倉庫へと目がいった…。


そこは火が回っておらず、兵士もいなかった。


(もしかして…!)


お父さんとお母さんは無事、ゲガもしてない、また笑顔で向かえてくれる。


そんな願いを胸に、少年はまた走り出す。


転んでも、膝を擦りむいても、泣き崩れる事なく倉庫と確実に距離を縮めていく――――



「ハァ、ハァ、ハァ…お父さんお母さん…!」


バタン!と大きな音を立てながら、木の扉が開く。


すると、そこには、無事な父と母がいた。



父と母はビックリし、我が子の名前を呼んだ。


「「レオン!!」」


「お父さんお母さん、今なら大丈夫、早く裏の森から逃げよう!?」


「僕、助けに着たんだよ!」


幼いレオンは『早く』と急かした。


「あぁ」と二人はレオンと出口から出ようとする。



しかし―――


「まだこんな所にいたのか。 ま、観念しな、大人しく殺されなぁ!」


兵士は叫ぶと、剣を振りかぶった。


「レオン!!」


レオンの父、『バルト』がレオンを庇おうとしたとき。


レオンは魔法を発動させた。


「シャイン!!」


すると、兵士の頭上に光の球が現れ、ともに爆発した。


「ぐあぁぁっ」


「や、やった…!」

レオンは震えながら、魔法を使った。


「っ、このガキィー!」


震えの止まらないレオンは咄嗟に行動できず、立ち尽くすしかなかった。

「レオーン!!!」


バルトはレオンを庇うように、振り下ろされる剣の餌食になった。


「ぐあぁぁぁああっ」


バルトはその場に倒れ込んだ。


苦しそうに上げるうめき声、止めどなく出る大量の血。


レオンの手に、顔に、服に、体に、その血が飛ぶ。


「う、ぁっ、ぁぁっ、はぁっ、そんな…っ、そんな…っ!」


「お父さん、お父さん…!」


「はっ、息子を守るとは、熱いねぇ。」


「さぁ、まだ、後始末は残ってるんだ、再開しようか。」


にやりと笑う兵士。

こっちに、近づいてくる。


(いけない、そんな、動いて、動いてよ僕!)


切り捨てられた父を目の前に恐怖で動けないレオン。

そこに兵士がやってくる。


「さて、さっきは邪魔されたが、お前を可愛がってるよ。」


「どうした、さっきみたいに魔法使わねぇのかよ?」


「ぁっ、はっ、そんな、いやだ、そんなぁ…。」


「はっ、恐怖で動けないか。」


「まぁいい、すぐに楽にしてやるよ!」


兵士の腕が振り上げられ、下ろされる。


その刹那、母『ノーラ』がレオンを庇う。


ズシャッ…!

ドシャッ


肉が引き裂かれる音。

地面に何かが落ちる音。

レオンは理解した、何が起きたかを。目の前を転がるバルトとノーラ。

血が大量に流れ、足元を濡らしていく。


血飛沫がレオンにかかる。

暖かい、生々しい父と母の血が――――



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!――――――――――――――――

どうも、九条です。 久々の更新となってしまいました、すみません。 えぇ、今回のお話し、だいぶシリアスになってしまいました(汗 更新の方が度々遅れると思いますが、最後まで書ききるつもりです! どうか、最後までこの作品を呼んでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ