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#137

卒業式って難しい…‥‥

SIDEカグヤ


…‥‥デストロイ帝国の騒ぎも収まり、春の訪れを感じさせる本日、ついにこの学校ネフィトリアンの卒業式が行われることになった。



 卒業式とは言っても、単純に卒業証明書を授与するだけのものだが、今年はそれに便乗してついでにダースヘッド国王が自ら出席し、カグヤに爵位を授与するそうである。



 カグヤとしてはそこまで目立つつもりはなかったが、既に半ばあきらめの悟りに達していた。


 ある意味、シグマ家で胃を痛めていたダースヘッド国王の小さい意趣返しのようなものであろう。


‥‥‥こっそりその意図を理解したシグマ家が、卒業式後に国王の処理する仕事をさらにこっそり増加させるという意趣返し返しを企んでいたのは言うまでもない。




 なお、そこまでものになるということなので、例年であれば運動場に皆を集めて卒業式を執り行っていたのだが、今回は王城の大広間での卒業式典として行われるようである。


 いわば、卒業記念パーティであった。




「で、正装をより場にあったものにしたほうがいいとかいう話はあったけど‥‥‥」

『あの人本当にこういうのは仕事速いですね』


 更衣室にて、数日前に自室に送られてきた正装用の衣服を見て、カグヤのつぶやきにアンナは同意した。


 

 この正装、ゼルビス地方にいるはずのカグヤの配下であるジョハンヌが送って来たものである。


 しかも、しっかりとアンナやミルル、リースにサラと言った面々にまでぴったりと合ったものを用意しており、試着してみれば物凄くぴったり合っていた。


‥‥‥恐るべしジョハンヌ。一体いつ皆のスリーサイズとか、デザインの決定などをしたのであろうか。




『と言うか、そもそもあの人ゼルビス地方から動いていませんよね?』

「となると、あいつが動かしたとすれば…‥‥諜報部隊?シグマ家からやってきて、現在フローリアが管轄下に置いているやつらかな?」


 

‥‥‥また服屋で測ってもらう時とかに、病院送りを出したくないからなぁ。



 ふとそう考えながらアンナを横目で見て、少し楽できたかなと思うカグヤであった。



――――――――――――――――――――

SIDEジョハンヌ


 ちょうどその頃、ジョハンヌは正座して、フローリアからの怒りを受けていた。


【‥‥‥いいですかジョハンヌさん。貴方の有能さはわかっているつもりです】

「はい…‥」

【でも、我の管轄下の諜報部隊を動かす時には、まず我の方にキチンと連絡してからにしてくださいね?あの方たちのスリーサイズ等を知る際には、約2名と言うべきか、もっともなのは1名いや1体とでもいうべき方に関してはきちんとある程度の耐性がある人じゃないとだめなんですよ】

「まだ日も浅かったが、そのことに関して本当に反省している…‥‥」


 ぷんぷんと怒る精霊フローリアに対して、物凄い申し訳ない顔になっているジョハンヌ。


 良かれと思ってやったことなのだが、有能な彼でもまだカグヤたちとは関係的に日が浅い。


 その為に、諜報部隊にわずかながらも犠牲が出たのである…‥‥主に男性に、ある人のスリーサイズ調査を担当したやつで。



 その事に関して、管轄していたフローリアはそれから3時間ほどは、ジョハンヌに説教したのであった。


「‥‥‥ある意味新鮮な経験だ。この私がここまで説教されたのは」


 微妙なところで配慮が足りず、まだまだ自分は経験不足だったとジョハンヌは心に刻むのであった。



―――――――――――――――――――――――――――

SIDEカグヤ




…‥‥そして、卒業式の時間となった。


 王城の今回の会場となった大広間には大勢の卒業生たちが集まり、立食会場のような状態となっていた。



 もう少し後に卒表証書授与があり、その後にカグヤの爵位の授与もあるのだ。


 その事もあってか、会場には卒業生やその担当していた講師たちだけではなく、他の貴族たちも集まっているようである。



 中には変わった集団もいるようで‥‥‥


「なぁアンナ、あれって見分け付くかな?」

『‥‥‥無理ですね。なんですかねあの分身したかのような謎の集団は』


 全員同じ顔、同じ体、同じ服装の集団が集まっていたのを見て、カグヤたちは少し驚いた。



 どうやら、校長の補佐兼お目付け役のセバスクン一族も来ているようである。


 その理由としては、あれも一応実は貴族の一員だったそうで、今回の卒業式に便乗して、校長の補佐役をセバスクンがおりて、別のセバス一族の誰かがなるそうで、其のために校長に選んでもらうために来ているのだとか。



「ぶっちゃけあの一族がシグマ家の次ぐらいに謎ですわね‥‥‥」

「ああ、あそこまでそっくりすぎるとなんか不気味だな」

「放っておいたほうが良いんじゃないか?」



 リースの言葉ももっともなので、放っておくことにしたけど…‥‥存在感あり過ぎるだろうと、この場にいたセバス一族を除く全員が思ったのは言うまでもない。





…‥‥その後、卒業式は無事に終えられた。


 爵位の授与の場では皆からの拍手もあり、平穏無事だったといえよう。





 ただ、その中でよからぬことを考えていた王国の貴族もいたそうだが、その者たちが卒業式の場に出ることはなかった。


 その背景には、爵位をもらい独り立ちする息子の姿に、陰ながら号泣していた2人の人物がいたとされる…‥‥

ついにカグヤたちが卒業。

学校を去り、次につくのはゼルビス地方。

爵位をもらい、領地の経営に関わることになるのだが‥‥‥その前に一つ大きなイベントがあるのでは?

次回に続く!!


‥‥‥さてと、次回は閑話orサイドストーリーかな。にしても、国王気が付いていないのかな?

カグヤが爵位授与⇒ゼルビス家と改める⇒でも一応シグマ家の分家のようなもの⇒シグマ家&ゼルビス家の厄介な2家ができた⇒胃への負担増加☆


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