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プリンセス・サーバンツ 〜スローライフを希望する姫様と、それを阻止するしもべ達〜  作者: みずほたる
第2章 スターフィールド建国記 〜姫様扱いはビジー(多忙)モードへの招待状でした〜
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姫様、転送魔法の「使い手」を探すことにしました

リィナが将棋の駒とカゴいっぱいの苺を持ってコンダクタ皇国に向かった直後のこと。


「姫様。アレクサンドリア殿がお目通りを願っておりますが、いかがなされますか?」


オカリナが聞いてきたので、


「誰それ?」


「姫様自らが環境大臣に任命した環境大臣です」


そう言われてゴミを食べすぎて倒れたスライムだと理解した。


「復活したのね。それはよかった」


私は安堵すると、スライムが跳ねながらやってきて、


「姫様、大変申し訳ございませんでしたぁ!」


多分土下座してる。見た目はわからないが。


「任務失敗の件、どうかワシの首でお許し下され! 家族に罪はございませぬじゃ!」


なんかこの光景を見た気がする。


「任務に失敗はつきものだから気にしていないわ。でも、国中におけるゴミ問題をこれからどう解決するか、一緒に考えていこうか」


「慈悲深いお言葉ありがたき幸せ! では申し上げます。国土は広く、ワシだけでは食べきれませんし、回りきれませぬ!」


「そりゃそうよ」


「なんか姫様にはお考えがありそうですな」


「例えばだけど、一週間に一度向こうからこっちに馬車が何かを乗せて送りつけてくるとか。こっちでは生ゴミはあなただけでなく家族も食べられるし、そもそも肥料にすることができるわ。それ以外はリサイクルして再利用か別な物に生まれ変わらせるか。とか?」


「ワシには考えもしないことですじゃ」


「でも生ゴミを馬車に乗せて運びたくないわよね。ゴミ転送装置とかないのかなあ?」


と、自分で言って思い出したことがあり、聖香を呼んだ。


「聖香って、メロディ法国から転送魔法でこの村に来たんだよね?」


「そうですね。術者がいれば可能です」


「メロディ法国にはそういう術者っていっぱいいるの?」


「残念ながら上位神官しか使えませんから数人しかおりませんわ」


「なら術者をこちらで育成するしかないわね。メロディ法国に行って転送魔法を教えてくれる術者をスカウトしに行こう」


「スカウトしてどうなされるのですか?」


「トランペット村にある学校で教師として働いてもらうのよ。で、覚えた生徒は各都市に派遣して転送魔法を使ってゴミをこっちに送ってもらうのよ」


「ゴミを送りたいから転送魔法教えてくれって言ったら怒られますよ? 彼らにもプライドがありますし」


そう言われては困る。経験上こういうタイプは頭が硬いので利便性を説いても頑なに頭を縦に振らないだろう。


「姫様、簡単な問題です」


オカリナがしゃしゃり出てくると、


「奴らの家族を人質にし脅せば良いのです」


「よくないわ」


私はすかさず却下すると、聖香が、


「そうです。脅迫はいけませんわ。札束でペシペシ叩くのが良いですわ」


「あなた、本当に聖女?」


「元、なので問題ありませんわ」


どちらにせよ、この世界には札束という概念がないわけなのだが、彼らが無理なら、その彼らに転送魔法を教えた人物を探すのは、


「さすがに無理ね」


私はつい天井を見上げてしまった。


「大賢者とか、どこかに転がっていないかなあ。毒キノコを食べて森で倒れてる展開とかないかなあ。実はチヒロの畑で働いていましたとかいうパターンないかなあ」


足をバタバタさせて、わざと大きな声で言うと、


「大賢者様ですか? 彼なら付き人と共にメロディ法国から北の地にて気ままな暮らしをしているはずですが」


「え? いるの?」


私は聖香の顔をマジマジと見た。


「ええ。魔法のエキスパートで人々から大賢者と呼ばれていますが、ちょっと変わってるんですよね」


まともな人の方が少ない気がしたことは黙っておくことにした。


「なんでも転生前はプロレスラーだったらしく、謎のマスクマンとして日々戦わられていたそうです」


「何でそんな人が大賢者になっているのよ」


「いろんな技を使いたい、観客をあっと言わせたい、メインイベントで戦いたいと転生する時、天使様に願ったとおっしゃられておりました」


そう言われたら、大賢者は適任な気がする。


「しかし、魔導書が理解できなくて北の地にて付き人と共にひきこもってしまいました」


「え? 魔法って魔導書理解しないと使えないの?」


「肌感覚で使える方もいますが、普通は魔導書経由ですね。大賢者様は文字が読めないそうです」


「なんでそんな人が大賢者ってみんなから呼ばれているのよ」


「マスクに大賢者って書かれていますから」


「この世界でもマスクマンなの?」


「謎のマスクマンです。正体がバレたら死なないといけないそうです」


「転生したら正体バレても身元不明じゃない。てか、字も読めない人が転送魔法使えるわけないじゃない」


「字を教えたらできるんじゃないですか?」


確かにトランペット村には学校があるから可能ではある。


「一応聞くけど、死んだ理由って知ってる?」


「コーナーポストから技をかけたら、飛び降り自殺と間違えられたとか言ってました」


まったくあの天使、仕事、滅茶苦茶だな。


私はつい頭を抱えてしまった。


しかし、頭の硬い神官を説得するよりは、頭に大賢者と書かれているプロレスラーを説得した方が簡単そうなので、オカリナと聖香をつれて彼のいる地に飛んでいくことにしたのであった。

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