結
「お、お腹が痛いっ」
いつも通りいじめられっ子をイジメようとしていた虐めっ子が急にお腹を押さえ始めた
当然大騒ぎになった
それはそうである
身体が大人並みとはいえ中学生なのだ
脂汗を流しながら腹痛を訴える人間に対処できるわけがないのである
救急車が呼ばれることとなった
<ピーポーピーポー>
救急車が到着して隊員が担架を持って教室に入ってきた
担架に乗せて運ぶ
救急車に乗せて走り出す
そんな大ごとが起きればいじめられっ子をイジメるという些細なイベントはふっとんだ
結論としては神経性胃炎であった
ストレスにより胃が痛くなるという奴である
・・・ブラック企業の会社員がよくなるやつだと言えばわかりやすい?
もっともイジメを行うたびに痛くなるので最後には誰も心配しなくなってきた
虐めっ子だけが胃痛で苦しんでいる状態
自業自得である
そう自業自得なのである
原因はいじめられっ子である
教室から居なくなったのは異世界に召喚されたからである
その際に神様から貰ったチートは『呪い』である
呪いと言っても命に係わるものではない
せいぜいが
胃が痛くなる
オシッコが近くなる
ゲリピーになる
オレの左手に封印されたの奴が騒ぎ出して痛くなる
といったしょぼいものである
もっとも
テストになるとゲリピーになる
好きな娘の前だとおもらしする
ともなればシャレにならないのである
要は使い様である
おまけに顔と名前さえ知っていればその場に居なくても呪いがかけられるのだ
もういじめの復讐万歳!、である
ちなみにいじめをしようとすると息が出来なくなることから誰が原因かは周知の事実である
それでもいじめを止めたのはただ単に恐怖からである
いじめをした途端、過呼吸で息ができなくさせる人間に関わろうとしないだろう
ただ黙って嵐が過ぎるのを待つだけである
いや実際に文句を言いに行った勇者がいた
もっともいきなり
「目、目がっ」
と目を押さえて転げ回ったのだ
誰が文句を言えるといのだろう
かくして教室に平和が戻り伝説が始まる