#5
本日2話目
短め?
・・・・日が昇り、朝となった。
カグヤの部屋にある窓から日の光が差し込み、自然と目覚めさせた。
「・・・・うーん」
朝だけど、まだ少しぼうっとするな。
眠い目をこすって・・・・ふと違和感に俺は気がついた。
ん?そういえば魂魄獣の卵は?
『・・・・起きたでしょうか?』
と、聴きなれない声がした。
優しそうな声であり、魂に直接響くかのような感じである。
ふと、その声の方向を向くと・・・・ぷかぷか浮いている本があった。
うん、魂魄獣だとおもうけど、物質型だったか・・・・・と思いきや、
『・・・やっぱこっちのほうがいいかも!!この姿だと話しにくいわ!!』
ドロンと変化するかのように、女性の姿へと変化した。
よく本とかで見るような魔女の姿であり、にやりと妖艶に微笑む。
金髪のストレートであり、顔立ちは綺麗であるけどちょっとドジ踏んでいないか?
「半分本から出た形にしかなっていないぞ?」
『え?・・・・・あ、中途半端だった』
浮いている本が開いて、そこから上半身だけを出した姿であった。全身が変化するんじゃないんかい!!
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SIDEアンナ・レビュラート(中途半端な人化状態)
(・・・失敗して、これじゃあかっこつかないわね)
卵からようやく出て、自身が仕えるようにと神に言われた相手の目の前に顕現しながらアンナは思った。
別の世界での滅びから何とか助かったのは良いのだが、今一つ不完全だったのか、転生が完全にできず、さまよっていたところ神と名乗るのじゃちび女に見つかって、こうやって目の前にいる少年のガイド役として過ごすようにと命じられたのであった。
別に文句もなく、こうして魂魄獣とやらに生まれ変わったのはいいのだが・・・彼女の全盛期の姿で人化できるとはいえ、まだ慣れていないので人化が半端に失敗し、本から上半身が飛び出る形の状態になったのである。
神に聞いた話だと、目の前にいる少年は己が仕えるべき主であり、別の世界から訳があって転生した人だとは聞いていたのだが、少々舐められないようにと思って派手にやってみたのに、ものの見事に滑ってしまい、内心物凄く恥ずかしかった。
衣服とかはきちんとできているので素っ裸をさらすようなことにはならずには済んだが、それでもこれは自身の元魔女としてのプライド的にがっかりするのであった。
『・・・・はぁ』
「えっと・・・・まあ、失敗は誰にでもあるよ?」
思わずアンナがため息をつくと、少年は少しうろたえながらもフォローしてくれた。
でも「失敗」という言葉がぐさりと来た。
しょっぱなからこの調子だと考えると、アンナは頭を抱えるのであった。
・・・・・・うまいことガイドとかサポートできるのだろうか私は。自信が無くなりそうよ。
ようやくこの物語の主要人物セットがそろった。
幸先が良いのやら悪いのやら・・・・・