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#21

前回の簡単なあらすじ

・決闘開始

・魂魄獣同士の対戦最初に行われた

・リースの魂魄獣ニャン太郎、カグヤの魂魄獣アンナの魔の手で昇天

 魂魄獣同士の対決は、カグヤの魂魄獣であるアンナの勝利に終わり、試合後もリースの魂魄獣のニャン太郎は、アンナの手によって骨抜き状態であった。


『フニャァン、ゴロゴロ』

『ふふふ、ここがいいですか?そこがいいですか~?』

「アンナー、そろそろそいつを解放してやれ」

「ニャン太郎!!戻って来いよ!!」


 さすがにこのままでは決闘が続けられないので、それぞれの魂魄獣を自身の中へと戻す。


「くそっ!!まさかその本のようなやつが神獣型だったとは・・・・しかも僕のニャン太郎をイカのごとく骨抜きにされたし!!」

「イカは骨あるぞ!!」


 

 どうでもいいようなツッコミを入れつつ、次は・・・


「剣術か魔法での勝負・・・・・魔法で」

「魔法か」


『おーっと!!次はどうやら魔法での勝負ようだー!!』


 魔法での決闘に決め、司会の校長の声が響き渡る。



 とはいえ、魔法と言ったはいいけど何を決闘に使えばいいのやら。


「ふっふっふっふ、カグヤよ貴様は失敗したな!!」

「何がだ?」

「この決闘は命を奪うような行為は禁止!!だが、貴様はあのシグマ家のものだ!!つまり、殺傷性の高いような魔法ばかりしか使えないはずだ!!」


 リースが高らかにそう言ったけど・・・・・ううむ、否定できない。


 魔法だとどうしても殺傷性の高いというか、威力の高い物ばかりを使いがちになるからね。


 いや、殺傷性のない魔法なら入学試験時に花畑を作ったあれもあるけど・・・・なかなか難しいな。


「いくぞ!!『アイスナックル』!!」

「へ?」


 いきなりリースが魔法を使ってきたけど・・・・・拳で!?



「やべっつ!!」


 さすがにこれは予想外だったので、慌てて避ると、リースの拳がそのまま通り過ぎて、地面に直撃する。


 すると、その地面に直撃した部分があっという間に凍り付いた。


「ちょ!それ魔法かよ!!」

「ふっふっふっふ、魔法だからと言って、近接戦闘には来ないとでも思っていたのか!!僕の持つ才能にある『魔拳闘士の才能』で、拳や足に様々な魔法を纏わせて戦うことができるんだよ!!」


 なるほど、魔法だからと言って遠距離攻撃の様な者ばかりとは限らないもんね。


 改めて魔法に関してよく学べたような気がするよ。


『カグヤ様、一応「魔拳闘士の才能」についての表記がこれになります』


 と、今現在収納中のアンナが心の中にその情報を見せてくれた。


 というか、わざわざ本の状態でページに出さなくても表示可能かよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「魔拳闘士の才能」・・・・近接戦闘に特化された才能。魔法を纏って攻撃することが可能になり、臨機応変に戦いやすくなる。魔法は大抵遠距離攻撃のものが多いため、不意打ちに使用しやすい。ただし、その人自身の身体能力もあるので鍛える必要性がある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なるほどなるほど・・・・・」

「何うなずいているんだ!!こないんだったらこっちから行くぞカグヤ!!」


 殴りかかってくるリースを、カグヤはひょいひょいっと交わしていく。


 もともと剣術や魔法の特訓を実家で父や母上に受けていただけあって、避けることに関してもなかなかの自信を持っているのだ。



 そして、相手からの拳をよけながら、魔法を軽めに使用して応戦する。


どかぁぁぁぁん!!


「・・・・うん、軽めなはずなのになんで舞台爆発するん?」

「それ軽めかよ!!」


 ツッコミをリースから入れられつつも、しばしカグヤは待つ。







『・・・カグヤ様、そろそろ習得していますよ』

「そうか、やっとか」


 数分ほど時間が経った時に、アンナから声がした。


 今までただ避けていたわけではない。


 きちんと相手の拳を見極め、かわし、その分野に関してよく学べた。



 にやりとカグヤの口角が上がる。


「何がおかしい!!」

 

 その様子を見て、リースは一旦後ろに下がって警戒する。


「いや、別に何も?ただね・・・・よく学んだよ。『魔拳闘士の才能』とやらをね!!」


 カグヤの持つ才能・・・・「才能学習」が効果を発揮していた。


 習得したい才能でもあり、そのことに関しては今まさにこの決闘で良く学んで拳をよける作業もしていた。



 条件がそろって、ようやくその才能を使える!!



「一発目はそっちの技と同じだ!!『アイスナックル』!!」

「何っ!?」


 カグヤの拳がリース以上の、はっきりと目に見て取れるほどの冷気に包まれ、殴りかかる。


 わざと外し、地面の方にカグヤはたたきつけた。



ドカァァァァァン!!


 思いっきりたたきつけられるのと同時に、拳を中心にしてあっという間に舞台の床が凍り付く。


 氷結範囲はリース以上の広さになり、足元が安定しなくなる。



「『魔拳闘士の才能』・・・・魔法と大差ないようで別物だなこりゃ」



 思いもよらない威力に、観客席も、司会の方も、そして同様の才能を持っていたはずのリースも唖然とする。


『って!!バリバリ威力が高すぎてこっちも使えないじゃないですかぁぁぁ!!』

「あ、確かに」


 アンナからのツッコミで、カグヤはそのことに気がついた。


 学んだのはよかったけど、これはこれで決闘で扱いにくいかも・・・・・・・しかも床が凍ったので物凄く歩きにくい。



「ととととと!!滑る滑る滑る!!」


 自分で凍らせておいてなんだが、床がものすごく滑る。


「お前がやったことだろうがぁぁぁ!!おととととととととととと!!」


 リースの方も、慌てて態勢を立て直そうとしているのだが、舞台その物が氷結して物凄いつるつるになってしまった。


 そう、例えで言う慣れば眩しい頭を持つ人の状態の様な。





 スケートのようなことができればいいのだろうが、生憎普通の靴でありそんなことができない。


「って、普通にやんなくてもいいじゃん」


 そこでふと、なんでわざわざ何もしないで立とうとしていたかにツッコミを入れた。


 床が凍って立てぬなら、溶かしてしまえその氷。



 先ほど習得したばかりの魔拳闘士の才能を利用して・・・・・火の魔法を足に纏わせて床を溶かし蹴り上げる。


「『フレイムスタンプ』!!」


 ごぅっ!!っと一気に今度は床が・・・・・・・・丸ごと溶けました。


 うん、威力がまだ慣れてないからやり過ぎた。


 舞台その物が融解し、穴が開いちゃった。


 そんでもって、威力が高すぎて飛び火し、観客席に着火。


「「あ」」

「「「「火事だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」


 威力が高すぎるのも考え物である。


 そう考えながら、一時決闘中断して、慌てて水魔法を使用して消火活動にあたり、鎮火。


・・・・・・そのあとカグヤは、校長ではなくそのお目付け役であるセバスクンという人に長々説教をされたのであった。



 火が出る魔法を学校で使用することは当分禁じられました。


 相手がシグマ家の子供だろうと、やらかしたことに対して真面目になってくれるのはいいことであろう。


 でも、正座で4時間はきつい・・・・・・・










・・・一応、これまで学内であった決闘でもこんなことは起きていなかったので、単純に火力が高すぎたのがこの火事の原因らしい。

「魔拳闘士の才能」を得たのはいいけど、そのかわりお説教もカグヤは同時に得たのであった。

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