2日目 午前
流唯に余命を宣告されてから、一日経った。
「…俺、ほんとに死ぬのか?」
部屋のベランダでタバコを吸いつつ一人疑問に思う。
と言うのも、死を6日後に控えているにしては、俺の体は健康すぎる。
病死かと思っていたが、どうも違うようだ。
「病死以外なら…交通事故か?」
タバコの煙を吐き出す。
「んぅ…」
流唯のこともある。
いきなり天使何て言われても信じられない。
まぁ、ファミレスで翼を見せてもらってからは大分信じてるけど。
本当にこいつは何者なんだ?
昨日、流唯用に買ってきた布団で寝ている流唯の顔を覗きこむ。
「…わっ!」
「うわっ!」
ビックリした。
ちょうど覗きこんだところで目を覚ましやがった。
「な、何してるんですか?」
「…なんでもない。」
「…もしかして、私のこt「黙ってろ。俺はお前なんかに興味ない。」」
嫌な予感がしたので食い気味に否定してやった。
「冗談ですよ。そこまで言わなくてもいいじゃないですか。」
「悪いな。」
「…」
「ん?どうした?」
「いえ、吸うんだなぁと思って。タバコ」
「あぁ、やめてたんだけどな。嫌ならやめるけど。」
「いえ、大丈夫です。そんなことより、今日は映画を見に行きましょう。」
「ついにこっちの用事より、自分の欲望を優先し始めたな。」
「昨日CMで見かけたんですけど、すごく面白そうでしたよ。」
「ついにこっちの話すら聞かなくなったな。お世話のこと忘れてるだろお前。まぁいいけど。」