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#6

本日3話目

設定をそろそろ出す予定

 ・・・・とりあえず、詳しい事とかそう言うのは置いて、一旦魂魄獣が生まれたという事を家族に報告することにした。


 朝早いというのに、あっという間に全員起きてきた。行動早い・・・・。



「おー、これがカグヤの魂魄獣か」

「物質型・・・話を聞くと、半分人化したというなら神獣型にもなるのかしらね?」

「本の様な感じだけど浮いているのがまた不思議だな」

「うちの家系はやっぱり物質型になりやすいな」



 みんな見てきているけど、俺の魂魄獣は直ぐに人化を消して本の姿に戻った。



『えっと・・・初めまして、このたびカグヤ様にお仕えすることになりました』


 魂魄獣も本の状態で話せるようだけど・・・・どこで発音しているんだろうか。


 あの人化した姿は綺麗な女性だったけど、どこか抜けているような感じもしたな。


 とにもかくにも、まずは名づけが必要なのでまた教会へ向かうことにした。



 



 教会で、魂魄獣に名前を付けてようやく自分のモノになるのだが・・・・・


『うえぇぇぇ・・・うっぷ、馬車に酔いました・・・・』

「いや浮いているよね?なんで馬車に酔うの?」

『振動とかが空気を伝わって、ちょっときて・・・・おろろろろ』

「あらあら、カグヤの魂魄獣は乗り物酔いをするのね。吐いているのはないけど、吐いているように見えるのが不思議ね」


 母上が微笑ましそうに見ているけど、当の魂魄獣からしてみればひどく酔ったようだ。


 なんで本が酔うんだろうか・・・・そして、何も食べてすらいないから吐くモノもないだろうけど、大丈夫かこいつ?





 ようやく教会へ着くと、昨日の神父様が迎えてくれた。


「おお、本の魂魄獣ですか」

「はい、物質型・・・・のようですが、朝初めて見たときに半分だけ人化したので神獣型の方かもしれませんけど」

『おおぅ・・・やばい、やばいですよ・・・・もう何も出ませんよ・・・』


「・・・・すごいグロッキーになってますね。魂魄獣ってここまで乗り物酔いしやすいのでしたっけ?」



 撃沈している俺の本の魂魄獣を見て、神父さんは少し困り顔をした。


「あの、魂魄獣っていれて運べますけど・・・その方法はだめでしたかね」

「え?」




・・・・魂魄獣は、その所持者の魂の一部と同じようなモノ。


 そして、外に出さないで所持者の魂へくっつけて運ぶことが可能である。


 というか、昨日皆のを改めて見せてもらった際に、出しているのを見た記憶が・・・・・




 すっかり忘れてました。その方法だったら酔わなかったのかもしれない。


 本当にごめん・・・・・・・・









 何とか回復させたところで、いよいよ名づけをするのである。


「この教会にて、魂魄獣の名前をしっかりと付けてそこで初めて自身の魂魄獣として得ることができるのですよ。この名づけの儀式を怠りますと・・・・3日以内に魂魄獣が死亡してしまうので」


 かなり厳しいルールがあるようだった。実例もあるようで、絶対にしないといけないようだ。



「名づけ・・・魂魄獣を抱き、意識を集中して、その心の声を聴いて話し合い、名前を神の前でつけるのです」




 神父さんに説明されるとおり、魂魄獣を抱きしめる。


 あ、今回はあの意味不明な踊りはやらないのだとか。流石に儀式によっては・・・・



「名づけ時、神父は逆立ちしながらその周囲を回り続けるという決まりがあります。踊りではなく、手を大地に着け足を天に向けることで絶対の誓いを示すからです」


 そう言い、神父さんは逆立ちをして周りを進み始めた。




・・・神に聞けるなら聞きたい。何でこんな変な儀式がこの世界にいくつもあるのだと。



 そう思いながらも、意識を抱きしめた本・・・魂魄獣に集中する。


 周囲で逆立ちで歩き回る神父さんを無視していると・・・・・だんだんとこの魂魄獣との世界ができていくような気がした。




====================================



―――――――名前は、何にしたいんだ?


―――――――そうね、私の前世の名前を付けてくれたらいいわね。



 心の中で問いかけると、魂魄獣からの声が聞こえてきた。


 朝に聞いた声と同じであり、魂魄獣自身だとわかるけど・・・・前世?




―――――――前世といっても、貴方がいた世界とはまた違う、滅びた世界からよ。


―――――――・・・神様が言っていた世界のか。


―――――――その通りよ。カグヤ様、貴方のガイドとしての役割を持たされているのよ。




 あの神様、転生者に転生者のガイドを渡すのかよ・・・・違う世界の人だからいいかもしれないけど、なんか驚くな。



―――――――『アンナ・レビュラート』それが前世の私の名前。これからとるのも良し。でも、あなたが好きなように決めても良いのよ。




―――――――ネーミングセンスに自信がないので、『アンナ』で。


―――――――わかったわ。あ、ついでに神からの最重要での神託。「あの神父のような変な踊りはいつの間にかできていた物であり、決して酒によってふざけてああするように言っちゃってしまったからではないのじゃ」と。その他は帰ってからね。



―――――――わかったけど、酒に酔った拍子であのへんな儀式ってできたのかよ!?



==========================================




・・・・そこで名前を付けるのを決めたけど、ちょっと神について不安になったぞ。


 へんてこな儀式の秘密を知ったけど、神父さんに言わなくていいか。放っておいた方が愉快なことになりそうだしね。





「・・・さてと、名前を付ける。『アンナ』でいいんだよね」

『はい、その名前を私はいただきましょう』



 本から声が聞こえ、きらりと一瞬魔法陣のようなものが床に光ってすぐに消えた。



「おお!!無事に名付けが成功しましたね!!」


 逆立ちしながら喜びの声を上げる神父さん。



 手がすんごいがくがくしているけど、大丈夫なのだろうか・・・・・・・・

教会が行う奇怪な儀式の理由が、今回判明いたしました。

でも、今更酒に酔っての勢いだったとは言えず、今回はカグヤだけにそのネタ晴らしをしたのです。

いつか言えるタイミングは来るのでしょうか・・・・・

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