#33
魂魄獣で考えていたら、このメンバーだとリースだけ不憫なような気がした。
カグヤ:前世が大魔法使いであり、本の姿になって情報提供もしてガイドできる神獣型魂魄獣「アンナ」
ミルル:自身の護衛になるように鍛えあげられている騎士の鎧そのモノである物質型魂魄獣「ナイトマン」
リース:癒し系+アンナに籠絡されてその上谷間に挟まれて昇天しかけた白猫の獣型魂魄獣「ニャン太郎」
課外学習も時間が過ぎ、太陽が頭の真上に来るお昼頃になった。
「昼食はどうするんだっけ?」
「学校に戻って食堂で食べるか、もしくはどこかの屋台で買って食べるみたいな決まりだったはずだな。貴族でも平民でも、きちんと金の価値を分かって買い物ができるかという事を調べることも含めるらしい」
「民の暮らしを知らねば上に立つ者たちである貴族や王族も成り立たない。そう言うことを学ばせる一環として行われるようですわね」
カグヤたちは昼食について話し、とりあえずまずはこの首都内にある屋台の適当なので購入してみようという事になった。
学生とはいえ、カグヤたちは全員きちんとお小遣いはもらっており、懐にはそれなりの金額があるのだ。
とはいえ、何にするかで意見が分かれた。
「普通に食事とかができる食堂とかが良いと思うんだけど」
「何を言うか?ここはあのおいしそうな匂いが漂う屋台の焼き鳥でいいだろう?」
「うーん、ここは上品にあの喫茶店が良いと思いますわね」
カグヤは前世の日本人の一般人感覚が、リースは貴族としての誇りのようなものがありつつも逆らえぬ食欲が、ミルルは王族として受けた淑女としての感覚がそれぞれあったのでものの見事に意見が分かれた。
「一応班での行動だから、食事の時も一緒の方が良いんだろうけど・・・・」
「流石に譲りにくいな」
「ここは一旦分かれて、食べ終えてからまた集合したほうがいいと思うのですわ」
「「それだな」」
ミルルのその提案に、カグヤもリースも賛成した。
昼食時のこの時だけはそれぞれ分かれ、食べ終えたらすぐに決めておいた集合場所へ向かうという事にしたのである。
その為、三人は一旦この場で解散したのであった・・・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
SIDE???
「お、ちょうどそれぞれ個別に行動するのか」
「都合が良いな・・・・こちらは三人、あちらも三人」
「別れて攫えそうだな」
カグヤたちがそれぞれ分かれて食事をとりに行く丁度その時、物陰からその行動を観察していた者たちがいた。
今日この日、都合がいいことに課外学習とやらで学外を分かれて歩いている新入生たちを狙う謎のフードをかぶった集団たちである。
狙っているのは、彼らにとって将来的に都合が悪くなるであろう人物たちであり、その排除もしくは隷属化のために、人気のない場所で目的の生徒を素早く攫い、まとめて攫い割った後で厳選する予定でもあった。
ただ、その目的の人物の中にはカグヤたちが含まれていたのだが、先日の学内での決闘の事は情報として入ってきており、うかつに手を出しにくい状況だったのである。
そこで、ちょうど三人バラバラになったところで、先にカグヤを除く二人を先に攫う事を彼らは決めた。
その二人を先に攫うことによって、いくらやばいシグマ家の子供でも、人質を取られては手出しができないだろうと考えたからである。
それに、彼らはまだ子供相手だとみくびっており、不意を突けばいけるだろうと考えていた。
それぞれ1人を相手にすれば行けるだろうと話し合い、それぞれ散開する。
すばやく攫えたら他の人を手助けして、何者にもバレぬように仕事を終わらせる。
そう計算して彼らは動く。
・・・・・・・・・自らの滅亡を招く羽目になるとも知らずに。
第5王女の才能は次回公開予定。あくまで予定なので考えているのに出せるか不明。
攫おうとしているフードの者たちの目的は不明だけど、悪いことをしようとしているはずなのに、狙う相手の事を考えたら道化の様な・・・・哀れなような気もしてきた。
次回に続く!!
・・・情報はあれども、末端の者達は理解しきっていないという、組織においてやらかしている事でもある。情報本当に大事。そして実力とかを見抜けるかという目も大事である。