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第6話 禁酒
.....今日は疲れた。
「親父、いるんだろ?」
家に帰って早速親父に報告しようと思ったが、親父が見当たらない。
「風里生さん、おかえりなさいませ。」
「あぁ、ただいま。」
家政婦の太田さんは家の専属家政婦だ。
俺の小さい時から家事をしていて、俺の面倒もよく見てくれた。
「親父がどこにいるか知ってる?」
そう聞くと、太田さんは目をそらした。
「.....旦那さまは、えっと.....。」
「もういいよ、だいたいわかったから。」
「止めようとはしたのですが.....。申し訳ございません。」
あのバカ親父。
「太田さんは何も悪くないですよ。」
今日は久しぶりに会社が休みらしい俺の父親はかなりの酒飲みだ。
たぶん、今ごろあそこで......
「親父!!」
ドアを開けてすぐに親父を呼んだ。
「おーう、風里生きゅんかー?」
やっぱり...。
こうなった親父は母さんの力がないと大人しくならない。
「あー!今日、名前も覚えられてない人にプロポーズした風里生きゅんじゃーーん(笑)」
もう親父には絶対酒を飲ませない。と、決心した瞬間だった。