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迷宮都市の盾使い  作者: はぐれメタボ
9/10

迷宮の冒険者達

「ゴゴゴゴゴッ!」


  迷宮都市ダイダロス、最大のダンジョン《天海の大迷宮》の39階層、武器を構えた私達の前に、鋼鉄の身体をゆっくりと動かして現れたのは全長3メートルを超える巨大なゴーレムだった。

 私は仲間との意思の疎通を優先し、ベルムを外し、鉢金を巻いている。

 

「みんな、作戦通りに行くぞ!」


 カムイの言葉に私達は頷く。

 グレーターゴーレムを倒すと決めてから情報を集め、連携の訓練を重ねて来た。

 私の頼みを聞き入れ、危険な討伐に同行してくれたみんなには感謝しかない。


 私達は誰1人かける事なくこの強敵を打ち倒すのだ!



 キマイラの時と同様、強敵との戦いはかなりの長期戦となっている。


「グォン!」

「投石が来るぞ!」


 グレーターゴーレムから距離を取り矢を放っていたアマンダがグレーターゴーレムの動作に気がついた。

 私は前へと飛び出すと背中に背負っていた大楯を取り出す。


 キマイラの革や骨を素材に作成した新たな大楯『獣王の大楯』だ。


「みんな、私の後ろに!」

「ブォン!!」

「【マテリアルシールド】」


 グレーターゴーレムが振るった腕から放たれたのは無数の礫だった。

 一つ一つが人の頭程もある岩塊が高速で飛来し、周囲の壁や地面をこそぎ落として行く。


 しかし、私の【マテリアルシールド】は聖騎士だった父上から手ほどきを受けた技、自らの盾に魔力による強化を施す事で盾の強度を格段に上昇させる。

 イザール神聖国を守護する騎士団の精鋭、聖騎士団が誇る『守護武技』の1つである。

 グレーターゴーレムの礫は私の大盾に阻まれて後ろに駆け込んだ仲間たちには届かない。


 岩塊の雨が止んだ瞬間、弾かれた様にカムイとアデルが飛び出した。


「うぉぉぉお!」

「はぁぁあ!」


 アデルのガントレットにつつまれた拳が叩き込まれたグレーターゴーレムの右腕にひび割れが走り、それを正確に狙ったカムイ斬撃により、グレーターゴーレムの右腕は地に落ちる。


「喰らえ!」

「ふっ!」


  ロニタスとスレインも2人に続きグレーターゴーレムに斬りかかる。

 時折、アマンダの矢が関節に突き刺さり動きを阻害し、切りつけた場所にロンダが強酸を振りかけ自己再生を封じる。


 そして、私が強力な攻撃を受け止め仲間を守り、隙をつくる。

 みんなで編み出した必勝の戦法だ。

 



 戦いは数時間にも及んだ。

 私達の体力は限界に近い。

 しかし、戦いの終わりは唐突だった。


「ゴ……ゴゴ……」


  数多の攻撃をその身に浴びた鋼の守護者はとうとう、地面へと倒れ込んだ時、すでに露出したその胸の核は、私の目の前にあった。


「いまだ!ソフィア!」


 そう叫んだのは誰だったのか?

 多分、カムイ辺りだろう。


「グレーターゴーレム!これで終わりです!」


  私は大楯を振り上げると渾身の力でグレーターゴーレムの核を叩き付け、打ち砕くのだった。

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