2日目 午後
昼食を食べ終えた頃ちょうど映画の上映時間になった。
俺達が見たのは女子高生の間で流行っている恋愛系の映画だ。
初めての映画でもこれなら見やすいだろう。
劇場の座席に座りしばらくすると上映が始まる。
上映中、ふと隣に座る流唯の顔を見てみる。
劇場内は薄暗く、その顔はよく見えない。
流唯は今、どんな顔で映画を見ているのだろう。
そう考えながらスクリーンに視線を戻した。
上映が終わり、モール内のカフェで一息つく。
映画の内容は、余命半年と宣告されたヒロインと主人公の恋の話だった。
「映画、面白かったか?」
「えぇ、とても面白かったです。」
「それにしては、あまり楽しそうじゃないな。」
「いえ、本当に面白かったです。でも、あまりに綺麗で、『あぁ、あれは私の世界ではありえない話なんだろうな』って思っちゃっただけです。城山さんはどうでしたか?自分と似たような状況を客観的に見て。」
「別に、俺の最後はあんなに感動的なものじゃないんだろうなって事ぐらいかな」
「いいじゃないですか。別に劇的な最後だけが感動的なわけじゃありません。平凡な終わりも私は素敵だと思います。」
「そうか。…なぁ、今日の晩飯、どこで食べたい?」
「今日はお家で食べませんか?料理、出来るんでしょう?」
「じゃあ、ここで買って帰るか。」
「そうしましょう。」