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#32

書いている途中で動作が一旦停止して、書いていた物が消えるのはきつい。

「ねぇ彼女?ここであったのも何かの縁だしお茶しないかい?」


「いいねぇ、綺麗ですから付き合ってください」


「はうぅっつ!!私は今天使に心を射抜かれました!!恋に落ちたので付き合ってください!!」


「・・・一緒になってくれないか?死んでもあの世へ逝っても包丁でぶすりとやられても」


「くひーっひっひっひ、中々よさげな方ですね。惚れ薬の実験台になってくれませんかねぇ?」


「その双丘にダイブさせてくれぇぇぇぇぇぇ!!もしくは揉ませてくれぇぇぇぇ!!」








『人ってあれだけ欲望にまみれた存在でしたっけ・・・ヘンな人もいたし、いちいち声をかけてくる人もいるし、なんかうざったい顔でやってくる人もセクハラする人も・・・・』

「・・・アンナ、大丈夫?」

「普段は気に食わないけど、流石に同情するな・・・・」

『ニャ~オウン』

「ナンパされた数30人突破しているわね・・・」

『約9割は変人でありましたな』


・・・課外学習の為、カグヤたちは首都内を歩いていたのだが、その道中に人の姿を撮っていたアンナに思いがけないほどのナンパを試みる者たちが寄ってきた。


 いや、確かに人の姿になった時のアンナの見た目は綺麗だけど、変人ばかり寄ってくるのはどうなのだろうか。少なくとも全員一致で遠慮したいというか全力逃走したい。


 その気持ち悪さに傷心したのか、現在アンナは本の姿に戻ったかと思うと、カグヤの中に自ら収納されている状態であった。


 その落ち込みっぷりに、リース、ミルルともに同情し、同じ魂魄獣のニャン太郎やナイトマンも同情しているようである。


 見た目がきれいだからと言って、言い寄って来る者がまともだとは限らない。


 その実例をカグヤたちは目の当たりにするのであった。


・・・・もしかして、アンナの前世が独りぼっちだったことがあるのはその変な人を引き寄せやすいという事もあったせいなのではないだろうかとも、カグヤは思った。



「魂魄獣とかにもそういう人を引き寄せる才能ってあるのかな?」

『魂魄獣はあくまでその主の才能を開花させる存在であり、魂魄獣そのモノの能力は魂魄儒事態にゆだねられますので、才能云々は元からないのです・・・・。はぁ、変人をすべて殲滅できる才能が欲しいですよ・・・・300年ほど前にあった記録があるし、どうにかカグヤ様にその才能を学習してもらって・・・』


 カグヤの質問にアンナは答えつつも、落ち込んだ様子でため息をついているようであった。


 というか、「変人全てを殲滅できる才能」ってあるんだ。抽象的すぎて分かりにくいけど、あるんだとしたらアンナのために何とか学べたらいいな。


 そうカグヤは思いつつも、とりあえず皆の気を取り直して課外学習を続けるために、街中を歩き続けるのであった。


 なお、アンナのその落ち込みっぷりから同情したリースが、後日ニャン太郎を好きにできると言ったとたんにアンナは回復したようである。


 ニャン太郎、とばっちりと昇天確定。




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SIDE怪しい路地裏



「こういう路地裏とかってめったに見ないよなぁ」

「やめておきなよバッハーン君。こういうところってやばい人とか出入りしてそうだよ」

「平気だぞヘタールレっち。俺っち達には魔法もあるし、魂魄獣もいるからな」


 首都ヴァルガスにも、何処の都市にも路地裏というモノは存在する。


 人目に付かない場所でもあるので、夜な夜な黒歴史に残るようなことをそこでする人や、怪しい企みを話す人、もはや意味不明な行為をする人などが居たりもする場所である。


 犯罪が起きる確率の高い危険な場所であるため、今回の学校の課外学習では立ち入ることが禁止されていたのだが、「やるなと言われればやりたくなる、押すなと書かれていたら押したくなる」というような生徒たちがその路地裏に入り込んでいた。



「矢でも魔法でも剣でもかかってこい!!俺っちの魂魄獣タートルキングエステラーゼが防いでやるのだ!!」

「バッハーン君、その亀で本当に防げるの?というか持てるの?」


 あほなことを言い出した友人を呆れながらツッコミを入れた声がしたその時であった。



ガッツ!!

「へぐわっ!?」


ゴッツ!!

「みっづ!?」



 背後からいきなり不気味なフードをかぶった人たちが現れ、それに気がついて悲鳴を上げるよりも先に、その生徒たちは気絶させられた。



 あぶくを拭いてマヌケな顔で気絶する者と、失禁した者を一人が担ぎ上げる。


「・・・さてと、これで4人目か」

「こういうバカなことをする奴らを攫うのは楽だけどさ、そろそろ騒ぎになってもおかしくなさそうだぞ」

「なぁに、気がつかれて悲鳴をあげられる前に、こういう場所で一気に攫えばいいだけの話さ」


 そう話し合う彼らの声は、路地裏に小さく響くのであった・・・・・・



密かに行われている行為。

そのことにカグヤたちが巻き込まれるのは・・・・・・

次回に続く!!


・・・今回だけの名前が出たキャラ。もしかしたらまた出るのかもしれない。

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