#103
今回は前座的な感じです
主人公不在回です
‥‥‥ミスコンの開催時間となり、会場は大勢の客で混雑していた。
何しろ、この学校で美しい女性を選ぶ大会でもあり、一目でも見てみたいという人が多くいたのだから。
ただし、本来であればミスコンへ見に行こうかと考えていた、カグヤのクラスメイト達の姿がそこになかったことだけは、誰も気が付かなかった。
行こうにも、その姿では恥ずかしくて行けないがゆえに‥‥‥
『さぁぁぁぁぁ!!いよいよ待ちに待ったミスコンを開催いたします!!』
声が会場中に鳴り響き、地下の方にあった決闘場の司会席を地上の会場へ持ち込み、設置したその場所にはすでにおなじみの者達がいた。
‥‥‥いや、いつもとは少し違っていたと言った方が正しいだろう。
なぜならその場には、同じ顔と性別と恰好をした者たちが数人ほどいたのだから。
『司会は毎度おなじみのこの僕!!この学校の校長であるベルトラン・フォン・ベータだぁぁ!!ついでに言うなれば、本日は学園の美女を決定するという事だが飛び入りも大丈夫なので、実質的には学校一ではなく、本当に一番の美女を決める大会になるぞ!!』
『実況は、この校長阿保のお目付け役である執事兼副校長として支えているセバスクン‥‥‥の予定でございましたが、本日はこの大馬鹿者のまだやっていなかった書類仕事を押しつけられてこれないために、急きょ親戚の中から3人できましたセバスリアンです』
『親戚3人で来たの!?というかセバスリアンさん明らかに文句を言っているよね!?』
『同じく、この馬鹿の面倒を見ているというセバスクンの親戚であるセバスチャーリだ!』
『シンプルだけど、わかりやすい文句を言ったよセバスチャーリさん!!』
『心労でそろそろセバスクンも禿げるのでは?そうなったらバリカンで校長の頭を綺麗につるつるにしてあげようと考えている、親戚のセバスリースです!!』
『まとめて文句言っていないか!?しかもセバスリースさんが一番おっそろしいことを言っているんだが!?』
『あ、私は適当にカミソリで毛という毛を剃る予定でした』
『こっちは今回のミスコンで何かしらの阿呆な事をしたら「モグ」ことを考えていたのだが‥‥‥』
『他の二人も同じだった!?しかもより上級のやばい奴じゃん!!モグってなにを!?』
『そりゃ校長、貴方の(ピー)をはさみで切るか、手袋をして直接ブチっと‥‥‥』
「「「「「何を言っているんだ解説&実況の人ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」」」」
危うく流せないような言葉が出たので、思わず会場中にいた全員がツッコミを入れたのであった。
校長がセバス一族にどうされようがどうでもいい。
けれども、ミスコンなので女性が参加するこの大会での不適切な表現はやめてほしいので、セバスチャーリは強制的に追い出された。
『えー、今やらかしたセバスチャーリの親戚であるセバステンです。改めまして、僕らと阿保な校長を含む4人でこのミスコンを盛り上げたいと思っています』
『まともかと思ったら、結局馬鹿にされた!?』
‥‥‥セバス一族に恨みでも買われているのだろうか校長は?
疑問を観客に残しつつも、ミスコンの説明が行われることになった。
『開催ギリギリまで議論し続け、今回のミスコンは色々とルールがある!!』
『だって校長、途中でポロリもあるよみたいなことを企画しようとしましたからね。何を考えているのでしょうかこの変態は?』
『そのせいで色々他の制約もできちゃって、派手さが今一つになったんですよ?』
『流石に貴族の令嬢もいるので、下手すりゃあなた‥‥‥クビかもしれませんよ?』
『色々と辛らつ!?』
『さてと。とりあえず阿呆は置いておきまして、今回のミスコンは美しさ‥‥‥それも、純粋なその人ならではの個性を生かして競ってもらうようにしています』
『馬鹿の案である水着審査は流石に秋のこの季節には厳しいし、こちらで用意された衣服を組み合わせてきてもらい、まずはそのセンスを見せてもらいます』
『そのあと、その個人でのアピールをしてもらいます。そのアピールやセンス、見た目の容姿なども含めて、点数を観客の皆様方にあらかじめ渡しておきました、この屑発案でありこの時の為だけに作られた特別な魔道具で採点してもらいます』
『さりげなく罵倒していない!?まぁ、その平均で決めるんだけど……僕ってそんなに人望がないのかな?』
ポチポチポチポチ
『お、今のまぬけ校長の発言で皆が一斉にテストで採点したようですね。実は予めこの言葉の予想をして、動作テストをしようと計画していたのですよ』
『0なら人望無し、10なら人望アリとしていますが……』
『平均0点!!これは人望なさすぎるぅぅぅぅぅう!!』
『なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
‥‥‥校長の人望が皆無と判定されたところで、いよいよミスコンが始まるのであった。
いよいよ次回からミスコンスタート!!
校長‥‥‥これでよくクビにならないな。