第7話 辛抱強さ
「うるさくしてしまい、申し訳ございません。」
リビングには、父親も兄もいてどちらもソファーに座っていた。
こういう時はだいたいが会社の話なので、私は静かに自分の部屋へ帰ればいい。
何も言わずに部屋へ行こうとした。
「おい、どこへ行くつもりだ?」
「え?」
いつもなら私には見向きもしないのに.....。
「お父様とお兄様の邪魔になると思ったので自分の部屋へ行こうと思いま「調子にのるな。」
最後まで喋らせてもらえなかった。
私に一体どうしろと言うのだろうか。
「お前は、今の会社の状況をわかっているのか?」
「.....はい。」
わからないわけがない。たがこの答えが父親の癪に障るということもなんとなく想像がついた。
「わかっているのに自分の部屋へ逃げようとしたのか?お前は昔からそうだ。会社の心配を一切しない。その癖して、ご飯は3食きっちり食べやがる。」
「..................申し訳...ございません。」
「本当に申し訳ないって思ってんのかよ?俺と父さんが一生懸命頑張ってんのに。気楽でいいよな。申し訳ないって本当に思ってたら毎日もっと上手い飯つくれよ。」
................。
嫌な沈黙が続いた。
この沈黙を破ったのは父親だった。
「お前の母親もそうだ。死んでくれてせいせいするよ。」
――ドクッ。
心臓が嫌な音をたてた。
これ以上は無理だ。