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#116

ようやく更新!!

お待たせいたしました!!

毎日投稿ではないとはいえ、なんか習慣づいているんです!!

「観光楽しかったなぁ」

「ええ、そうですわよね。黄金の花畑も見事でしたし」

「それを利用したハーブティーや饅頭とかもおいしかったね」

「湖も見事だっタ」

『ボートを漕ぐのも良かったですよねぇ。ただまぁ、途中でひっくり返りそうになりましたけど』


 和気あいあいと、カグヤたちは今日の観光の感想を話し合いながら宿泊している部屋に戻ってきていた。


 今日はティラーン湖の全体を見て回り、観光スポット巡りしたのだが、皆満足していたのである。




 そして、数日前と異なることもあり……


「にしても、なんかものすっごい他の観光客から怨嗟の目線が飛んでいたような気がするんだが……」

『そりゃ私たちがカグヤ様の周りを囲んで楽しく笑顔で満喫していたからですよ。相手がいようが一人だけの男性たちから見ればうらやましいのでしょうし、カップルが訪れる観光地とはいえ、独り身の方も来るでしょうから、私たちを見た途端、呪いをかけてきましたよ。魔法でこっそり反射して頭部を悲しいことにするように細工して反射いたしましたが……』


 さりげなくひどいような事をしているけど、自業自得だと思いたい。


 


 昨夜の告白から落ち着いて皆を受け入れた結果……普段は意識をしていなかったが、改めて互いに意識をするようになったせいか、甘い空間がカグヤの周囲に形成されていたようである。


 その光景を見た人たちから怨嗟や嫉妬の目線をカグヤは向けられたような気もするが、とにもかくにも今日は平穏無事に宿泊している部屋へと戻ってくることはできた。



……なお、その光景は見る人が見れば適度な距離にありつつ、それでいてどこか甘く感じさせるようなものであり。この日各宿屋にてヤケ酒のせいか、アルコールの消費が増えたのは言うまでもない。






 部屋の中で、ベッドを合体させて、またカグヤの周囲にアンナ、ミルル、リース、サラたちは寝る気満々のようで、皆既に寝間着に着替えていた。


 まぁ、まだ肉体的関係を持つつもりもなく、清い交際という事である程度の線引きと自重は保っていたが……この中で一番警戒すべきなのはサラなのではなかろうか。


 隙あらば狙ってきそうな肉食獣の目をしている。元々愛人としてと言う目的があったし、一番抵抗のない危険人物であろう。抵抗がないのに危険人物とはこれいかに。



 とはいえ、すぐに寝るのではなく皆しばらく眠気が来るまで部屋で話すことにした。


 内容としては、この先どうしていくのかという事である。


 何しろサラやアンナは良いとはいえ、リースは帝国との血筋、ミルルは王国の王族の一員でもあり、身分差などが問題視される可能性があるからだ。




「受け入れるのは良いけど、やっぱり周囲からの反発や妨害が気になるかな。俺は一応、シグマ家の一員とはいえ、三男であり、将来的に当主を継ぐことなく、適当に領地の一部をもらって男爵扱いのような分家として独立することになるだろうしなぁ……」

「わたくしが王族から抜けて、嫁ぐという事でならいいのでしょうけど……それでもやはり、馬鹿な方は馬鹿をやらかしてくると思われますわね」

「それは同意できるな。僕、こほん私の方でも処刑された者の子とはいえ、帝国の皇帝の血筋があるのだし、狙ってくる輩がいるかもしれない。それに、皇帝は良いとしても、その子……いとこたちとも言えるような皇子や皇女のほうで帝位継承権争いをしているらしい。もしかすると、現皇帝の処刑された弟の子供という事を知って、利用しようと企む輩が出るかもしれないしな」



 身分差を考えるのだが、これと言った対応策が思いつかず、うーんと首をひねるカグヤ、ミルル、リース。



 アンナはカグヤの魂魄獣であるから元から問題はないし、サラは火炎龍(ファイヤードラゴン)タイの方から愛人としても従者としても好きにするようにと言われてきた存在だ。


 二人は良いのだが……本当に、この問題が根深いのである。



「聞く話によると、この今宿泊している古城でかつてあったという国の崩壊の引き金となった婚約破棄……それも、一部ではどうやら身分さによるものなどがあったという事が説にあるようだしね」

「本当に、何で貴族や王族と言っためんどくさいような身分があるのでしょうかね」

「人を導く存在はあるのだろうけど、率いる立場を忘れて、貴族としてあるまじき例としては肥え太った豚のようになるようなのがあるだろう」


 そう言う厄介な者たちは内部告発や、トラブルをきっかけとして蟄居や不慮の事故などと言うことで処分されていたりするのだが、それでもどうしてもそういう者はまた出てしまう。


 アリの巣の中に、どれだけ数が減ろうとも決まった割合で怠けもののアリがいるのと同じようなモノであろう。




「いっその事、とんでもないような後ろ盾が付けば楽そうなんだけどなぁ」


【‥‥‥そう、では我が付きましょうか?】


「そうそう、ついてくれるならそれはそれで……ん?」



 ふと、聞こえてきた声にカグヤは返答しようとして……気が付く。


 今のは誰の声だろうかと。



『……っ!?まさか!』


 ふと、アンナが何かに気が付いたかのように叫んだその時であった。



 突如として、室内の景色が一転し、なにやら薄い水色のような空間になった。


「『「「「な!?」」」』」


 その変化に、一同は驚き警戒する。



【フフフフフフ、そんなに警戒しなくても良いのですよ。ここは我が特別に作り出した空間ですからね】


 その声が響き渡ったかと思うと、その声の主らしきものがカグヤたちの前に姿を現す。


 全身がやや向こうが見えそうなほど透けており、水色一色とでもいうべきか、つかみどころのないような存在。


 綺麗だと言えるような顔に、足元まで届くほど長すぎる翡翠色の髪を持ち、宙に浮かんでいる女性。


 人ではないのはその外見や纏う雰囲気から明らかであり、かといって化け物とかモンスターともまた違う。いや、どちらかと言えば…‥‥神に近いような、そんな印象を持っている。


【後ろ盾が欲しいのであれば、この我が後ろ盾になってあげましょうか?】

「な、何者だ!!」


 妖艶な笑みを浮かべたその女性に対して、カグヤは叫ぶ。


【我?我が名は「フローリア」。かつてこの城があった国を守護し、そして滅ぼした精霊です】


 そうにこやかに、フローリアと名乗る精霊は言ったのであった……

フローリアと名乗る、かつて存在した国を守護し、そして滅ぼしたという精霊。

何故そんな彼女がカグヤたちの前に現れたのか。

そしてなぜ後ろ盾になってあげようかと彼女は言ったのか。

次回に続く!!


「おまけ話」


【ようやく出番がきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】

出番が遂に来たので歓喜に喜ぶH(仮名)さん。

実は、彼女はこの物語の作成初期段階ですでに出る予定があったのだが、ズルズルと先延ばしになって、ようやくこの章で出始めたかと思いきや、なかなか出るタイミングが無かったのである。

ようやく出れた彼女は、少しだけテンションが高い状態でカグヤたちの前に現れるのであった。

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