第7話 間に合って!!
更新が遅くなり申し訳ありません。ちょっとPCが壊れましてね…。
ここだけ、話している人が違います。
物語の都合上、こうなりました。
手元の原作ノートの物語とちょっと違うので、修正しつつ、進めていこうと思います。
いつもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
わたしは、トイレから出て、水道で手を洗い終えると、キュッと蛇口を閉めた。
「よしっ♪」
そう言った瞬間、すごい勢いで火災報知機が「ジリリリリ!」と鳴り出した。トイレの外で、バタバタと、誰かたくさんの人たちが、走り去っていく音がする。
廊下で苦しそうな顔をして友達が待っていた。おそらくわたしを探しに走ってきたのだろう。
「サオリ、ここにいたんだ!! 避難だよ、避難!!」
「避難……」
あまりに突然のことで、体がうまく反応しない。
「……繰り返します、繰り返します。只今、保健室にて、原因不明の爆発があった模様」
校内放送から聞こえてくる言葉に、わたしは耳を疑った。
保健室!?
「校内、全員、西非常階段を通って校庭へ避難してください!!」
校内放送は、必死でがなり立てていた。
「あっ……」
思い出した。保健室へ行くと言って去った、瞬くんの後ろ姿を。
瞬くん!!
「サオリ?」
横で友達がきょとんとした顔をした。
わたしは踵を返すと、保健室のある一階を目指して走り出した。
生徒を誘導している最中の先生が、わたしを見て、大きな声で言った。
「おい、そっちじゃない!! 言うことを聞け!!」
男の先生は、私の腕をつかんできた。わたしは叫んで振り払った。
「大事な人が、保健室にいるんです!!」
そのままわたしは、保健室に近い階段を下りて行った。
瞬くん!! 間に合って!!
保健室への道は、灰色の煙で塞がっていた。わたしはハンカチを取り出して、口をふさぎながら、慎重に進んでいった。上履きを履いていてよかった。足元が、ガラスだらけのようだ。扉まで吹き飛んでいるようだ。
バリバリッとガラスを踏みしめて、煙の間に、保険医の先生がいらっしゃるのを見つけた。
「江波先生!!」
転ばないように気を付けながら、先生の所へ駆け寄る。
「先生!! 先生!! しっかりしてください!!」
先生は棚の所に座り込んだまま、薄目を開けた。唇が切れて、血が出ている。
「……ああ、米倉さん」
ああよかった。瞬くんが体が弱くて、しょっちゅう保健室にお世話になっているから、わたしはときどきお見舞いがてら先生と話していた。だからか、覚えていてくださったようだ。よかった、わたしのことわかって頂けた。
江波先生は苦しそうに息を吐いた。わたしは先生を立たせようとした。
「先生よりも、一人で出て行った鈴木君が危ないわ……」
そう言って先生が指さした方を見ると、校庭との間の壁にぽっかりと穴が開いている。人一人分ぐらいは、かがめば通れそうだ。
背中がヒヤリとした。思わず言った。
「危ないってどういうことですか!?」
「彼は、何者かに操られているわ」
「え……」
「助ける方法が、一つだけあるの、知りたい……?」
「もちろんです!!」
瞬くん!!