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そもそもの発端

俺は太刀原たちはら なぎ。聖痕学園高等部の三年に在籍するごく普通の男子生徒だ。


今日は俺に降りかかった災難について聞いてもらいたいと思う。


俺の学校は一流の財界人を輩出する裕福な家の、裕福な家による、裕福な家の為の学校である。


俺もそうだが学生たちは裕福な家に生まれ、それを継ぐ人物ばかりだ。そのせいかこの学校では時折、変な現象が発生する。


この学校の中でも超エリートの男子生徒たちが一人の女子学生の取り巻きと化する乙女ゲー現象が。


親父たちの友人が作っている乙女ゲームさながらの風景が繰り広げられてるのだ。


何故かギャルゲー現象は起きないのに、これは数年に一度は起きる。


忘れた頃に発生するこれは俺には関係ない。


平凡な容姿の俺には関係ないはずだった。


成績だって下から数えたほうが早いのに、乙女ゲームのヒロインちゃん(仮)が目の前にいる。ついでに取り巻きたちも。


俺は悪役令嬢が断罪される時のような状況にいる。


どうしてこうなった?!


「お前、かなでにぶつかっておいて、謝罪もないのか?!」


「はあ?! 何言ってんの?」


ぶつかってすぐに俺は謝った。

それにぶつかって来たのは、取り巻きとのおしゃべりに忙しいヒロインちゃん(仮)のほうだった。


「大丈夫? 奏ちゃん」


取り巻きの王子様(2年の腹黒で有名な奴)がヒロインちゃん(仮)を労っている。当たったと思われるヒロインちゃん(仮)の肩を擦っている。


ちょっとぶつかったくらいで、大袈裟な。


「うん。大丈夫。春暁はるあき君のおかげで痛くなくなったわ」


「そう? 良かった。奏ちゃんは笑っていなくちゃ」


「・・・」


なんだろう、これ・・・。


「おい、聞いてるのか?!」


俺様なクラスメイトの笛水うすいが詰め寄ってくる。


笛水、生徒会長がこんなことしていいのか?

たかがぶつかったかどうかぐらいで、それも謝ったというのに、謝ってないとか因縁つけてくるなんてどうかしている。


「・・・」


寡黙な書記の鼓寺こでらが睨んでくる。


「あ~あ、男らしくないな~。さっさと謝っちまえよ~」


チャラ男会計(名前はどうでもいい)のムカつく発言。


イケメンの上に、モテ属性だと?!

お前の存在自体、俺に喧嘩売ってる!


それに俺は既に謝っている。

それなのにまだ謝れと?!


お前は爆発してろ!!


アッタマ、来た!!!


「そっちこそ、ぶつかっておいて謝りもしないくせに何、言ってんだよ?! 元々不注意だったのはそっちのくせに、謝ったのさえ聞こえないくらい喋るのに熱中していたお前らのほうが悪いんだろ?」


俺は言ってやったよ!

そうとも、言ってやったさ!!

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