#138
新章開始!!
と言うか、子供自負代から書き始めてようやく大人になってきたなぁと感慨深く思えてきた。
‥‥‥卒業式、爵位授与と終わり、それから約半年後ゼルビス地方にてカグヤは貴族の務めとして、領地経営を行っていた。
名前をカグヤ・フォン・ゼルビスと改めたが、シグマ家の分家的な扱いなのでシグマ家2と呼ばれていたりするらしい。解せぬ。
そして屋敷を立て、使用人たちも、そして婚約者であるミルルたちも一緒の生活である。
とはいえ、今はまだ慌しいことが多いので、結婚式をあげるのはもう半年後程としていた。
「とはいえ、中々難しいなぁ…‥やっぱり領地経営って結構大変なところが多いしね」
『でも、これでもだんだん発展してきていますよ。下水道整備や田畑の改善、街の街灯設置、交通網の整備など、他よりも取り組んでいますからね』
「その通りでございます。他の領地に比べて、長期的な見通しなどをしっかりとして計画性を臨機応変に対応できるように柔軟性も持たせて行っているため、徐々に豊かになっていっています」
【この地に我の加護をついでに授けたからね…‥‥水不足や、逆に水害もほぼ起きる確率が無くなっていますよ】
執務室で書類仕事をしながらしたカグヤのつぶやきに、アンナ、ジョハンヌ、フローリアが答える。
ミルルやリースは他の貴族の御婦人方から呼ばれるお茶会に参加したりして情報を収集したり、サラは自身の出身地でもあった火炎龍の群れのところで、引っ越しをしてこの地域の安全のために警備できないか長と交渉しているらしい。
ドラゴンがこの地に住み着き、襲わないように保証して、きちんと守ってくれるという安全性があれば、盗賊などが出にくくなるであろう。
その他にも、前世の知識を生かしての領地経営に役に立ちそうな事業を展開したりして、ぜりビス地方の発展ぶりは、他の者たちの目から見れば、目覚ましいものがあった。
‥‥‥当然といえばそうだが、他の貴族や国の諜報員が探りに来たりしているようだが、特に問題や重要な機密等を話さなければ、放っておいている。
うん、うちの諜報員たちの方がはるかに上手で、もうすでに誰がどこそこの者なのかまで詳細な情報が入っているんだよね。
ついでに、腕が良ければこちら側に好条件で勧誘して見たりと、シグマ家のやり方も取り入れて敵を味方に引き込んだりした。
こういう時に才能は役に立つので、忠誠を誓う人とかもきちんといるし、腕のいい諜報員を引き込めてむしろどんどん来いという状態であった。
取られる側にとってはたまらないもので、逆スパイな事をされる可能性を知って、早めに引き上げさせたりして減ったが…‥‥うん、全部こちらの諜報員たちでお見通しである。
その副産物として、たまに他の貴族の不正の情報が入ったりもしたが、そこは暗黙のルールで黙秘。
迂闊に関わって問題を起こして、もめごととなるのは避けたいし、見逃せないようなレベルであればこっそりと情報操作を起こして密かに摘発されるようにしているのである。
裏から手を引き、馬鹿は自滅させ、有能なものはきちんと残し、援助をしたりして関係を深めておく。
しっかり、カグヤの才能は出ていたのであった。
そんなある日、手紙が一通カグヤの下へ届いてきた。
「差出人は…‥ベスタ?」
その手紙が、新たな面倒ごとの種になるとは、この時カグヤは思いもしなかったのであった‥‥‥
忘れかけコホン、友からの手紙を受け取ったカグヤ。
その手紙から、またカグヤの才能せいか新たな面倒ごとに巻き込まれることになる。
他にも巻き込むのだが‥‥‥
次回に続く!!
なお、カグヤとミルルたちはまだ清い交際状態です。既成事実を作ってより安心しようとサラが企んでいたけど、やはり前世の感覚はまだ残っているので、きちんと挙式をあげるまでは続けるようです。




