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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ペンギンの完成度高すぎwwwww

作者: うさ公

 



 リア友を待っていたら、ペンギンが来た。



「よ。オレオレ」


「……お、おぉ。キャラクリ頑張ったんだ……な?」


 待ち合わせにしていた時計台と合わさると明らかに違和感を醸し出すペンギン。

 真っ白なボディなのがオシャレ感を出していてキモい。


 ペンギンヘッドの上にあるプレイヤーネームはコウテイ。

 なるほどコウテイペンギン。



 どこが?



 よく見るとペンギンの目に光がない。死んだペンギンという意味なのか……? 


「で、最初はどこに行くんだよ」

「一番モンスターが弱いところに行って体慣らそうか」


 了解を得られたので早速目的地へ歩く。


 ぺたぺた。


 まあやはり、他プレイヤーにチラチラ見られる。

 ペンギン(真っ白)が目立つのは分かり切っていたことだ。そう。それは。


 ぺたぺた。



「おっっっそ!」


 ぺたぺた。



「なんだよそのぺたぺた! ペンギン歩きが許されるのは凍った雪道だけだよ! おっせぇ! 可愛こぶりやがってこのクソ鳥! 飛べねー鳥は鳥じゃねーだろ!」

「ンだとオラ。この愛くるしさもゲームの一つとして楽しめねぇなんてお前終わってんぞ!」

「愛くるしさの前に最低限の動きはできるようにしとけよ鳥頭!」

「完成度優先に決まってるだろ!」


 そうやってペンギンとガン付け合っていると、知らない人たちが仲裁に入ってきた。


「まあまあ。ペンギンはこの歩き方がキュートなんだから許してあげてよ」

「まあまあ。てかマジでペンギンの完成度たけーなオイ」

「まあまあ。ペンギンに街中で腹滑りさせるのは酷ってもんよ。その矛、収めてやりな」



 まあまあ三人衆は言いたいことだけ言ってどこかに行った。



「……VRMMOってこんな人から話しかけられるんか」


 ペンギンは死んだ目をしているのでどんな表情をしているのかさっぱり分からない。もともとコイツの喋り方はトーンがあまり変わらないので、より分からない。


「お前がペンギンだからだろ」


「……張りきりすぎた」


 楽しみにしてくれていたらしい。私はそれが知れただけでも嬉しいので、予定を変更することにした。



「やっぱり変えよ。とっておきの場所があるんだけどそっちに行かない?」

「おー」


 ぺたぺた。


 でかいペンギンを引き連れて私は新たな目的地へと足を進める。


 ぺたぺた。


「そういえばそのアバターってもしかして女の子?」

「そう。髪の毛その他もろもろの毛を伸ばして今」

「ふーん」


 ぺたぺた。


 ぺたぺた。


 行く人々に2度見されながら、1羽と1人は渓谷にたどり着いた。



「こんな崖っぷちでなにすんの?」


「それはだなぁ」




 私は思い切り飛んで、ペンギン野郎を蹴り落とした。



「ファーストペンギンさんアザッース!」



 フッとペンギンが消える。






「ペン゛ギン゛は空゛飛゛べね゛ーって知゛ら゛ね゛ーのかあああああ゛!!!!!!!!!!」


 メスペンギンは何かを叫びながら見事に落ちていった。

 真っ白なおかげで遠くにいっても見えやすい。


 やがて闇に飲まれる。





【PT:コウテイはアラザラシにやられた!】



「ふっ」



 私はゲーム攻略のための情報が得られたことにほくそ笑んだ。尊い犠牲だった。




 その後、キャラクリペンギン野郎に家凸され軽く喧嘩が起きた。日常茶飯事である。






 ゲームのことをリアルに持ち出すのはやめよう。




【コウテイ】

→ペンギン(女キャラ)、現実は男


【(視点の人)】

→現実では女、コウテイとは幼馴染み

初心者をうまくサポートするぞ! と意気込んでいたが、ペンギンのせいで崩壊した。渓谷に落としたほうが面白いと思った。


【アラザラシ】

→アザラシモチーフのモンスター(崖住み)

「ペンギンうめ〜^^」


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