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#9

本日2話目!

そろそろ話しの方で展開を進めていかないとね。最初の方は説明が多いのが厄介だ。

・・・カグヤが魂魄獣を得てから半年ほどたった。



 正直言って、毎日の特訓がハードである。


 

 剣術に関しては父が空いた時間を見つけては、にこやかな顔で斬りかかかってくるし、兄たちとは薬草学の方の才能で学ばせてもらいつつ、実際に使用する状況になったり、母上からは流星群のごとく魔法の雨あられを降らされるし・・・・


「それでも死なないでむしろ耐えれているのがすごいですよね」

「それは確かにね。実際、前世の身体だったらもうこの世にいないと思うよ」



 チートな才能が与えられているようだけど・・・・そういえば、転生前にちょこっと体の方もいじると神は言っていたっけ。


 つまり、今のこの身体は人間だけど、少々手が加えられれているようなものでスペックも相応に高いのだろう。


 無駄に高性能なのはいいけど、出来れば将来的に身長が欲しい。


 184・・・無理なら174は欲しい。割とそこは切実である。


「これでカグヤ様が女性でしたらスタイルの方でさらに悩みそうですけどね」

「本当に男として転生できたのはよかったよ・・・・これで女の子として転生していたらそれはそれで恐ろしいな」


 精神的に男のまま、でも体が女という状況は流石に嫌だった。うん、この運の良さに感謝だ。



「才能は今のところ大分鍛えあげられていますけど、今一つ増えにくいですよね」

「『才能学習』でも、やっぱ制限があるんだろうな」


 半年もかけて鍛えあげられている間に、この「才能学習」について一つわかってきたことがある。



 元から無い才能を取り入れることができるんだが、その才能の持ち主がその才能で行う作業を一緒にする必要性があるようだし・・・・似たようなものは学習しづらいようなのだ。


「賢者の才能」、「大剣豪の才能」は、言ってしまえば魔法と剣術に関しての集大成のようなものである。


 そのため、母上の持つ魔法関係の才能や、父の持つ他の剣術の才能もこれに統合されるようで才能として学習し切れていないようだ。


 兄たちが持っていた「薬剤師の才能」、「植物成長の才能」はその内側に含まれないためこのようにきちんと取り入れることができているようだが・・・・



「似たような才能っているのは案外多くあるようでして、上位互換、下位互換なんて言うのもあるようですね」

「才能といったって、活かし方によって方向性は変わる。似ているのもそりゃ多く出るわな」


 アンナが本の姿となって開いたページに表示されているのは、今までに確認されてきた才能のようである。


 結構似たような名称も多く、その才能の内容も似通っているようだ。


「できれば『幸運の才能』とか『モブ化の才能』とかが欲しいけど・・・・・こんな才能持っている人いるのかな」

「いなければ表示不可能ですよ。でも、『爆裂アフロの才能』、『愚王の才能』なんていう要らないような物もありますよね・・・」


 アフロってそれ才能になるのか?その才能がどういう物かという基準が分からない。


 というか、「愚王の才能」って一番やっちゃいけないやつな気がする。


 過去にはどうもその才能を持ったやつが隠ぺいして王になって、国が滅びたという記録もあるようなのである。


「というか、才能学習の内容は才能を持った人の分野で共同でやるみたいなことでしたけど、具体的にわかりづらい才能とかはどうするのでしょうかね?」

「あー、確かにそこは気になるよな」


 薬剤師とかは兄の作業を一緒に手伝ったりして手に入ったけど、具体的に手が付けにくいようなものなどはどのようにして学習できるのだろうか。


「まあ、その辺は長い目で考えればいいか。まだ俺は5歳だしな」

「一応10歳あたりまでに考えたほうが良いですよ?この国って確か義務教育モドキがありますし」

「モドキって・・・・・」




 今いるこのバーステッド王国、どうやら義務教育のような制度があるらしい。


 10歳ごろに首都の方にあるという学校へ通うことになり、そこで将来のために勉強をさせられるようなのだ。


 平民、貴族、王族、そして他国からの者でも関係なく入学でき、割とグローバルな状態らしい。



「学習内容としてもレベルが高く、わざわざ留学させる国もあるようですしね」

「でもそういうところで絶対に『巻き込まれの才能』が発動するのが目に見えているんだけど・・・・」


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「巻き込まれの才能」・・・様々なトラブルを引き寄せやすくなって、巻き込まれるようになる才能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うむ、ろくなことにならないのが目に見えている。今はこうして辺境の自宅にいるからこそこの才能は影を潜めてはいるが、そのような人が多いところへ行けば、ほぼ確定で発動するであろう。


「才能を人に擦り付けるようなものが欲しかったかも・・・・・」


 それさえあれば、平穏無事に過ごせること間違いなし。


 でも世の中そう都合よくはないので残念である。神よ、チートがあるならそういう他人に才能を渡せるようなものを渡してくれ。


 あ、でも転生前に特に指定していなかったし、文句の言いようがないのか・・・・・くそう、あそこできちんと考えればよかったかも。



「私としては『天然ジゴロの才能』が心配ですけどね」

「いや、それは流石に大丈夫だと思うよ?積極的にしなければいい話だし、そもそも当主を継ぐ可能性が低い三男だから近づいてくるような人いないって」

「そうですかね・・・」



 どことなく、怪しむかのような声を出すアンナ。


 多分大丈夫だとは思うけどなぁ・・・・絶対なんてこの世界にはないだろうし、不安はあるけど。



「まあ、前世でも特に友人ができなかったし、ボッチだったからね・・・・あ、言っていたらなんか悲しくなってきた・・・」

「それ・・・聞いている方としても同情しますよ・・・私も前世大魔法使いでしたけど、同じような者でしたからね・・・」


 互いに前世がボッチだったという事が分かり、カグヤとアンナはこの日、互いに慰め合って絆を深めるのであった・・・・・


・・・ちなみに、カグヤが前世ボッチだったのは、他人と積極的に関わりを持たなかっただけである。好意を抱いている人はいただろうけど、なんとなく話しかけづらい雰囲気だったというのもあるかな。

あと、アンナの方はこちらはこちらで大魔法使いだった・・・・つまり、才能が優れていた(ついでに優れた美貌も持っていた)ので、周囲から嫉妬などもあって友人がほとんどできなかった。あと熱狂的なストーカがいて、その人が陰から追い散らしていたというのもある。

互いに悲しいボッチである・・・・・・。

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