1日目 午後
車でしばらく走り、近所の遊園地にたどり着く。
「はぁ。やっと着いた。」
「何か、微妙に離れてて不便ですね。ずっと車で疲れました。」
「乗せてもらったやつの台詞かよ。まぁ、遠いのは確かにそうだけどな。」
そんな話をしているうちに入場券を買い、遊園地に入る。
「あ、ジェットコースターに乗りましょう。早くて楽しそうです。」
「初めてなんだろ?大丈夫か?まぁ、俺は苦手じゃないからいいけど。」
ーーーーーー10分後ーーーーーー
「うぅ、何ですか?アレ。あんなものがアトラクションでいいんですか?軽く怒りを覚えるレベルですよ?」
「だから大丈夫か?って聞いたのに。ほら、あの辺にでも座って、休憩するか?」
「城山さんに心配されました。屈辱です。」
「なんでだよ。好意なんだから素直に受けとれよ。」
「冗談です。でも、休むのは負けた気がするので嫌です。」
「何の意地だよ。じゃあ、どうするんだ?」
「あれに乗りたいです。」
流唯は、そう言ってコーヒーカップを指差す。
「コーヒーカップか。まぁ、必要以上に回さなければ大丈夫か。」
ーーーーーー10分後ーーーーーー
「うぅ、何ですか?アレ?あんなものがアトラクションでいいんですか?軽く怒りを覚えるレベルですよ?」
「何で回すんだよ。そのセリフさっき聞いたわ。」
「せっかくだから、回したいじゃないですか。」
「学べよ。流唯の学校って確か、有名な進学校だろ?」
「それはそれです。」
「どれだよ。で?まだ休まないのか?」
「いえ、非常に不本意ですが少し休憩します。」
「どんだけ休みたくないんだよ。ほら、休憩所近いから行くぞ。」
すぐそばの休憩所に入り、色々な話をしながらすごす。
しばらくすると日も暮れてきて、遊園地がライトアップされる。
「綺麗ですね。」
「キレイだな。」
「観覧車に乗りましょう。」
「唐突だな。」
「駄目ですか?」
「…乗るか。」
「はい。」
俺と流唯は観覧車まで行き、ゴンドラのうちの一つに乗る。
「他のものに比べて平和ですね。」
「まぁ、そうだな。」
「カップルで乗る人が多いそうですね。なぜでしょう?」
「さぁな。一緒にいたいんじゃないか?」
「そんなものなのですかね。」
「そんなものなんだろ。」
「私たちも、カップルみたいなことしてみますか?」
「やらないよ。あと1週間しか無いしな。」
「そうですか。」
「そうだよ。」