1/10
プロローグ
私は死んだはずだった。
死因や死の直前のことは覚えていない。
ただ、前日まで平凡な大学生をやっていたはずだ。
最後の記憶は、真っ暗闇の中、上に見える光に向かって漂い飛んで行ったこと。
自分が死に、死後の世界へと向かうことは不思議と知っていた。
これが臨死体験かと納得しながら天国行きを願っていた。
それがどうしてこんなことに・・・
私は生まれ変わった。
剣と魔法と、魔物と精霊のいるファンタジー世界に。
勇者の義妹という、嫌な予感がビシビシする立場の少女として。