第2話 髪色ぐらい
神出鬼没な少女に、振り回される俺。
俺が髪の毛をオレンジにしている理由。
いつもありがとうございます。よろしくおねがいします。
今回は短めです。
今日も、遅刻だ。いつものとおり。
「おはようございまーす」
ちっとも、「お早う」ではない朝の9時半に、俺はダルそうに言って、教室の扉を開けた。
どーせ今日も、センコーに怒られるんだろうなー。
「鈴木っ!!」
きた、きた。嫌なやつ。てか、めんどくさいやつ。
呼ばれても返事すらしないでいると、またセンコーの怒鳴り声が降ってきた。
「何やってんだ!!また遅刻じゃないか!」
「はい。」
あえて、読点を付けたことが分かるように、冷静に応えた。
「大体、その髪色も何だ!!オレンジとは!」
そうなんです。俺の髪の毛、オレンジなんす。
「高校生活、舐めてんのか!?」
「舐めてませんけど」
「『けど』、何だ!?」
センコーはなおも怒鳴る。あー、うるせえ。
「髪色ぐらい、好きにさせてください」
俺は自分の机に行って、リュックを下ろしながら、そう言った。
「人生が、毎日単調で、灰色で、つまらないんでね」
それを言った途端、足をヒールで誰かに踏まれた。
「痛って―――ええ!!」
学校中に響き渡るような声で、叫んでしまった。
どっ、とクラス中が笑う。いや、多分心の底では、嘲笑っている。
と、そこに例の少女がまた居た。