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#141

モフモフが欲しい今日この頃。

この作品が終わったら、次はモフモフしたものでも書こうかな…‥‥

SIDEカグヤ



 ブルータス商会を相手に、色々と仕掛けまくって半3ヶ月後…‥‥カグヤはフローリアからの報告を受け、その悲惨な状態を聞き苦笑した。


 

「利益が出るどころか赤字確定の取引の持ち込み、有能な人材と無能な人材の交換、時期をずらしての大損確定の流行遅れとなる商品の買い取りや売込み、癒着していた貴族との関係を悪化させたりもろとも自爆させることができるようにする契約書類の作成…‥‥え?これ全部見事にやっちゃったの?」

【‥‥‥責任者であるアーケイチがすべてを執り行う独裁的な方法で商売を行っていたようですので、その商才の無能さにつけこんだのですが…‥‥想定以上に馬鹿でして、むしろどうすればもっと面白おかしくなるのか検討したくなりましたよ】


 その報告を受けて、仕掛けた側とはいえカグヤは苦笑し、フローリアもまた苦笑し、あきれ果てるほどの無能さをさらけ出したアーケイチは現在、結構やばい状態にまで追い詰められたようである。


 具体的には、闇金と呼ばれるようなところに手を出す一歩手前という事だろうか。


 いや、カグヤたちの工作等がなくとも、勝手に自滅する未来があったので、それが早まっただけであろうか。


 しかし、ここまで見事すぎると‥‥‥このアーケイチとかいうやつ、道化やお笑い芸人の道とかに進めばそれなりに成功したのではないだろうか?ある意味もったいないであろう。




「才能がなくとも、努力でカバーできたりするんだけど‥‥‥努力もせずに、いかに楽して儲けるかしか考えていないやつの末路だな」

【こちらの働きかけがなくとも、計算上年内には潰れる可能性が大きかったのですが、死期が早まったようです。ブルータス商会内でも、まだ性根が腐っておらずまともな方々もいましたので、それとなく誘導して離脱させたり、敏い方や時期を見るのがうまい者たちはきちんと逃げおおせたようですね。ただ、アーケイチ及び腰ぎんちゃく的な憑いていけばどうにかなるだろうと思っている方々や、甘い汁をすすることしか考えていなかった方々、その他あくどいことをしていた者たちは全部逃げ遅れた模様で‥‥‥】



 ようは、救いようのない奴らのみが取り残され、まだ将来性があったりする者たちはきちんと逃げきれたのである。

 将来性のある者たちの中には、別の商会への推薦や起業しやすいように少しだけ手助けを入れているので、まぁ、大丈夫かな。



「で、ここまで追い詰められてきたら、とんでもない行動に移すほどの短絡的な思考も持ってくるだろうなぁ」

「これ本当に救いようがないですわね…‥‥まぁ、全部お父様に報告済みでしょうカグヤ?」

「ばっちり報告済みだよミルル」


 報告書を読んでいたカグヤに、ミルルがいつの間にかやってきて、覗き見して言った言葉に、カグヤは返答した。



‥‥‥一応、なにか大きなことをしでかす際にはきちんとダースヘッド国王に報告するようにしているカグヤであった。


 自身が国王の胃の負担になっていたことを、最近少しだけ自覚してきたからである。本当に少しだけであるが‥‥‥(ミジンコサイズぐらい)。





【ま、金の流れを調べたらまた怪しいところを見つけたので、そろそろ最終的な大馬鹿をやらかす気でしょう。国を裏切ってみたいなことをやるようですし、もうあと一手でつぶせますよ】

「国を裏切ってて…‥ああ、そう言えば貴族とかのつながりも断ち切ってきたはずだけど、まだ少し残っているんだけ?そこから国の情報とかを、どこかの国に渡す代わりに逃亡するのかな?」

「自分がそのどこかの国の王であるならば、そんな問題児からとれるだけとって、利用しつくしてポイしますけどね。寄生虫のような者たちならいらないですし」

「その例えはひどいけど、その事を分かっていないから、やっぱり馬鹿を超えた馬鹿なんだろうな」


 ジョハンヌが出した例えに、笑いながら皆でブルータス商会及びアーケイチに対して、最終的なとどめを刺す用意を始めるのであった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEベスタ



「どわぁぁぁぁぁぁぁ!?流石にこれ無理無理無理無理!!」

「がんばれ!!」

「あきらめるなよぉぉぉぉぉ!!」



‥‥‥カグヤたちが会話していたその頃、ベスタとその他諜報部隊で今月のテストを受けていた一同は、とある山奥にて悲鳴を上げつつ、根性で乗り越えようと必死になっていた。



 諜報部隊は基本的に普段使用人となって屋敷にいたり、諜報のためにどこか別の地方に商人や護衛、別の貴族家の使用人や兵士になってすごしていたりする。


 そして、たまに抜き打ちテストが最低ひと月に1度あるのだが、今回のテスト内容は無茶ぶりにもほどがあると全員思えるものであった。



 なぜならそのテストは…‥‥



「長ー!!そっちに二人、あっちに三人隠れたはずだヨ!」



 サラがそう叫ぶと、飛ばずに歩いて探す火炎龍(ファイヤードラゴン)の長や、その他のドラゴンたちがその言葉を聞いて、ベスタたちの方へ向かう。



「いくら何でもこれは逃げきれそうにねぇぇ!」


‥‥‥今月のテスト内容は「火炎龍(ファイヤードラゴン)達とのかくれんぼ&鬼ごっこ」であった。


 ドラゴンを相手にすること自体、無茶苦茶なことである。



 なお、火炎龍(ファイヤードラゴン)たちはカグヤの配下のようなものになっているが、普段は野生の状態でいて、たまにこうやって頼みごとをされて動くのであり、基本的にほぼ自由であった。


 だがしかし、時たまこういう遊びのようなものも面白そうなので、今回はこの内容を知って、サラ伝手に頼んで嬉々として参加しているのである。


 参加しないでほしかったと、今回のテストに従事している諜報部隊一同は心からそう思ったのであった。



 ちなみに、今回時間切れで根性で皆逃げ切ってテストは合格したのである。‥‥‥飛行なしでの、地上だけと言う条件はあったが、大量のドラゴンたちから逃げきれている時点で、自分たちも相当人間を止めていそうな状態にあることに、気が付く者はいるのだろうか?


余談だが、この後ベスタは諜報部隊の同僚の一人と恋に落ちたというけど、それはまた別のお話。

商会へのトドメとして、現在3通りほど考え中。いっそ全部のパターンでやってみようかな。

次回に続く!!


‥‥‥夏の暑さに、氷か風か水魔法が使えたらなぁと思うときがある。カグヤが調節を間違えれば大災害待ったなしだろうけどね。

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