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#101

本日2話目!!

早期解決が望ましいのだろうか?

SIDE???


 学校で学園祭及びミスコンが開催される前夜。


 皆が寝静まり、誰もいなくなった校内に侵入する者たちがいた。



「‥‥‥ここで間違いないな?」

「ああ、ミスコン会場となるのはこの学校の運動場で間違いないそうだ」

「地下の方に決闘場もあって、お楽しみ軽めの決闘なんてのも開催するようだが、こちらの方に圧倒的に客が来るだろう」


 ぼそぼそと、誰にも気が付かれないように警戒しながら侵入した、フードを深くかぶって、月の光でもそう簡単には素顔が見えない者たちが、その場に集まっていた。



「では、今夜中にさっさと準備を可能な限り進めるか。この任務が完了すれば、帰郷できるはずだ」

「海を越え、山を越え、国境を越え‥‥‥長い旅だったが、今宵の任務で終止符を打てるだろう」

「与えられた我々の任務を画一に遂行するためにも、無駄話はやめてすぐさま取り掛からねばな」

「‥‥‥どんな任務だっけ?」

「忘れたのか?我々の目的を?」

「‥‥‥目的?」

「ああ、我々は猊下からわざわざ受け持った任務を‥‥‥ん?」


 ふと、誰かが会話に混じっていることに気が付いて、フードの者たちはその声の方向を振り向いた。



「ちっ、気が付かれたか」

「何者だ!!」


 そこにいたのは、自分達とはまた違うフードを着た者たちと、またまた違うフードを着た者たちと、なにやらにゅるにゅるとうごめいている者達がいた。



「名乗るほどの物ではにないのだが‥‥‥まぁ、しいて言えばわが国の王女様が出なさるミスコンの無事の開催を祈る刺客の者たちとだけは言っておこう」

「こちらもほぼ同文で、皇帝陛下の血縁の方を守るために来た妨害者排除要員とだけは言っておこう」

『$&’&%$##’&%#$&%$’&%(火炎龍(ファイヤードラゴン)達から様子を見るように脅されこほん、頼まれてきたモンスターの一団とだけは言っておこう)!!』



「「「最後の奴だけおかしいだろぉぉぉぉぉぉぉ!?」」」



‥‥‥思わずツッコミを入れてしまったフードの者たち。最後の者達が言っていた言葉の意味が分からないが、ニュアンス的になんとなくわかった。


 そして、その目の前に立ちはだかるのは、互いにほとんど同じミスコンの無事開催を願う者たちで結成された、即席の同盟軍であった。




 戦闘がその後繰り広げられたのだが、かたや任務のために長旅をしてきて疲労がたまっている者達に対して、かたや元気いっぱいの多勢になった同盟軍。


 勝敗は明らかであり、変なことをされる前にフードの者たちはあっと言う間に同盟を結成した者たちに捕えられ、連行されていったのであった。


 この深夜の戦いはほとんどの者達に知られることはなかったが、シグマ家の諜報員の数名ほどが実はこっそり加わっていたことだけは言うまでもない。


 利害が一致しているのであれば、手を組むのである。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

SIDEカグヤ



 学園祭当日となり、今日は朝から学校内は人でにぎわっていた。


 ミスコンの開催と言うのもあり、その場所取りなどに熱心な人もいるようだし、純粋に生徒たちが出す模擬店を楽しんでいる人たちもいるだろう。


 皆が笑顔であり、模擬店での販売している食品や、景品などを手に取って喜んでいる中‥‥‥



「‥‥‥」

「カグヤ、お前ちょっと機嫌悪くないか?」

「いや悪くもなるだろうな……どう考えてもそうだろう?」


 何せ、カグヤたちのクラスが出した模擬店は喫茶店。


 だが、ミスコン開催の際には、女子生徒たちは準備のために既に会場へ行っているのであり‥‥‥


「なんで俺が女装しなければならないんだよぉぉぉぉぉ!!」

「「「「「「だってお前意外頼れる奴がいないもん!!」」」」」」


 カグヤは現在、いつもの格好ではなく、長い黒髪ポニーテールに、女顔になって体形まで女性らしい状態で、メイド服を着せられて接客をさせられていた。


 女子生徒たちがミスコンでほとんどいなくなり、男だらけの殺伐した空間になってしまったので、そこで、リースから会得していた「完全偽装の才能」を持つカグヤに、クラス男子一同が頼み込んだのである。


 全員土下座で、余りの必死さに断り切れなかったとはいえ、もっとはっきりとした態度で断ればよかったとカグヤは後悔していた。


 なお、この格好や体形も完全偽装の才能によるものであり、解除すればいつもの容姿と衣服に戻せるのである。


「にしても、元が男だって言うのに変わり過ぎだろカグヤ!!」

「ああ、言動にさえ気が付かなければカグヤという事はわからないだろうな」

「声まで女の子のように変えられるって、すごい才能だよなぁ」


 口々に皆が口をそろえて、褒めているのか、けなしているのか今一つわからない声をカグヤはかけらていたのだった。




「‥‥‥待てよ?『才能向上』があるし、そもそも『完全偽装の才能』って『他者にも可能』だったよな?」


 ふと、カグヤはその事を思いつき、ニヤリと笑みを浮かべた。


 その笑みを見て、他の男子生徒たちは悟ってしまった。


「お前らも同様の格好にしてやるわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」










「‥‥‥ふぅ、最初からああすればよかったな」


 パンパンと手を払い、一仕事を終えつぶやくカグヤ。


 今は休憩となって、店は他の変わり果てた(・・・・・・)者たちに任せているのである。



 よくよく考えてみれば、最初からあいつらに(・・・・・)すればよかったんだ。わざわざ俺が女装する意味もないもんな。


 


 うんうんと自己完結しつつ、カグヤはミスコンがどうなるかを見に行くために会場へ向かうのであった。


‥‥‥なおこの日、カグヤのいた模擬店では、なぜか働く女子生徒たちが多く、誰もがうかつに頼んだのが失敗だった、その可能性に気が付かれなきゃよかったと、つぶやきながら涙を流していたという。


 唯一の救いだったのは、誰もがそこそこの美女になっていたという事であろうか。


 しかも、無意識故か、誰かの顔がいろいろと混ざっているような容姿に‥‥‥

‥‥‥予想はついているでしょうけど、カグヤは皆を『完全偽装の才能』で女装させたのである。

最初からカグヤ自身がする必要なかったじゃんと言いたいけど、まぁ主人公が女装させられるのはお決まりの事かなと思ってやってみました。

女主人公であれば、カグヤの容姿はあのような感じでした。

次回に続く!


‥‥‥後に、数人ほどが女装に目覚めたのは言うまでもない。いけない扉をまた開いてしまったようである。

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