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#3

本日5話目!!

今回は少々宗教の事も

‥‥‥カグヤは5歳になり、「魂魄獣」の卵を受け取る儀式をするため、教会へ向かう馬車に乗っていた。


 教会というけど、この世界は宗教の概念があやふやらしく、様々な神が存在すると言われているらしい。


 戦の神、恋愛の神、健康の神、雷の神、火の神と、日本で言うところの八百万の神レベルである。


 神に関しては、転生前に出会った存在がいるのでコメントしにくいけど、流石に多すぎなような気がする。


 その神からさらに使いとして、神の使徒、天使、精霊王、・・・・もうどれだけ枝分かれするんだろうか。



 そして、その数はやはり面倒なのか、人々はまとめて神と呼ぶことが多いようである。いちいち区別してられるかボケ!!というのが本音のようで。



 そのため、今行く教会も神という概念はあれども、なんの神とかそう言うのは特に決めておらず、神を信じるのであればだれでも受け入れるというところであった。


・・・この世界って、宗教戦争起きにくそうだな。信じているのであればいいし、まとめているようなものだしね。


 一応神官とか、聖女とかいう役職もあるようだけど、宗教分離がどこの国でもはっきりと行われているようである。


 いや、例外はあるにはあるそうだけど、今いるこの国とは国交結んでいないどころかがっつり敵対しているようである。○○至上主義とかが強すぎてというのが原因だというけど、やっぱそう言うのはあるのか。関わりたくねぇな。





 ・・・そういえばこの国って何のか、ちょっと父の書斎に潜り込み、本を拝借して調べました。


 母上にねだれば案外簡単に読んでくれたしね。「こんなことに興味があるの?」と不思議がられたけど、興味を持ったんだよーと言ったらコロッといった。ちょろい。



 今いるこの国は「バーステッド王国」。周辺にはあといくつかの国があるようだけど、今のところは興味ないのでそこは飛ばして、実情を知ることができた。



 元々とても小さな小国だったらしいが、戦争を仕掛けられたりして返り討ちにしまくり、その結果今はかなり大きな国になったようである。


 ただ、まあ我が家・・・・シグマ家がその戦争なんかに参戦したことは数えるほどもないそうだけど。


 何しろ、先祖代々そう言った戦争がどうも嫌いらしいそうで、いくらチートじみた狂気じみた強さを持っていても、参加はものすごく嫌がったらしい。


 自分たちに危害をかけるような・・・・喧嘩を仕掛けられたときにしか攻めず、国王のいう事もあまり聞かないのが問題にされたらしい。


 でも、力づくでとか反逆罪でとかだと明らかにぼっこぼこにされる未来が見えるそうで、今はこうして辺境地にとどめられている状態で、特にうるさく言われないのだとか。




・・・・いや、国に逆らうことができるとか、うちの家系本当に何者だよ。つくづくとんでもない家に転生したような気がする。



 ちなみに、周辺諸国も我が家を取り込もうとして、逆にやり返されて有能な人が引き抜かれて行って弱体化されるなどという事もあったので、シグマ家は各国にとってもやばい家だという認識があり、今はおとなしくなっているそうな。



 その有能な人の何人かは我が家のメイドとか庭師だというけど・・・・まじで?


 メイドの人に聞いてみたら、本当のようで、元々はとある国の暗殺者だったとか、ハニートラップ要員とか、工作員、参謀、将軍・・・・経歴がすごいのが多いんですけど。


 というか、何をどうしたらそうなったんだよ。


 庭師のミッシェルズサンさんなんてイケメンで、どうやら元々母上のハニートラップを仕掛けに来た人らしいけど、父に地獄の3丁目まで案内されて、いろいろあって今はこうして我が家に使えているらしい。



 両親とも互いに相思相愛のアツアツなのはいいけどさ、本当になんというか、我が家に仕掛けようとした国とかが気の毒になるのはなんでだろうか・・・・・。


 ちなみに、その人たちが自国から離れる際に重要機密なんかも手土産に持ってくるそうで、父はめんどくさそうに国王に丸投げ・・・・いいのかそれで。


 王国としてはいいんだろうけど、無茶苦茶すぎだろう。というか、自分も所属しているけど何だこのシグマ家って。







 と、考えていたら、どうやら馬車が付いたようである。


「ほらカグヤ、ここが私たちの領地にある唯一の教会よ」

「ここが教会・・・」



 普通になんというか、「教会っぽい」という言葉しか出ない。


 語彙力がないのかもしれないけど、コメントしにくいな・・・・・・。



 中に入ると、この教会の神父だという男性が出迎えてくれた。


 やせ気味だけど、優しそうな感じの人である。



「これはこれは、シグマ家の方々ようこそいらっしゃいました」


 にこやかに笑いかけて、こちらに歩んできた。



「今日はこの子の誕生日で、魂魄獣の卵の受け取りに来たのだけれども、用意はできているのかしら?」

「はい、カグヤ様の魂魄獣ですね。それならこちらへお進みください」


 教会の奥の方へ進むと、何やら祭壇のような物がそこにあった。


 バスケットのような籠がそこにあり、クッションが置かれているようだけどまだ何も入っていないようだ。


「ではカグヤ様、これより神に祈りまして魂魄獣の卵を授与いたしますので、その籠を抱えて祭壇に乗ってくれませんか?」

「わかりました」


 祭壇に上がり、まだ何も入っていない籠を持ち上げる。



 何をするのだろうかと考えていたら、神父さんが奥の方へ移動して・・・・すぐに何かを抱えて戻って来た。



「では、始めますよ」


 そういう神父さんは、持ってきた何やらものすごく怪しい仮面を装着し、斧を両手に持った。



 え?なんか思っていたのとは違うような・・・・・



「は~~~~~~~~~っ、神よぉぉぉぉぉ!!我が声を聴きたまぇっ!!それっ!!それっ!!ぶんばばぁぁぁぁぁ!!」


 いきなり大きな声で叫びながら、奇妙な踊りをし始める神父さん。



 ・・・なんだこの儀式!?予想外すぎるというか、何処の猟奇的な儀式だよ!!


「ぶんばぁぁぁぁっ!!神!!神!!ききたまえぇぇぇぇぇぇ!!それっ!!」


 ぐるぐると奇妙な踊りをして、斧を振り回しながら動き回る神父さん・・・だった変人。


 ああ、シグマ家は明らかにヤバイ一家だとはわかっていたけど、その領地にいる人も別の意味で物凄い人だったのか。



 齢5歳にして、カグヤは悟った。


 そして、10分ほど続いた辺りで、神父が踊りを止めた。


「・・・・きたっ!!きたっ!!きたっ!!きたっ!!きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 そう神父が叫び終えた瞬間、いきなり重みを感じた。


「うおっ!?」


 見ると、籠の中には大きな卵が鎮座していた。


 いつのまにか現れて、そしてその重みを感じたけど・・・・・・・どうやってこの卵が出現したんだろうか。


 鶏の卵のように楕円形だけど、手で持って大きいなと感じるサイズだ。


 例えで言うなら、某電気鼠のアニメであるタマゴの様なサイズだな。




「ふぅ・・・・無事に神からカグヤ様の魂魄獣が授与されたようですね」


 汗を滝のように流しながら、神父さんが近づいてきた。


 やせ気味だなぁと思ってはいたけど、こんなことをしてればそりゃ痩せるわ。



「これが魂魄獣の卵・・・・・・どのくらいで孵化するのでしょうか」

「魂魄獣の卵が孵化するのは一晩経ってからです。ですが、今から片時も離れずに持ち続けなければいけませんよ」


 結構早く孵化するのか。


 一晩・・・・中身がわかるのは翌日であり、孵ったら改めてまた教会へくる必要があるそうだ。


 そこで名前を付けて、ようやく自分の魂魄獣となるという。


「名前を考えるのは大変でしょうガ、一番簡単に決める方法はあります」

「その方法とは?」

「孵化した魂魄獣は、自分の魂の一部と同じ存在です。ですので、魂魄獣自身に名前を聞けばいいのですよ」


 そう穏やかににっこりと神父さんは言うのであった。



・・・孵化するのが楽しみだけど、地味に重いな。これを一晩中抱えてないといけないようだし大変である。

さて、どのような魂魄獣が生まれるだろうか・・・・・・

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