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#16

花粉症のない世界・・・あと鼻炎アレルギーもない世界へと行きたいと切実に思う今日この頃である。

 入学試験も終了し、それから数日後に学校の入学式の日となった。


 寮生活をすることになるのだが、特にこれといった大きな荷物もないので問題はない。





「とは言っても、入学式の当日に入学試験時の結果も出されるのがなぁ」

『そこで結果を見せつけて、きちんと自分がどのあたりにいるのか確認してもらい、そこからいかに成長すべきか知らしめるためにというモノの様です』

「ようは、気付け薬の様な感じか」

『ん?ちょっと違うような・・・・いや合っているのでしょうか?』


 カグヤの言葉にアンナは首をかしげたけど、カグヤは気にしないことにした。


・・・まあ、その辺の言い回しの間違いは仕方がないからね。俺の語彙力ってまだそんなもんよ。






 入学式会場は学校の真横に設立された大きな体育館の中である。


 両親も見に来ていたし、他の貴族の人達が互いにあいさつしていたりするけど・・・・やっぱシグマ家というせいか、どう見てもびくっとしているような人がいる。


 


「結構集まっているな・・」

『んー、見てみたところおよそ入学試験時の85%ほどの人数ですかね』

「あれ?残りの15%は?」

『まだ来ていないだけかもしれませんし、もしかしたら不正なことが発見されて・・・・』


 うん、それ以上は聞かないことにしよう。




 周囲を見渡すと、魂魄獣を出したままの人や、すでに仲良しなのかグループみたいに集まっている人、何やら拙速を拒むかのような感じで天蓋を立ててその中にいる人など様々である。


 一応この学校は国際的なのもあり、他国からの入学生もいるのだから当たり前と言えば当たり前なのだろう。


 ざわざわとしている中、体育館内の壇上に誰かが立った。


 見ると、ビシッとスーツを決めている金髪の若そうな男性である。


「えー、新入生諸君!!ネフィトリアン学校へよくぞ入学してくれた!!」


 堂々とした声が響き渡り、生徒たちが注目する。



「僕はこの学校の校長でもあるベルトラン・フォン・ベータです!!今後どうぞよろしくね!!以上!!」


 そう言い切ると、すぐさま体育館から出ていった・・・・・ん?


「早すぎないか!?」

「名前を告げるだけで終わったぞあの人!?」

「これ入学式だよね!!」

「うぉぉぉぃ!!そんなのありかよ!!」




 あちらこちらから驚きというか、呆れの声が出るのだが・・・・・親たちがいるところを見ると、事情を知っている人が多いのか「ああまたか」みたいな顔を皆していた。


・・・大丈夫なのだろうかこの学校は。










 校長の早すぎる話が終わり、カグヤたちはそれぞれ新入生用の教室へと集まった。


 校舎は大きく、一般的な小学校と中学校を足して2で割った感じである。


 うん、でもその真横に物凄く古めかしい旧校舎があるのが気になるけどね。


「旧校舎っていうけど、何で残っているんだろうか・・・」


 めちゃボロボロで、真夜中に見たら何かでそうだな。


『あー、どうやら本格的にいわくつきみたいですね。本物の幽霊とかが出るそうですよ』

「聞きたくなかったよその情報!!」


 なんでこのタイミングで言うんだよアンナや。




 とりあえず聞かなかったことにして、教室へと入る。



 担任の教師が来る前に、決められた席に座るけど・・・・うん、一寸もうわかり切っていたことだけどね。



「すでに仲がいいグループが出来上がっているな」


 見渡せば女子や男子で集まって話していたり、笑いあったりしている人が多い。


 しかも、明らかにというか、カグヤを避けているような気がした。


『シグマ家に関わりたくないというのがあるんでしょうね』

「まあ、別にボッチでもいいけどな」


 前世からすでに慣れているし、そうそう絡んでくる奴もいないだろうから一番安心できそうな・・・



「おい!!カグヤってやつはどこだ!!」


 バァン!!と扉が勢い良く開けられ、見ればなんか怒っているかのような男子がそこに居ました。



・・・・・訂正、全く安心できねぇ。入学初日でまだクラスの挨拶もしないうちからいきなり喧嘩腰で呼ばれたぞ。



・・・校長、あっさり風味。

しかしまあ、主人公に安心できる日があるのだろうか?

すでに才能のせいで何か巻き込まれているような気がする。

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