#25
予約掲載って便利だなぁと、忙しくなってきた今日この頃思えるようになった。
「・・・え?神からの連絡が?」
『はい、夜中に届いたようですよ』
休日の朝、学生寮の自室でカグヤが起床すると、アンナが何か神からの連絡が届いたと言ってきた。
本の姿の彼女のページをめくり、その連絡が表示されるページを開いた。
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…楽しくやっているようじゃな。今はカグヤという名でいいのじゃろう。
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「うん、この『のじゃ』風な文は間違いなさそうだな」
転生前に出会った存在・・・・神とか言っていたあの幼い女の子の様な、それでいてどこか抜けているかのうような神の姿をレイは思い出す。
ただ、転生前にこうやって連絡をするときがあるという話があったが、実際にこうやって連絡がきちんと来たのは初めてなような気がした。
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さてと、今回連絡をしたのじゃがある事をやってもらいたいのじゃ。
今、お主たちがおる学校でちょっと面倒ごとが起きようとしておるのじゃよ。
どこぞの馬鹿が偶々見つけた悪魔召喚術が書かれた本を試そうとしておるらしく、少々空間が歪みかけておるのじゃよ。
まあ、成功したらそのお主たちがいる世界にゆがみが生じ、その歪みの代償として少々どこかの街が吹っ飛ぶぐらいじゃけどな。
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「それって少々に入るのか?」
『大惨事ですよね・・・・』
シャレにならない伝達に、カグヤとアンナはほおをひきつらせた。
・・・・アンナは現在本の姿の状態なので、若干紙をゆがませたという方が正しいのかもしれない。
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というわけで、至急その召喚が行われる前に止めに行っておくれ。
休日じゃから学校には誰もおらぬじゃろうから目立つことも特にないじゃろう・・・多分。
召喚完了時刻までに止めればいい話じゃし、頑張るのじゃぞ。
神より。
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読み終えると、その文章は直ぐにアンナのページから消滅した。
「あれ?これが届いたのっていつ?」
『真夜中ですよ。ですが、少々時間軸とかを考えると・・・・』
・・・・神のいる世界、元々カグヤのいた世界、この世界などと言った具合に世界は多く存在している。
とはいっても、世界は全て同じような時間の流れにあるわけではなく、時間差が生じるのだとか。
で、神のいる世界からこちらを見れば、過去が見えたり未来が見えたり現在が見えたりと思いっきりバラバラになるのだとか。
その為、こういう伝達とかも何とかその時間に合わせようと調整して送り出されるらしい。
「神の連絡して来たのこれも時間がずれているのか?」
『計算上、おそらく今日の夕方ごろに届く予定だったようですね。つまり、その頃に召喚とかやらかす人が学校に来るんでしょう。休日ですので、学校にわざわざ来る人はいませんからね』
しかし、これまた厄介な面倒ごとが押しつけられたものである。
「というか、悪魔召喚術って何をやっているんだその人は・・・・」
『一応悪魔ってカテゴリーありますよ』
この世界には人間以外の生物がたくさんいる。
普通に動植物もいるし、魂魄獣の様な存在もある。
そして、モンスターと呼ばれるようなモノたちもいるのだが、こちらはそう人の前に姿を現すことがなく弱い奴の方が姿を現しやすいのだとか。
そして、その生物の中でも悪魔というモノがあるそうで・・・・
『カグヤ様が転生前にいた世界で言い伝えられているような存在と大体同じですね。魂を引き換えに色々叶える奴だったり、それ以外の代償を求めるのが悪魔ですよ。召喚方法が正しくなければ問答無用で魂を引っこ抜きますけどね』
「で、その召喚も・・・」
『まあ世界に負担がかかるので、止めてほしいのでしょう』
本当に面倒なことになったような気がした。
そもそもなぜそんな悪魔召喚が書かれた代物があるのだとかツッコミを入れたいが、今はそれどころではないだろう。
「さっさとその召喚予定地を割り出して止めに行くか」
『予定地点を表示し、ナビゲートいたしますね。学校の中でもめんどいところのようですので』
夕方ごろの予定らしいが、それでも今からカグヤたちは動き出すのであった。
というか、学校なのに授業風景がないというのもなんだろうか。
この神から言われた召喚を止めれたら書いてみますかね。