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#87

本日2話目です!!


‥‥‥夜中、ある一室に明かりがともっていた。


「‥‥‥なるほど、よーくわかったけど一つ言っていいか?」

「なんだ?」

「それただの価値観押しつける腐れ外道野郎としか思えないじゃん!!」

「「まさにその通りだよ!!」」


 事情を話し合い、互いに理解しあったところで叫んだカグヤの言葉に、ルシスとネリスはうんうんと同意したのであった。



 ちょっとルシスたちにカグヤは話しかけて、なぜ叫んでいたのかなどの詳細な理由を聞き、そこから旨い事話術によって現在その内情を聞くことができるまでに至ったのである。


 話術と言うか、まぁこの二人が思った以上に単純でいろいろ話してくれたんだけどね。



「マッキーナとかいうやつがいて、そいつから逃げるためにこの留学を活かしたのか」

「その通り。ミーはどうやらあの性悪な女の魔の手から逃れることはできたのだが、兄や父はもう腑抜けのバカボンとなり、手が付けられないんだ」

「そのうえ、あの性悪女は他の同性の人を差別し、奴隷にしたりともう国際法も関係ないやりたい放題の、己の価値観を押し付ける野郎だったんだよ!!」


 力説するルシスとネリス。


 物凄い苦労を抱えていたようで、カグヤは心底同情した。


 

 事の起こりはラフター皇国にマッキーナとかいう少女が現れたことが原因であった。


 何を思ってか第2王子が連れ帰ってきて、客人だとか言ってあれやこれやとしているうちに、いつの間にかマッキーナは他の男性たちと肉体関係を持ち、虜にして次第に国を掌握していったらしい。


 男ならば彼女の元へ、女であれば違法な手段でも奴隷にしたり、罪に問いて国外追放したりともうやりたい放題。


 幸いにして、第3王子のルシスは彼女に全く魅力を感じられず、逃げ惑う事が多くて留学と言う手段を用いて逃げてきたようなのである。


 第3王女のネリスもそれに合わせて自身も国外へと抜け出て、王子の調教もといナンパ癖の矯正も兼ねてつかの間の平穏を過ごしてきたのだが、そこに今回の爆弾ともいえる手紙が渡されてきたのである。


「お前を追っての来訪じゃないか?よかったな将来的なお嫁さんが見つかって」

「ミーにとってはどう考えても良くないことなんだよ!!流石にあれはミーのストライクゾーンの論外だよ!!」

「女好きの馬鹿兄貴がここまで嫌がっている時点で、どれだけろくでもないかよくわかるだろ?」


 ルシスの必死さに、ネリスがフォローを少し入れる。



 女性にナンパしまくって結婚前提に付き合ってとか言うルシスだが、そんな彼でもある程度の事はわきまえているらしい。


 肉体的関係を持たないようにしたり、買い物を一緒にしたりと出来るだけ清廉潔白な関係を少しづつ築き上げていくのが理想なのだとか。



 ただ、件のマッキーナと言う人物はそんなルシスの方法とは正反対。


 しょっぱなから一夜をともにしたり、色欲まみれのサキュバス顔負けのとんでもない女だとか。



‥‥‥良くこういうことに関して例えに出されるサキュバスだが、それすら超えるってどれだけなんだろうか。


『うわぁ‥‥‥ひどすぎと言うか、もうあれですね。動く18禁ですね』


 アンナが本の姿のままそうつぶやき、物凄く嫌悪感を表しているような言い方で言った。



「なんにせよ、そのうごめく爛れた女がこの学校に来るっていうのが問題だよな」

「父も兄もあの女の言いなりの傀儡と化しているようだからな‥‥‥もしかしたらミーだけではなく、この世のすべての男を狙っているのかもしれないのだ」

「あの腐れ(放送禁止用語(ピーーーーー))が来ると考えると、物凄く嫌なんだよなぁ」


 どれだけ嫌いきっているのかものすごくよくわかる。


 と言うか、ネリスってどれだけの暴言のバリエーションを持っているんだろうか。そんな言葉知らんかったというような物凄いモノまで言っているんですが。



「とはいえ、今のところ分かるのはマッキーナというやつが諸悪の根源、何らかの才能で周囲を魅了し、薬品や道具等で効果を倍増させ、男を囲い女は追い出すということか」

「その通り」

「効かない人もいるようだが、そいつらは女同様に奴隷へとか、もう国際法ガン無視だ」


‥‥‥奴隷って一応この世界にいることはいるらしい。


 ただし、厳重にそのあたりの管理は全ての国がきちんと正統なものになるように守っているようであり、むやみやたらに奴隷にすることはできない。


 それなのに、その事を無視して気に入らない人を奴隷行きにしたり‥‥‥救いようがないとはこのことなのだろうか。



「まずはその魅了対策がいるかもしれん」

「薬や道具で高めているのにどうやってだ?」

「そこが問題なんだよなぁ‥‥‥」


 そう言う類は専門外。


 才能を抑える様な薬とかがあればいいんだけど思いつかないし、材料もなぁ。


 「薬剤師の才能」は才能学習で得ているけど、それだけでは‥‥‥待てよ?そもそもこの才能って誰から学んだっけ‥‥‥あ!?


 カグヤは思い出した。


 こういう薬剤とか材料となりうる薬草に関して詳しそうな人を。


 身内であり、普段は目立たないかもしれないけど立派なシグマ家の一員を、己の兄たちの事を‥‥‥




普段あまり目立たない者こそが、物凄い強力な協力者になったりする。

一応カグヤの兄たちもシグマ家の一員だし、それ相応のとんでもなさがあるんですよ‥‥‥

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