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序章③
「おはようじゃなくておはようございます、だろうが!!このボケが!」
拳が僕の鳩尾に減り込んだ。体に痛みと重みが伝わる。
「…グッ、、!お、おはようございます…」
その言葉を聞くとイジメっ子はニヤリと笑い
それでいいんだ、という言葉を発し教室を出て行った。
未だに去ってくれない痛みを堪えながら僕の机へと向かう。机を見て僕は呆れた。
「増えてるのか…。」
イジメられっ子の象徴とも言える、机の傷。
漫画やドラマで見るのは暴言や意味のない彫りだが僕の机にあるのは、彫りなんて物じゃなく、完璧に穴を開けられ所々木の皮が剥げた傷だった。昨日までより傷が増えていた。
どうせ、僕が帰った放課後に数人で彫り彫りしているのだろう。 … 子供みたいに。
ちなみに翔子とは違うクラスなのでイジメの事は知っていてもこの机…その他の事は知らない。
翔子の知っているイジメは暴言を浴びせる事だけだ。
…それだけならどんなに良かった事か。