第17話 重大発言
ミーコとネロがどうしてそうなったのかは、また別の物語(3か4あたり)で
書こうかと思います。
まだ彼らは作者にも秘密にしてるので、書けてませんがw
次回、とうとう最終回です!!(2もあるけど)
いつもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
「オレもいるぞ」
知らないハスキーボイスなかすれ声が、上から降ってきた。俺は思わず見上げて反応した。
「『オレ』って誰だよ?」
すかさず、ミーコが言った。
「ネロ。兄たちをお騒がせした狼男だけど、今はあたしの恋人です! ほら、服もペアコーデ♡」
少し、間、というより沈黙。
見たことのない男がそこにいた。仏頂面に目立つ茶色の瞳。短めの灰色と混じった茶髪。服には「COOL」のロゴ。しかもミーコと同じように右肩だけ破れている、長袖の白パーカー。足は黒いダボダボなパンツに包まれている。そして、茶色いもさもさしたしっぽ。
「「え――――!!」」
俺は、サオリと顔を見合わせて2人で叫んだ。江波先生は
「青春、いいわねえ」
と嬉しそうだ。サオリもにこにこしている。
俺は焦った。
「いやいやいや!! 先生、この狼男に操られてたんすよ!? サオリも!!」
「そうねえ。いい男だと思って、夢の中で抱きしめたら、いつの間にか操られてたわねえ」
「はいはーい先生、わたしもー」
とサオリは元気よく手を挙げた。
よく見るといい男なのは認める。ってそういう問題じゃねえ!! ってサオリも抱きしめたって!? 俺を抱きしめるより先に!? ちょっとショックだ……。
俺の周りの女性という女性を、次々と落としては操っていく魔性の男(?)にミーコを取られたのが、何か納得できなかった。
「ミーコ、兄には嫌だ! どうしてそんなことになった!?」
「えへへー、秘密♡」
可愛らしく舌を出して秘密、って♡付きで言われても、納得できねえ……。うーむ。
ミーコは俺と面と向かった。
「兄に。あたしは兄にの運命をいい方向に変えるために、ここにいるよ。兄には? 死ぬ前にやっておきたいこと、できたの?」
実はサオリと両想いになって、死ぬ前にやっておきたいことが増えた。
サオリとの初めてのキスは、もう済んだから。済ませた、と言っても、緊張しすぎて、俺は今も「唇やわらけー」と思ったことしか覚えてないが。
やべ、そんなこと思い出してたらまた心臓がドキドキしてきた……。
「何、兄に、顔真っ赤にしてんの?」
「ミーコ、からかうな。マスクで見えないだろうが」
ネロがそう突っ込んだ。
「でも、だいたい兄にの考えてることわかるもん」
「そうか」
「ねえ、さっきから何の話ー?」
サオリがつまらなそうにそう訊いた。
……言おうか。どうしようか。えい、言ってしまえ!!
「俺はサオリと結婚するために生きてるって話」
開いている窓の向こうで、サオリの額が赤くなるのが分かった。
江波先生は頬に手を当てたまま、
「まあ♡」
と言った。
俺にとっての人生で最も重大な発言だ。言ったはいいものの、心臓がまだバクバクと音を立てている。




