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#131

小説を投稿する際に、本当に難しいのはこの前書き部分ではないだろうかと最近思い始めた。

前回のあらすじとかのせておいたほうが良いのかもしれない。


「ぐぬぅ…‥‥」

「どうしたんですのリース?」


 夕暮頃、寮の風呂に入った後、脱衣所でうなるリースに、ミルルが声をかけた。


「いや、最近なんか妙に視線を感じていてさ、今着替えている最中でも視線を感じたような気がして……」

「覗きかストーカーの可能性がありますわね」


 不安そうな顔で言うリースに、ミルルはその話を聞いて考えこむ。




【ご心配なく、先ほどその方たちはどうにかされましたよ】

「「フローリア?」」


 背後から声が聞こえ、二人が振り返るとそこには精霊フローリアが穏やかな顔で立っていた。




 カグヤが分家のような扱いになるため、そのシグマ家の方から諜報部隊がいくつかよこされる話はあったのだが、どうも予定以上に早く来てしまった者たちがいたらしい。


 諜報部隊の管轄は、精霊であるフローリアが率先して率いてくれるそうなので、せっかくだからそのテストとして軽い訓練を実施していた最中に……



【そこで偶然にも、お二人の着替えを覗き見していた黒づくめのいかにも他国の諜報員もしくはただの変態のような不審者たちがいましたので、捕縛いたしました。記録等も押収し、しかるべきところに引き渡しています】

「うわぁ……やっぱりそんなやつらがいたのか」

「フローリアさん、ありがとうですわ」


 顔を引きつらせながらも、二人はフローリアに対してお礼を言った。


 彼女のおかげで、不審人物を捕縛できたからである。


 

【それはそうと、ついでに伝言を言っておきますね】

「伝言?」


 ふと思い出したかのように言ったフローリアにリースは疑問の声を出した。


【ええ、カグヤにも先ほど伝えておきましたが、リースさんの方にも関係があるというか、その親戚筋の方でちょっとしたごたごたが起きているようでして…‥‥そのことに関して詳しい話をするために、明日はちょうど休日ですので、王城へ来るようにとの事です】


 その伝言を伝えた後、諜報部隊の方でまだ仕事があるのかフローリアは姿を消した。




「何かあったのでしょうか?」

「親戚筋と言うと…‥‥デストロイ帝国かな?」


 リースの親戚といえば、デストロイ帝国の皇族である。


 現皇帝の処刑された弟の忘れ形見、それがリースであった。


 その親戚筋でのごたごたと聞き、二人は嫌な予感を感じたのであった…‥‥




「ふぁ、くちゅん!!……そう言えばまだ裸だった……湯冷めしたし、もう一度は言ったほうが良いかな」


 と、リースは寒気でくしゃみをしたが、その瞬間にミルルは見てしまった。

 

 己以上に立派なものをリースは持っており、今のくしゃみでそれが大きく揺れたことに……


「…‥どうやったらそこまで大きくなるんでしょうかね」

「ん?」


 はぁっと溜息を吐くミルルに、リースは首をかしげたのであった。











 翌日、カグヤとアンナ、ミルル、リース、サラは王城へと向かった。


 王城に呼ばれているので向かうのだが、その話しがどうも帝国がらみの様な事らしいのである。


 王城から迎えに来た馬車に乗車し、アンナをカグヤは一旦己の中に入れた。


……何しろアンナは乗り物酔いしやすい。なので、カグヤの中にいる間はほぼ眠る状態にするようである。



「デストロイ帝国とはここ最近良好な関係だとは思っていたけど……何かあったのだろうか?」


 王城へ向かう馬車の中で、カグヤは首をひねった。


 ここ最近の情勢から言って、帝国がこのバーステッド王国に戦争を仕掛けるとか、そう言った物騒な話しが起きそうにないのは理解していた。


 なので、戦争とかではない可能性の方が多き都は思っているのだが、どうも厄介ごとのような気しか思えないのである。


 と言うか、「巻き込まれの才能」によって何かに巻き込まれたのではないだろうかと、この才能でさんざんな目にあって来たカグヤはそう予測できた。



「まぁ、話を聞けば多分わかりますわね。それでもいくつかの予測は立てられますけど……」

「別の国への戦争介入、皇帝の崩御、革命もしくは反乱、災害など様々な可能性があるからなぁ」

「こういうのはどっしりと構えていたほうが楽ですヨ」


 思い思いの考えを述べあいながらも、馬車は王城に着いた。






 王城内に入り、謁見室へとカグヤたちは入出した。


 

「良く来たなカグヤ殿と娘、婚約者たちよ」


 謁見室にて、国王ダースヘッドが自ら出迎えてくれたのだが、その顔は何処か難しいような、厄介ごとになったと顔に書いてあるような表情であった。


「国王陛下、何かあったのでしょうか?」


 一応ミルルを婚約者にしているので|お義父さんと言いたくなるところだが、今の状況で流石にふざけて言える状況ではなく、真面目な話だとカグヤは雰囲気から察した。


「ああ、胃痛の種が減るかと思えば増えたようなものなのだが……其の話をする前にある人物がこの場に出る」

「?」



 胃のあたりを抑える国王は、手で何か合図をした。


「友よ、出てきてくれないか?」

「…‥ああ、姿を見せよう」


 その声が聞こえたとき、カグヤは気が付いた。


 聞き覚えがある声であり、ミルルもリースも聞いたことがある声。



「久しぶりだな、会談の時以来であろう」

「か、カイザリア皇帝!?」


 

 その場に姿を現したのは…………デストロイ帝国の皇帝カイザリアであった。




 その姿を見て、カグヤたちはぎょっと驚きで目を見開く。


 ここはバーステッド王国であり、カイザリアの治める帝国ではない。


 と言うか、皇帝本人が国を訪問したのであれば、何かしらの知らせが来そうなものだが、その知らせ等は一切なかった。


 となれば、彼がこの場にいる原因は…‥‥


「ふっ、すまないな。今はもう私は皇帝ではないのだ」

「…‥‥隠居しているのでしょうか?」

「いや違う。奪われたとでもいうべきか…‥‥それも、私の息子によって強引な国の乗っ取りをされてな」


 その苦笑しながら言ったカイザリアの言葉に、カグヤたちは唖然としたのであった…‥‥

皇帝、いや元皇帝カイザリアからの言葉に唖然とするカグヤたち。

一体、デストロイ帝国では今何が起きているのだろうか?

そして、巻き込まれの才能がフル活動したようであった。

次回に続く!!


『裏次回予告』

……ダースヘッド国王の胃痛の原因追加!!

せっかく減ったと思ったのに、より一層深刻な問題が新たに出てきてしまったのである!!

果たして、彼の胃はこの先どうなってしまうのだろうか!?

どれだけ持つのか、その行方は次回に続く!!(すいません、これふざけてますよね)

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