表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/173

#115

一応、活動報告にも載せてはいますが、明日から数日間ほど投稿できない都合があります。

その事をご了承ください。

……もともと不定期投稿だけど、なんでか毎日投稿しているのでお知らせいたしておきました。

……一晩が明け、カグヤが目を開けるとベッドの上であった。


 周りを見渡すと、円のようにカグヤを中心として、皆が集まって寝ていた。


 

 昨晩の皆からの告白は夢だったのかとカグヤは一瞬思ったが、夢ではない証明がすぐに提示された。



「……手紙?」


 いつのまにか机の上に手紙が置かれており、差出人は……シグマ家、カグヤの母親であるテリアスからであった。


 そして、中身を見てみれば……


――――――――――――――――――――――――――――――

『皆の告白の話は、すでに諜報の方々から聞いていますよ』

――――――――――――――――――――――――――――――


「!?」


 序文がいきなりそれであったことから、夢ではないと理解する。


 と言うか、あの場のどこにシグマ家の諜報が混じっていたのだろうか?今さらながらにしてシグマ家の情報網にカグヤは戦慄を覚えた。


 どこかで聞いた話だと、世界の端から端まで……シグマ家こそ実は世界の裏ボスなのでは?絶対に母上が究極のラスボスだよね。




 だがここでふと気が付く。


 シグマ家のある屋敷とこの古城は相当な距離があり、流石に一晩で到達しそうな距離ではない。


 ならばどうやって……いや、深く考えるのはやめておこう。


 考えようとしたが、すぐにカグヤはあきらめた……シグマ家(常識外)には意味がないだろうと。




 せっかくなので手紙の続きをカグヤは読むことにした。


―――――――――――――――――――――――――――――

『さてと、真夜中に月明りの下カグヤ、あなたが皆に告白されたのはいいことね。好意を持っている方たちの想い、ようやく理解できたかしらね?と、一応言っておくならば、この話はすでに国王陛下(最近天元突破してつるつるになってきています)の方に先に伝えておきました。


 娘の一人である第5王女が、私の愛しの息子に告白したってね。アンナやサラちゃんは身元的にも大丈夫なのだけれども、ミルル第5王女や、帝国の皇帝の親戚筋でもあるリースちゃんはそううまいこと事を進めるのは難しいの。


 あなたの今の立場は学生であり、そしてシグマ家の3男。後を継げる位置ではないところを、位に拘ったり血筋がどうこうとか叫ぶうるさい大馬鹿者達から責められる可能性があるのよね。


 最終手段としては武力で黙らせるのが早いわよ。もしくはからめ手や相手の弱みをがっつり握るのが効果的よ。夫との結婚際に、まぁいろいろとやらかしてきた方々がいたけど……綺麗につぶしたのよね。



 とにもかくにも、今はどうかわからないけど、恋仲になったとたんに必ず何かしらをやらしてくる輩が出るだろうから、それに対しては、出来るだけ自力で対処なさい。


 本当に、貴方が好きだと思えるのなら……全力で守り、そして添い遂げるのがシグマ家の生まれとしての、いえ、伴侶を持つ殿方の義務よ。


あなたの事を色々調べていつも見ている母より……追申、お土産ならティラーン湖近くで販売しているはずの黄金華まんじゅうがおすすめよ』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



……手紙を読み終えた後、カグヤはまだ寝ている彼女達を見渡した。


 昨晩の告白、カグヤとしてはOKである。


 と言うか、いきなりの連続で興奮と言うか動揺しすぎて気絶してしまったのは情けないように思えた。


 そして、手紙にあった内容を思い返し、きちんと心に決意する。


 本当に大事なのであれば、きちんと守り、そして皆に認めてもらえるようになってやろうと。










 皆が目を覚ました後、カグヤはきちんと皆に返事をして、互いに受け入れることを了承した。


 その事を伝えると、皆嬉しそうな顔をしつつ、そしてそのあとに起こるであろう面倒事を考えるとめんどくさそうな顔になった。


「絶対にいるからなぁ、そういう輩は」

「そうですわよね。王族に入りたいとか、そんな目当てで近寄ってくる輩もいますものね」

「本人ではない物を見る…‥‥それが一番いやだな」


 ミルルとリースにその事を話すと、二人とも理解出来ているようで納得するようにうなずく。


「……そういえば、カグヤ様気になっていましたが、雰囲気変わってませんカ?」

「え?」


 っと、其の時ふと気が付いたかのようにサラが尋ねた。


 その指摘を受けて、カグヤは気が付く。


 そう言えば、なんというか……体の調子が違うなと。


 とはいっても、体調が悪くなるような類ではなく、湧き出るというか、力があふれるような感覚がするのだ。




『……カグヤ様、才能がいくつか目覚めていますよ』


 念のために、アンナがカグヤを診察し、そう告げた。


「才能が?」

「このタイミングでですの?」


 ……この世の中、才能が目覚めるのは魂魄獣が与えられたときが一般的である。


 だが、中にはそれでも目覚めていなかった才能が、ある日何かがきっかけで目覚めることがあるのだ。



 そうなるのはほぼ稀な確率だが……とにもかくにも、どうやら新たな才能がカグヤに目覚め、そして発揮しているのだという。


 説明のために、アンナが本の姿になって才能の詳細を表示した。


―――――――――――――――――――――――――――――

『潜王の才能』

ありとあらゆる物事の裏に潜み、操ることができる才能。王の才能の一つではあるのだが、歴史上の裏に潜み、働きかけは自然とありとあらゆることに影響を与えるという。常時発動であり、王たる素質を持つことを示す才能でもある。


『惹きよせる才能』

その才能を持つ本人に忠誠を誓う事が出来る人や、絶対的な味方などを惹きつけることができる才能。人外問わずありとあらゆる存在に影響を及ぼす。


―――――――――――――――――――――――――――――――


「……なんか新たにとんでもないものが目覚めたのがよくわかるよ」

『これで納得がいったこともありますけどね』


 才能を見て、全員がその内容に驚く中、アンナは密かに納得をしていた。


 彼女がカグヤの才能を目覚めさせ、その内容を見たときにふと足りないように思えたのだ。


 神から与えられた才能ではあるのだが、どうもその数が聞いていた話よりも少ないように見えたのである。



 その少なかった……無かった才能が、このタイミングで目覚めることにより、ようやくその数がそろったとアンナは思えた。


 そして、なぜ今その才能が目覚めたのかを考えるならば……やはり神の思惑が混じっているのだろう。



 もし、最初からこれらの才能が目覚めていたのであれば、カグヤを傀儡のようにして操ろうと考える者や、現在の国王を害する可能性のある者として処分しに来ようと企む者が出た可能性がある。


 シグマ家なのでそのような事はさせないだろうけど、まだ精神的にも肉体的にも幼い時期であるならば才能を目覚めさせないほうが良い。




 そして、肉体的にも精神的にも成長し、ようやく守るべきものをはっきりさせた今、目覚めることによってその才能を活かすようにされていたのだとすればつじつまが合うだろう。


 あの神がどこまで考えていたのかは定かではないが、とりあえずこのタイミングで才能が増えたのはいいことである。


 味方を増やし、影の方へ潜み、ゆっくりとした生活を送れる可能性が高くなるのだから……悪くはない。




 とにもかくにも、この才能が目覚めたのは一旦内緒にすることに全員決めた。


 あともう少し、カグヤ自身に力もしくは後ろ盾を付ける必要がある。


 けれども、今は観光のために来ていて、特にすぐに行動を起こせるわけでもないから……


「難しいことを考えずに、まずは観光を楽しもうか」

「そうね。そうしたほうが良いわね」

『後回しにしましょうか』

「そうなのか?いやその方が楽かもしれないけど…‥‥ま、いいか」

「楽しむヨー!」


 今はこの地での観光を楽しもうと、カグヤたちは決めたのであった。


 今考えても、互いに思いが通じ合ったという事でまだまだ冷静さが書いている状況のようなものだ。


 ならば、とことん遊びつくしてから頭を冷やしていけばいい。


 そう考えて、カグヤたちは今日の観光へと向かうのであった。




……なお、出ていこうとしたタイミングで、あっさりと皆が観光に行くような様子を見て、ずっこけて姿を現すタイミングを逃した存在がいたのは言うまでもない。

タイミング…‥‥ある意味間の悪い謎の存在であろう。

次回までに登場できるのだろうか?ご期待ください。

次回に続く!!


……本当は「魔王の才能」とかにしようかと考えていたのですが、ありきたりかなと思い直しまして変えました。こっちの方が良かったのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ