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第18話 信頼
「ここだよね?」
声に出して確認しても誰も答えてくれるはずがなく、自信がなくなった。
――ピンポーン。
遠慮気味にチャイムを押してみた。
少しするとドタバタと走る音が聞こえてきたので大人しく待っていることにした。
「はーい。」
筒井さんが出てきたのでここであっているようだ。
「やっぱり本当に同居するんだね…。冗談かと思った。」
「ごめんなさい。これからお世話になります。」
私のわがままのせいで筒井さんを振り回してしまったのは本当に申し訳なく思っていた。
「ううん、こっちこそごめんね。母親が勝手に……。嫌になったらいつでも言ってね。俺がでてくから。」
これからの生活に不安を感じていたが、この言葉を聞いて筒井さんとなら大丈夫かもしれないと思った。