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#102

ちょっとカグヤは忘れています。

他の人の格好を変えたのは良いけど‥‥‥カグヤ自身は?

SIDEカグヤ


「‥‥‥あ、そういえばまだ完全解除していなかったな」


 色々と皆の姿を変えた後、休憩時間という事でカグヤは模擬店から出たのだが、よくよく考えてみれば、まだ自分の完全偽装を解除していないことにふと気が付いた。


 どうりで先ほどから人の目線が嫌に集中してくるわけだ。


‥‥‥主に胸元へ。うん、すっごい不快。メイド服だけどその状態でもわかるぐらいの大きさみたいだからな。


 なんというか、アンナやリースの日頃の隠していそうな不快感を味わったような気がする。


 サラの場合は、あいつならむしろ堂々としていそうだな。ドラゴンって考えてみたら元々裸のようなものだしね。




 ミルル?‥‥‥その話題はなしで。


―――――――――――――――――――――

SIDEミルル


「わたくしだって一応BとCの中間ぐらいならあるのですわ!!」

「うわっ!?」

「いきなりどうしたミルル?」


 ミスコン会場控室にて、いきなり叫んだミルルに対して周囲の皆はびくっとして驚いた。


「いえ、なにかこう、物凄くいらない情けと言うか、とりあえず誤解のないように叫びたくなったというか‥‥‥」

「ううむ?何が原因かさっぱりですネ?」

「人に噂されているときにこうなることはあるのだろうけど‥‥‥」

『何とも言えないですわね』


 ミルルのその不満のあるような言い方に、同じく会場控室にて準備をしていたサラ、リース、アンナの3人は首を傾げた。


 それと同時に揺れる胸元を見て、若干ミルルがいら立ちを覚えたのは言うまでもない。


「‥‥‥一応聞いておきますけど、3人ともサイズはいくつですの?」

「ドラゴンだけにDはあると思ウ。正確に測れば超えていそうだガ‥‥‥」

「邪魔なものだったから、そこまで気にしてはいなかったかな。男性偽装時代がどれだけ楽だったのか、よくわかるとだけは言っておこう」

『‥‥‥そういえば、測定していませんでしたね。カグヤ様を窒息させてしまった時がありますし、危険性を実感する為にも、今度改めて測ってみましょうか』



 持たざる者と、持つ者‥‥‥その差を見せつけられたような気がして、ミルルとたまたまその会話を聞いていた参加者たちは落ち込むのであった。


 ‥‥‥なお、ミルルのどこがとは言わないが、サイズのごまかしがある事だけははっきりしているのである。


――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEカグヤ


‥‥‥なんだろう、今何か虎の尾を踏んだような。



 ふと感じた寒気に気が付き、カグヤは胸部に関することを考えるのを止めた。


 とりあえずこのまま人前でいきなり偽装解除するのも何なので、どこか人目に付かないところで解錠して元の姿に戻ろうかと考えていた時であった。



「あ!!そこの人ちょっと待って!!」


 突然後ろから声を開けられ、思わずカグヤが振り向くと何処には何やらグループとして固まっているような女性陣がいた。


「な、何のようでしょうか?」


 思わず声も偽装した状態で尋ね返したカグヤ。


 やや嫌な予感がしていたが、突然の事なので逃げる機会を失ったのである。


「‥‥‥ふむふむ、之なら十分に盛り上がるかもしれない!!」

「ねぇ貴女!!ミスコンにちょっと出てくれないかしら!!」

「私達この学校での記事を書く記者なんだけど、このままだと優勝候補者がどうやら皆の予想に当てはまるような人が多くて、面白みが欠けるもの!!」

「だから飛び入り参加という事でどうかお願い!!」

「え、いや、その」


 あまりの勢いにビビるカグヤ。


 どうやら目の前にいる女性たちは、首都内にて毎日何か面白いことがないか記事を書く、江戸時代の例えで言うなら瓦版を捲く人、現代風で言うなら新聞記者のような人達らしい。



 今日はこの学校で開催されるミスコンを題材に記事を書こうとしていたようなのだが、優勝候補の予想がどうやらほとんど似たり寄ったりな感じで面白みがないそうな。


 そこで、飛び入り参加として美女を参加させて盛り上がりを追加しようとしたのだが、そんな都合よく美女がいるわけでもない。


 と言うか、自分たちで参加したほうが良さそうなものだが、それだとみて記事が書けないとか出てもそんな変わらない感じがするとか諦めかけていたそうだ。



 そこに、偶然にもまだ完全偽装を解除してなくて、メイド姿のカグヤの姿を見て‥‥‥


「うん!!その美女度なら十分いけるわ!!」

「さぁさぁ!!どうぞミスコン会場へ!!」

「その美しさは魅了できるのに、もったいないわよ!!」

「私達が各記事の面白み追加と売り上げ増加のためにどうぞ!!」

「ちょ、参加するわけもないし最後の人の本音が駄々洩れなんだけど!?」

「「「「さぁさぁさぁさぁ!!ミスコン会場へ向かうわよ!!」」」」

「参加しないって言って、あーーーーーーーーーーー!!」



‥‥‥記者魂の熱血根性と欲望によって動き出す女性たちの力は予想以上に強く、何もすることができないままずるずると、そのままカグヤは連行されたのであった。



 というか、抵抗したいけどがっしりつかまれているから逃げにくい。


 誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‥‥‥

‥‥‥本来の予定とはちょっと修正。

とある愛読者様から意見をいただき、その案をいただきました。どうもありがとうございます。

と言うか、カグヤのこの後の運命やいかに。

次回に続く!!


‥‥‥偽装解除して逃げればよかったのでは?

いや、記者とか言うならば思いっきり今度は女装していたとかでネタにされるのが目に見えていたから、うかつに抵抗できなかったのもあるのだ。


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