#43
これが本当の#43である。
前回のは軽い人物紹介程度と思ってください。
SIDEカグヤ
「~~~~~~~という事で、貴族のやる事としては」
(やる事ねぇ・・・予想とあまり変わらないんだよな)
講義中の教師の話を聞きながら、カグヤはそう思った。
15歳となったカグヤは現在、学校で貴族学というモノを受講していた。
一応カグヤはシグマ家の三男・・・貴族という事でもあり、貴族に関しての勉強は必要とされるのである。
礼儀作法から国の成り立ち、領地経営での成功例など、様々なことを学ぶのだ。
受講するには貴族籍にあることが必要だが・・・・学びたい意欲があれば、貴族でなくても学ぶことは可能である。
将来的に貴族相手の商売をする可能性のある商家の子息や、貴族にまで出世してやろうという意欲のあるやつなどがその例にあたるだろう。
転生で前世の知識もあるとはいえ、この世界にはこの世界なりのやり方があるのでしっかりと学んでおいては損はない。
・・・・まぁ、どうせ当主や補佐という役割も特になることはないので、どこかで役に立つだろう程度になるが。
ちなみに、この貴族学の授業ではリースも受講しており、意外なことに今は平民だが、先祖の方で貴族だったらしいベスタも将来的にまた上り詰めてやるみたいな意欲で受講しているようであった。
ただ、ミルルは違う。
彼女は第5王女・・・・貴族の上の地位である王族だ。
その為、これまた違う王族学とやらを学んでいるようでこの場に姿はないのであった。
ついでに、この授業中魂魄獣たちは全員この場にはおらず、魂魄獣は魂魄獣で礼儀作法のしつけがされるようである。
獣型だったらお座りとか伏せとか・・・・犬か?
物質型にスライム型・・・・様々な魂魄獣の型があるとはいえ、それぞれに合わせた礼儀作法の方法はきちんとあるようである。
アンナの場合は・・・・神獣型だから人の姿と本の姿の時の両方であるのかな。
というか、物質型とかもどうしつけするんだろうか・・・すっごい気になる。
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SIDEアンナ
「・・・ふむ、アンナさんは呑み込みが早いというよりも知っている感じですか」
『このぐらいであればすぐにできますので』
別室にて、魂魄獣たちが自身の主に恥じぬように、専用の教師たちから躾を受けていた。
アンナの場合は神獣型なので、人の姿の時での礼儀作法の仕方は予想できていたのだが・・・・・
『本の姿での礼儀作法ってのもあるんですね』
「ええ、アンナさんは人の姿に慣れる神獣型ですが、本の姿という物質型の特徴も併せ持つためにその作法も学ぶ必要性があるのです」
教師に言われながらも、人の姿から本の姿になったアンナはその礼儀作法の仕方を学ばされていた。
人の・・・魔女の姿の時での礼儀作法は前世の知識やそもそもカグヤのガイドとして導けるのでその方法はきちんと理解して実行することはできた。
ただ、本の姿でのは流石に予想外であった。
『ぐぬぬぬぬ・・・背表紙のズレをできるだけなくす・・・って、これどういう感じにすればいいのでしょうか?』
その為、結構難航したという。
ちなみに、獣型であるニャン太郎はその時猫としてどうあるべきかの指導を受けていた。
「ほら、あと30度斜めを見るように!!」
『二、ニャオォゥ・・・』
猫としての理想的な形をやらされていたが、そこは自由でいいんじゃないかとニャン太郎は思った。
・・・・ただ、アンナの谷間に窒息させられかけるのを考えるとまだましであると思ったが。
さすがに死と直結しかねない物と比較すればましであろう。
なでられたりするのはいいが、流石にあれは・・・・
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SIDE???
・・・その者は空を飛翔していた。
そしていつの間にか、普段は自ら向かう事が内容な、人が大勢いる気配を感じる領域までその者は飛んできてしまっていた。
その者の一族の長は言っていた。
「人というモノにむやみやたらに関わってはいけない」
「あれは、なめてかかるとこちらが怖ろしい目に合うのだ」
「もしかしたら命を落としてしまう可能性がある」
と、実際に経験したかのようなことを繰り返し一族の者達に何度も何度も繰り返し伝え、その者たちは人に近づくことはなかった。
ただ、その者はその長の言葉を軽視していた。
「何を言うか、我等の方が力が強く、人には負けぬぞ」
と、若いながらの言葉が出た。
そして、そのことをその者は思い出し、そこで今の場所と合わせて考えてしまった。
今なら、当時のその言葉の通り、長とは違って自分なら人には負けないのではないか・・・・と。
そう考え、高度を下げてその者は人がより大勢いる場所へ向けて進路を取った。
・・・・・だが、その選択は間違いであったと後に後悔することになる。
この長って過去に何かあったかのような口ぶりだけど・・・・まあ予想は容易い。
同情するレベルの可能性が・・・・




