第16話 ちょっと大人な再会
ここにきて新人物登場!?
まあ、お楽しみに。
いつもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
つぶやきを聞かれていたのか、サオリが言った。
「まーた始まったーあ。先生ー、鈴木くんたら私と付き合ってるのに、ミーコちゃんっていう灰色の飼い猫のことばかり言うんですよー?」
「まあ、それは仕方ないわね」
江波先生は困ったように言った。
「よっぽど、鈴木君の人生に影響を与えているんでしょう」
「そうですけど。でも……ちょっと、まだ心の支えになり切れてないなあって寂しいです」
「そうねー、ってあら?」
江波先生はふと外を見て、何かに気が付いたようだ。
「そこの桜の木にいるのは、灰色のしっぽの猫ちゃんかしら。あら、でも猫ちゃんではなさそうね」
「え?」
俺は耳を疑った。
ミーコかもしれない。直感的にそう思ったとたん、走り出していた。
「ちょっ、ちょっと!! 瞬くん!!」
サオリの声を置いてきぼりに、俺は、ばたばたと保健室を出ていくと、靴に履き替えもせずに、校庭へと躍り出た。
確かに、桜の木の上の方の枝から、灰色のしっぽがぶらんぶらんとぶら下がっているのが見えている。さらに走っていって近づいて、確かめた。
息を切らして、その名前を呼ぼうとした時。
すとっと、女の子が木から宙返りをしたかと思うと、四つん這いで着地した。
「ミ、ミーコ……!!」
相変わらずパンクな恰好。Tシャツは長袖となり、相変わらず右肩だけ破れて、黒のタンクトップが見える。少し大きくなった胸には、「SHINE」というロゴが光っていた。赤黒リボンで髪の毛を左右の上方で結んで。灰色の髪は肩よりも長くなって。しっぽはモフモフ度が高くなって……。
ミーコだ。ミーコだ!!
「鈴木ミーコ、ちょっと大人になって、戻ってまいりました!!」
と満面の笑みですっくと立った。
「ミーコ! ミーコ! 会いたかった……」
半泣きの俺は、ミーコの髪を撫でながら、名前を呼び続ける。
そんな俺を保健室の窓の向こうで、サオリと江波先生が温かい目で見てくれていた。
サオリが、窓を開けると、マスク越しに言った。
「ミーコちゃん、久しぶりー。マスクでわかんないかもしんないけど、米倉サオリだよー。あのときは助けてくれてありがとう!!」
「あ。それ俺が言おうと思ってたのに!!」
「瞬くんは言うのが遅いのだよー」
それを聞いてミーコが、「あはは」と笑った。
ふと、嫌な予感がした。前にミーコが現れた状況を思い出してしまった。
『キミ、明日、死ぬよ?』
ミーコが、俺の前に現れてくれたのは、素直に嬉しかった。だけど、やっぱり、そう、なのか?
今は、主にサオリのおかげで、人生が楽しい。正直、もっとサオリと過ごしたい。だから言いたくないが、確かめるしか手立てはない。
「ミーコ、お前が俺の前に現れたってことは……」
「うん?」
「俺、また死ぬような目に遭うのかあ!?」
ミーコはにんまりした。
「正解♡」
♡をつけるな、♡を。ちっとも嬉しくねえ!
「でも安心してね。あたしがまた兄にを守るから!」
その時、全く知らない声がした。
「助っ人もいるし」




