プロローグ2
こっちが今作の主人公です!!
本日2話目!!
「・・・・・というわけでありまして、これで一旦本学の説明を終えます」
教壇にて、バレバレのカツラを抑えながら担任の教師の説明が終わった。
俺の名前は月夜輝也。現在、私立のとある高校にて入学説明と学校内の詳しい説明を受け終わったところである。自己紹介はすでに済ませているけど、まあ名前を覚える気はないからいいか。
この後は、各自自由に構内を見て回り、今日はそれで終わる予定だった。
担任が教室から出ていったあと、教室内では早速すでにグループが出来上がっているようでうらやましい事である。
別にひがんではいない。中学時代も孤立していたし、やっぱり高校でも孤立かな・・・・・うん、寂しくねぇからな。
そう考えていて、さっそく教室内からでて校内を見に行こうとか騒いでいるやつらがドアに手をかけた時であった。
(・・・ん?)
ふと気がつくと、教室の床全体に妙な模様が浮かび上がってきたのに俺は気がついた。
「なんだこれ・・・・?」
「おい!!なんかやばいぞ!!」
「うわっつ!?なにこれ!?」
「まさかライトノベルでのおなじみパターン!?」
異変に気がついた人が他にも出て、騒ぎかけていたその時であった。
突如として、その床の模様が強い光を放ち・・・・・・・・・意識を俺は失った。
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「・・・・・で、なんですか?この状況?」
「すまんのぅ、お主だけしかなんとかできんかったのじゃ」
そして現在、何処かはよくわからないけど、あたりが真っ白な空間で俺は「のじゃ」とか言っている幼女のような自称神様とかいうやつに対面していた。
一応気軽にしていいと言われたので、まあ緊張はせずに質問をする。
「実はのぅ、ちょっと面倒ごとをまたやらかされてな」
話を聞くと、あの床に出ていた模様・・・・アレはよくライトノベルとかであるような異世界への魔法陣とかいうやつらしい。
そして案の定、魔王とやらを倒すための勇者召喚とかいうモノをある世界が行い、それでクラスメイト全員がその世界に転送されたのだとか。
そして、俺だけがこうしてはぶられて、この神様に対面させられているのにはどうやらわけがあるらしい。
「あの勇者召喚は一方的なものでな、帰還方法はあの世界にないのじゃよ」
ずぞぞぞぞっと、何処からかアツアツのお茶を取り出し、こっちにも勧められたので飲みながら話を聞く。あ、このお茶甘露でおいしいな。甘いお茶菓子が欲しい。
「ふーん、ということは、あのクラスの人達はもう帰れないと」
「そういう事じゃ。まあ、他に大体予想できるようなことはあるじゃろうか?」
「予想・・・まあ、ありきたりな事ですかね」
予想できるとすれば、その勇者召喚をした国が、クラスメイト達に魔王を倒せば元の世界に返してくれるとかいうような嘘をつく。
そして、ノリノリで魔王を倒しに行こうとする者や、チートなんかもあるだろうからそれで無双しようとする者が出たり、逆に悪事に利用するようなバカも出る事だろう。
「そんでもって、肝心の魔王を討伐できたとしても、勇者とか言うのは面倒だと思って密かに国が暗殺を仕掛けたり、逆に戦争の道具に利用したり、中には国を乗っ取ろうと画策する奴が出るってことが考えられますね」
「・・・・まあ、その通りじゃな。お主も案外こういう転移モノのような話とか好きなんじゃな」
「もちろんです」
でも、そんなに目立ちたいとも思わないけどね。一方的に倒せと言われても、相手の情報とか不足しているし、本当に倒すべき相手なのかもわからない。
現代知識のようなものを利用しても、急激な変化に耐えられる人が居なさそうだ。
そして、大体強い力というのは英雄扱いにもなるし、邪魔者扱いになることだってある。
話を聞く分ならいいけど、実際にやれと言われると辞退したくはなるよな。憧れる気持ちはあるけど・・・リスクとかを考えるとどうしてもね。
「結構冷静じゃな。まあ、だからこそお主だけがあの転移から引っ張り出せたのじゃろ」
「転移から引っ張りだす・・・・つまり、あの転移から俺たち全員を助け出そうとしたのでしょうか?」
「その通りじゃ。ろくでもない結末は目に見えておるし、そういうことをやるとその世界そのものに負担がかかり、下手すりゃ滅亡するのじゃよ。過去にも同様の事があり、滅亡の神託をその世界にいた適当な者たちに出したのじゃが・・・・まあ、実際に信じてくれたものは一人だけで、その者に予想以上の才能があって‥‥‥いや、もうわかっていたことなのじゃが、滅亡寸前にその世界から飛び出したのじゃよ。それ以外は全滅じゃ」
過去にも同様の事例が何件もあって、それで助け出そうとしてもなかなかうまくいかず、今回は俺だけうまいこと助けられたのだとか。
その事例自体をつぶしたいけど、神は基本的に世界には不干渉ということで、やめさせることもできないようで、今まで結構苦渋の思いをしてきたらしい。
「・・・俺はこの先どうなるんですかね」
転移から取り出してくれたのはいいけど、元の世界に帰れるという話でもなさそうだ。
だって、そう言う帰還の事が解決するのであれば、最初からこの場に俺が呼ばれることはなかっただろう。
「お、勘が良いのぅ。お主も転移に巻き込まれたようなものじゃし、せっかくあの国からの思惑から逃したのじゃけど・・・・実はのぅ、帰還させることもできんのじゃ」
質問すると、険しい顔をして神様は説明してくれた。
世界というのはややこしく、同じ世界に返そうにも並行世界とかもあるわけで、正確にこの俺がいた世界に返すのは難しいのだとか。
しかも・・・・・元の世界に帰って最も厄介なことが起こるとすれば予想はつく。
「高校で、入学してすぐにクラスメイトが大量失踪。そこで一人だけ残っていたら当たり前だけど疑われたり、面倒ごとが待ち受けているとしか思えんな」
失踪事件の犯人ではないかと疑われたり、異世界とか話しても信じてくれない人が多いだろうし、信じてくれたら信じてくれたでどう考えてもろくでもないことになるのはわかり切っている。
「うむ、じゃがその境遇も儂にとっては不憫でな、今回初めてお主を助け出せたのじゃが・・・・この際、いっそ転生してみるのはどうじゃ?」
「転生ですか?」
「記憶も何もかもいったんリセットし、最初から人生をやり直すという事じゃ。まあ、赤子時代に記憶がある状態じゃと確実につらいだろうしのぅ」
「ああ・・・なるほど」
ちょっと目をそらした神様に、大体の予想を俺はできた。
授乳されたり、おしめかえられたり・・・・うん、記憶がある状態で赤ちゃんを過ごすのはすっごい辛いだろうな。
「でもそれじゃとお主に特に何もうまみもないし、今ある記憶を・・・・だいたい4~5歳児ごろに思い出すようにセットすることが可能じゃ。そんでもって」
「チート能力みたいなものもつけると?でもそれって確実に面倒ごとを生みますよね?」
というか、それだと異世界転移での先のと全く変わらないじゃん。この神様にとっても不利益な結果を俺が生まない保証はないしね。あ、お茶のみ干しました。ありがとうございます。
「そこでじゃ!お主の面倒ごとを回避するためにも、儂にとっての不利益を起こさせぬためにも、こちらからサポートする者を記憶を思い出した頃合いに送りつけることにする!!」
びしっと指を突きつける神様。
「サポート?」
「まあ、ガイドブックというか、案内係というか、神の使徒のような物じゃな。その者はこちらで判断し、何かしらの形でお主の下に送り届ける。そして、その者に相談したりして何とか無難に生活すればいいのじゃ。たまーにこっちのお願いも聞いてくれれば、後は勝手にするがよい」
つまり、お目付け役とか相談役のような者をよこすという事なのだろう。
悪い話でもなさそうだし、別に良いかな。
「‥‥‥それじゃあ、転生をお願いします。きちんと4~5歳ごろで記憶を戻すように、それまでは何も知らない状態にしてくださいよ?」
「うむ、神は約束を守ろう!!あ、チートはこっちで適当にいくつか決めてみるからのぅ」
ん?「いくつか」って・・・・複数あるのか?
ちょっと疑問を残しつつも、質問が面倒になったので俺はおとなしく転生をさせられることになるのであった。
「あ、ついでだし転生先の種族で、ちょこっと手を加えさせてもらうぞ。見た目以上に筋力が付いたり、脚力も高くしたりなどじゃな」
「その時点ですでにチートですよね!?」
ちょっとづつ設定を盛り込んでいけたらなと思います。