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自然の摂理と友情と  作者: 佳純
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思考が飛ぶほどの爆音

 ある晴れた朝、雨戸を開けていると、風が頬を撫でた。

 ひんやりとした心地のよい風だった。隣の家の庭から見える緑や歩道脇の草花。見慣れた景色だったけれど、そこを通ってくる風。


 知らず、笑みが浮かぶ。

 梅雨が明け、これから真夏になり、とてつもなく暑くなるのかもしれないが、まだ過ごしやすい。そんな風が吹いていた。


 しかし、

 ぅううんん びぃいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びいいいんんんん


 思考が停止する音だった。

 もう少し遠くで聴けば、ミンミンになるのだろう。


 よく聴くミンミンゼミの声。けれど、あまりの近さのためなのか『びぃいいいいん』だった。

 とてつもなく大きな、半端ハンパなく大きなセミの声だった。


 ぅんんびぃいいいん、びぃいいいいん、びぃいいいいん、びぃいいいいん、びぃいいいいん

 窓を閉めると少しはマシになったが、耳をつんざくセミの声。


「クソうるせえ……」

 思わずつぶやいた。


 ぅんんん びぃいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん

 びぃいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びぃいいいいん びいいいんんんん


 涼しいと感じたことが嘘だったかのように、夏だった。

 どうしようもない暑さを感じた。一年で最も嫌いなクソ暑い夏。

『暑い』というのは実測値のような物で決まるわけではなく、『気持ち』でそう感じるのかもしれない。




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